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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

公務員の離婚で問題になりうること

財産分与

2016年8月2日 / 2018年8月13日更新

 一般的にいえば夫あるいは妻が公務員である場合であっても、そうでない場合(夫あるいは妻が会社員であるとき)と比べて問題になることが特段別であるとはいえません。

熟年離婚の場合は分与対象となる退職手当が高額になることも

 ただ、通常熟年離婚に近くなると分与対象財産にあたるかで問題になる、退職金(退職手当)について、夫が公務員の場合は年齢によりますが、特に数年以内に退職をするという場合、ほぼ確実に退職時夫が退職金(退職手当)を受け取るケースが多いといえます。そのため、会社員の離婚以上に、退職金(退職手当)が財産分与の対象とされるといえます。
 また、新卒からずっと公務員というケースもままあるかと思いますので、そういった場合は退職金が高額になることも多いでしょう。
 ちなみに平成25年度の統計によると、公務員の退職手当の平均は約2300万円、地方公務員の場合もそれと同水準か地方によってはやや多いこともあるようです。これに対して、一般企業の場合は退職金が支給されないこともありますが、支給があるところでの平均が約1600万円のようです。
 一般企業の場合は定年まで務めるまでに倒産のリスクがあることからしても、確実に支給され、しかも高額になることが多い退職手当が分与対象になるかどうかは、特に分与を求める側からすると大きく問題になってくるでしょう。

年金額も高額になることも

 また、年金について現在は一元化されましたが、公務員の場合共済制度により、一般の会社員よりも受け取る年金額が多いケースもあるといえます。
 そのため、年金分割の手続きをきちんと取ることで、年金の支給開始年齢になって以後も年金分割をしてもらった側は確実に基礎年金に加えて共済部分の年金も受け取ることが可能になります。

婚姻費用・養育費は安定した収入があることを前提

 特に夫が公務員の場合は、よほどのことがない限り収入も安定しており,また勤務先が国ないしは地方公共団体ということもあって、合意により決められた金額については、婚姻費用、養育費といった月々の支払いとなるものも含め、支払いを確実に受けられる可能性が高いでしょう。
 ただ、今後は給料の減額等によって、一旦決めた婚姻費用・養育費の減額が問題になることもありえますが,これについては一般企業に勤める会社員と同じ問題といえます。

 ここまで、夫または妻の職業が公務員である場合をみてみましたが、意外と多いのは双方が公務員というケースです。この場合は、財産分与や養育費、年金分割が大きく問題になることは多くないと思いますが、職種によっては、特別な能力によって財産形成を行ったことを理由に、財産分与の割合が問題になることもあるでしょう。



 7月下旬の梅雨明け以後、猛暑の毎日が続いていますので、少し涼しくなりそうな写真を。ひろしま美術館前の、彫刻と噴水をとった写真です。強い日差しが照りつける中、ひんやりとする涼しげな蔭をつくる大きな木の下。こんな情景を表現する季語が「緑陰(りょくいん)」です。「木下闇(こしたやみ)」ともいうようです。
 8月8日頃は立秋ですが、当分暑い日が続くようです。 

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