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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

慰謝料・財産分与の請求に期間制限があることに注意

慰謝料

2016年8月12日 / 2018年10月20日更新

 離婚の話はときとして長引くため、先に離婚の話をつけてから、慰謝料や財産分与の話をするということもあります。
 ただ、離婚に伴う色々な手続きや新しい生活の準備などであっという間に時間が経ってしまい、気がついたら相手方にお金の請求をするにも時効などになっていた、ということにもなりかねません。
 ですから、慰謝料や財産分与に限りませんが、相手方にお金に関する請求ができるのはいつまでなのか、ということを抑えておく必要があります。

離婚慰謝料は離婚成立から3年で時効に

 前にもお話しましたが、慰謝料には、たとえば暴力や不倫による慰謝料といった、個々の事案に関して発生する損害への慰謝料と、婚姻生活がダメになるまでのもろもろの事由により被った損害をひっくるめて、離婚に至った原因を作った側への慰謝料(離婚慰謝料)と2つの概念があります。
 このうち、個別の事案に関する慰謝料というのは、交通事故や医療過誤などと同じく、不法行為に基づく損害賠償請求ですから、民法上、損害及び請求の相手方たる加害者が誰かわかって3年請求しないと時効になるのが原則です。
 暴力、不倫による慰謝料請求の場合、それだけを取り出すと昔の話であれば離婚の話が具体化するまでに時効にかかっている可能性もあります。
 ですから、離婚の場合は、不倫の相手方にも慰謝料を請求するという場合でない限り、夫あるいは妻への請求としては個別の事案に対する慰謝料というよりも、あとでお話する離婚慰謝料として請求するのが普通ではないかと思います。

 離婚慰謝料の場合には、損害としては離婚が成立したことによって発生するということになるため、離婚成立から3年以内に請求しないと時効になってしまいます。
 話し合いで金額の折り合いがつけばいいですが、そうでないと慰謝料請求だけ家庭裁判所での調停ないしは地方裁判所(金額によっては簡易裁判所)で裁判をする必要が出てきますし、金額の裏付けになる証拠類も必要です。裁判まで行くケースであれば、請求される相手も争う可能性が高く、裁判も長引くおそれもあります。時効に近くなってきたら早めに見切りをつけて裁判にする必要もあるでしょう。

財産分与の請求は離婚成立から2年で期間の制限がかかる

これに対して、財産分与の場合はさらに早く期間制限がきます。離婚から2年をすぎると財産分与について期間制限が出てきます。
 といっても、これは期間がくるまでに相手が支払うと認めたときなどに中断する「時効」とは違い、期間が過ぎれば、たとえ話し合いがもつれてしまっても、最終的に裁判官の判断を仰ぐ、審判の手続きで判断してもらえなくなります。
 ですから、もちろん話し合いでかたがつきそうであれば離婚から2年をすぎていても大丈夫ですが、実際のところそこまでいくと話し合いがまとまらないこともあるでしょうから、話し合いでの解決が難しそうであれば、早めに家庭裁判所の審判をへるにしても離婚から2年以内に判断してもらえるようにする必要があります。

 せっかく証拠もある程度そろっていて、相手方にあとはお金の請求をするだけ、となっていても期間制限がかかって、相手から時効など主張されてしまうと元も子もありません。そうならないよう、早いうちから話し合いをし、難しいようなら裁判所の判断を仰ぐといった、見極めが必要でしょう。


鳴滝森林公園・せせらぎ
 前回に引き続き、岡山の鳴滝森林公園の滝からの流れです。
 「滝」は夏の季語ですが、「激つ瀬(たぎつせ)」から来た言葉だそうです。もともとは納涼のための「滝殿」という言葉が夏の季語で、「滝」が季語になったのは明治以降で比較的新しいようです。
 暑さが続くと、こういった涼を呼ぶ涼しい景色を見たくなります。
 

 

 

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