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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

離婚を決意したとき⑶(その場合にしてはいけないこと)

協議離婚

2017年9月14日 / 2018年8月18日更新

 前回(その2)は離婚を決意したときにしておくといいことについて取り上げました。今回は逆にしてはいけない・あるいはしない方がいいと思われるものをいくつか挙げてみます。

 ⑴ 夫あるいは妻を自宅から追い出す
離婚の話が出てきて以降は、一般的には別居することになるということは、先に述べたとおりですが、自分は出て行きたくないから、夫あるいは妻に出て行くように言い、自宅から追い出すということがあります。妻より、夫の方が自分の持ち家だから、とか自分が住宅ローンを支払っているからといって追い出すケースの方がみられるように思います。
この場合、夫あるいは妻からの感情的な反発を受けるのはもちろんですが、なにより追い出すに至った経緯や追い出し方がのちに夫・妻から慰謝料の支払いを求められることになり、違法とされると支払わなければならなくなります。
離婚の話が長引くだけでなく、金銭的な負担も大きくなるリスクが出てくることは念頭に置く必要があります。

 ⑵ 出ていった夫や妻の荷物を勝手に処分する
別居の際には荷物をすべて出て行く側が持って出るということは多くなく、離婚の話し合いの中で、あるいは離婚で話がついたというときに荷物をどうするか決めていくことになります。
よほど金銭的な価値がない限り、財産分与の対象として問題になることは少ないと思いますが、共有財産といえれば財産分与の話し合いの中で決めることになるでしょう。共有財産にあたらない、夫や妻が結婚の際に持ち込んだもの、あるいは結婚後親族からもらったものは夫や妻自身の財産となるため、基本的には 妻に引き取ってもらうよう話し合うことになるでしょう。
ただ、そういった話し合いをせずに、荷物が邪魔だからなどといって、夫や妻の承諾を得ずに処分をしてしまうと、金銭的な評価はさておき、夫や妻にとって思い入れがあるものであれば感情的にさかなでしてしまうことで、話し合いでの解決が難しくなってしまいかねません。特に結婚前から持っていたもの、あるいはその後親族からもらったものなどについては、お金での評価に代え難い意味合いを持つこともあります。
細かいことにはなってきますが、荷物の引き取りの有無、あるいは処分する場合にはその費用について一度は検討の場面を設けるべきでしょう。

 ⑶ 婚姻費用を全く払わず兵糧攻めにする
これは夫から妻に対するケースであることが一般的になります。特に妻が専業主婦、パートで収入が少ない場合ですが、これまで支払っていた婚姻費用(生活費)の支払いを全く止めてしまうことで、いわゆる生活に困る兵糧攻めにすれば、早く離婚ができるのではと思われる方がいらっしゃいます。
しかし、通常は婚姻費用(生活費)の支払いをストップすると、離婚を考えているかどうかにかかわらず、婚姻費用(生活費)の支払いを求める調停申立をされることが一般です。
そうなると、夫と妻の収入に基づき、子どもの人数・年齢に応じた婚姻費用の支払いをしなければならなくなり、未払分があればどちらにせよまとまって支払う必要が出てきます。
なにより、婚姻費用(生活費)の支払いをいきなりやめることで、妻から強い反発・反感を受けることの方が大きく、感情的に離婚の話が複雑になってくるダメージの方が大きいと思います。
 最近は家庭裁判所で参考にする婚姻費用算定表がインターネットでもみられますので、そういったものを参考にしつつ、少なくとも支払わなければならないと思われる婚姻費用(生活費)の支払いはする方が、離婚の話合いにおいても妻からの感情的な反発を受けずにすみます。

 以上、離婚を決意したときにかかわることについて、ざっとお話しましたが、それ以外にも色々ありうると思いますので、またおいおい触れていければと思います。


広島駅南口で黄色いコスモスが咲いていました。この三連休は勢力の強い台風が日本列島を直撃するとのことで、動きが心配なところです。少しでもそれるといいですが、これだけはなんともいえないところでもあります。

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