まちの専門家をさがせるWebガイド マイベストプロ広島
片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

収入が無い場合の養育費の算定方法(1)

養育費

2016年6月17日 / 2018年8月13日更新

 養育費の計算をするにあたっては、(元)夫婦双方の収入に応じて、計算をしていくことはこれまで何度もお話してきました。
 計算にあたっては、何回か取り上げました、収入はあるがそのまま金額を捉えて算定していいか、問題になるケースがありますが、現在収入がゼロであるものの、それをそのまま見て計算してよいのだろうか?という場合もあります。
 今回は、この収入が無いという場合の考え方について見ていきます。
 

就労経験の有無や就労できなくなった事情などにより異なる

 収入が「無い」といってもケースは色々あるでしょう。
 ただ、大きく分けて、これまで仕事をしていたものの、何らかの事情により退職をし、収入がなくなってしまった、という場合・そもそもこれまで働いたことがなくまさに無職という場合では、裁判例上異なるアプローチが取られているようです。
 
 収入がなくても、仕事につけば一定の収入が得られるであろうというケースは、「潜在的稼働能力」があるとみて、得られるであろう収入をベースに養育費を計算していくことになります。
 この、「潜在的稼働能力」があるかどうか、仮にあるとしてどのくらい収入があるとみるかということになります。
 「潜在的稼働能力」があるかどうかについては、過去の経験や就業状態、健康状態、学歴、資格の有無、年齢、就労していた人が辞めたのであれば退職の経緯、再就職が困難な事情の有無などをみていきます。
 このように、考慮要素として特に「過去の経験や就業状態」があることから、これまで一度も就職した経験がない場合であれば、他の要素、たとえば「学歴」や「資格」もない場合、潜在的稼働能力については否定的な考えになりやすくなるでしょう。
 ですから、結婚当時から専業主婦の場合には、高年齢になればなるほど、潜在的稼働能力が否定される傾向が強くなるでしょう。
 また、年齢的にそこまででなくても、就労経験がない・あるいはかなり短い場合や特に資格がない人が就職するのは困難な現状もあることから、やはり潜在的稼働能力は認められにくいと思われます。

 これに対して、これまで仕事についた経験もあり、その後退職して仕事がなくなり無職になったという場合には、特に退職に至った経緯と退職の理由が健康面に関する問題であれば、健康状態、あるいは再就職のしやすさに関連して学歴・年齢・資格の有無などが考慮されることになります。
 たとえば、退職の理由がたとえば内臓疾患だったとしても、その後それまでより軽い仕事であっても従事していれば、「潜在的稼働能力」は認められやすくなります。
 他方、重い精神病に罹患して、就職困難という場合には、例え資格があっても再就職が難しいでしょうから、「潜在的稼働能力は否定されやすくなるでしょう。
 また、離婚調停などの申立があってから、養育費の支払いを逃れるために退職したと思われるようなケースでは、退職の経緯や再就職が困難かどうかといった事情がかなり考慮されることになります。
 仮に「潜在的稼働能力」があるとみて、具体的には収入基準をどうとらえて算定していくかが次に問題になってきますが、それについては次回続きをお話したいと思います。



 最近紫陽花の写真ばかりですが…今回は真っ白い花の紫陽花です。白い紫陽花の花言葉は「寛容」だそうです。いい花言葉ですね。白い花の紫陽花もまた違ったいい趣を見せてくれています。
 

 
 
 

 

この記事を書いたプロ

片島由賀

片島由賀(かたしまゆか)

片島由賀プロのその他のコンテンツ

Share