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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

夫婦の一方が家を出たとき同居を求める方法は?

離婚原因

2016年12月26日 / 2018年9月17日更新

 法律では夫婦は同居し、互いに協力し助け合わなければならないと定められています。最近は仕事の都合や子どもの学校などの事情から、夫婦が別々のところに住んでいるというケースもみられますが、そういった理由によらずに、夫婦の一方が単身で家を出て行く場合や、実家に戻ったまま帰ってこなくなってしまうということがあります。
 こういった場合、他方が戻ってこない夫・あるいは妻に対して同居を求めるにはどういった方法があるのでしょうか?

家庭裁判所で同居を求める調停や審判の手続きによる

 このような場合、家を出て行ってしまった方に対して同居を求める調停を家庭裁判所に求めることができます。話し合いでまとまらないときは、裁判所が同居をするよう命じるべきか判断する、審判の手続きに移ることになります。

 

同居を拒む正当な理由があると同居請求は認められない

 さきに述べたように、夫婦には原則として同居をする義務がありますが、同居を求められた側に同居を拒む正当な理由があれば同居を拒むことが認められます。
 具体的には、同居を求める側に不倫や暴力、虐待があり、それを理由に他方が家を出ていってしまったときは同居を拒む正当な理由あり、とされています。
 また、同居をすること自体が客観的にも難しい場合、生活上の理由から一時的に別居しているとき、たとえばさきにあげたように仕事上、単身赴任をしている、あるいは親の介護の必要から、といった場合が挙げられます。
 

同居を認めるには相手方が同居に応じる可能性がわずかでも必要とする裁判例も

 ただ、婚姻費用(生活費)の支払いのように金銭的な請求と違って、同居をするよう強制できないため、同居を命じる判断が相当といえるには、同居を命ずることで、同居を拒んでいる側が考えを改めて同居に応じる可能性がわずかでもあることが必要とする裁判例もあります。
 この裁判例では、考えを改める可能性があるかどうかについて、単に家を出ていった方が判断の時点で同居を強く拒んでいるという事情だけで判断するのではなく、同居を拒む本当の理由・夫婦の結婚が破綻している程度・それについての双方の有責性・経済状態、同居を拒否する側に生活費が支払われている場合はそれへの依存度・子どもがいればその状況、同居の審判が出たときの影響、といった事情を詳細に検討して判断しています。
 ただ、裁判例での判断をみる限り、家を出ていった方の離婚の意思・同居を拒否する意思が極めて強いこと以外考慮しているものの、結局のところ同居へと考えを変える可能性はない、との結論に至っています。
 そうなると、実際のところは同居が認められる判断がされるのは限定的になるのではないかと思われます。

 平和大通りのイルミネーション
 先日撮影した平和大通りのイルミネーションです。もみじをイメージしているのでしょうか。「紅葉」は秋の季語ですが、錦木のような寒くなってから紅葉しているものもあります。そういった冬になっても残っているものを「冬紅葉」といったり、「残る紅葉」といって冬の季語になっています。
 いよいよ今年も1週間を切り、あっという間に年の瀬となりました。

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 離婚と別居期間
 離婚の理由いろいろ
 


 



 
 

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2018-09-16
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