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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

私的年金・企業年金と財産分与

財産分与

2017年8月28日 / 2018年9月17日更新

以前、退職年金や確定拠出年金が財産分与でどう評価されるか、について取り上げました(「退職年金や確定拠出年金は財産分与でどう評価するのでしょうか?」)。
似たようなものとして、民間の会社との契約で受け取る私的年金、勤務先の会社から受け取る企業年金があります。
これらも、公的年金ではないため、年金分割の対象にならないので、あとは財産分与で考慮されるかが問題になります。

私的年金・企業年金も財産分与の対象に

私的年金の場合、婚姻後に得た収入から支払いをしているのであれば、結婚後夫婦が共同して形成をした財産にあたるといえることから、財産分与の対象になりえます。
また、企業年金の場合は、会社と社員が掛金を出していることがあり、社員の出している掛金は給与から毎月引かれている場合は、やはり婚姻期間中に夫婦が共同して形成した財産といいうることから、財産分与の対象になると考えるのが一般的です。
ですから、いずれについても財産分与(のうちでも、清算的財産分与)にあたるといえます。

財産分与としての評価は裁判所の裁量により分かれる

企業年金の場合は、退職金の一部を年金として受け取る形にして、退職後に毎月決まった金額を受け取る退職年金と同じようなものであることもあります。そうであれば、退職年金と同じような考え方をすることが可能です。
ただ、その場合には将来いつまで年金を受け取ることが出来るか、受給総額が最終的にはっきりしないことがあり、どのように財産分与で評価するかが難しいことが多いです。終身受け取ることができる場合には特にそういえるでしょう。
財産分与の割合に応じて、実際に受け取る金額から(たとえばその2分の1を)長期的に支払っていくという方法もありえますが、支払いの終期が決めにくいこともある上、途中で支払いが止まったときにどうするかといった問題も出かねません。
将来の受け取り額まで今の価値に換算して考慮する、というのも難しいことから、先払いの分、前倒しで得る利益分(「中間利息」といいます)を控除することで、若干低めの金額を分与対象財産として考えていくという方法もあります。相手(財産分与で受け取る側)の合意を得られれば、財産分与の対象外とすることもありうるでしょう。
ただ、最終的に裁判所が判断をする(判決をする)ということになると、「一切の事情を考慮して、分与させるべきかどうか並びに分与の額を及び方法を定める」(民法768条3項)となるため、裁判官の判断により幅が出てくる可能性があります。


基町街路の朝顔?
基町の街路で見かけました、朝顔?のような花です。朝顔は夏休みに育てて自由研究で観察日記をつけたり、というイメージがあるため、夏の季語のような気がします。しかし、俳句では、万葉集で秋の七草の一つとされて以来、伝統的に秋の季語とされています。暦ではもうすぐ「白露」ですがまだまだ暑さが続きそうですね。

さらにこのコラムに関連する内容をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
退職年金・確定拠出年金は財産分与でどう評価するのでしょうか?
会社経営者が離婚するにあたって問題になること⑴
会社経営者が離婚するにあたって問題になりうること⑵

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2018-09-20
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