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片島由賀

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片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

婚姻費用(生活費)と住居費(1)(住宅ローンの支払いがある場合)

婚姻費用

2016年4月18日 / 2018年8月13日更新

 婚姻費用とは、夫婦が結婚生活を維持していく上で必要になる、衣・食・住に関する費用や未成年の子どもの教育費などについて、双方の収入を比較して、収入が多い方から少ない方で支払うべき費用のことをいいます。この婚姻費用は、夫婦が別居したとしても、婚姻関係が現実に解消されるまでは支払うべきとするのが判例の見解です。

 婚姻費用をめぐる争いで、ときどきみられるのが、今回取り上げました、住居費に関するものです。
 離婚に向けての準備となると、一方が生活の本拠であったところから出ていき、別居することで話を進めていくのが一般です。そのときのケースはいくつかあって、たとえば
・収入が少ない方が元の住まいに子どもと住み続け、他方が実家に戻るあるいはアパートを借りて住む
逆に
・収入が少ない方が実家に戻り、他方が、住宅ローンを払っている自宅に住み続ける、
といった色々なケースが考えられます。
 特に住居費は地域によりますが、月の生活費のそこそこの部分を占めることが多いため、問題になりやすいと思われます。

 以下、ケースごとにいくつか見ていきたいと思います。

家を出た側が収入が多く、元住んでいた家のローンを支払っている場合

 この場合、家を出た側が実家に戻っていれば、住居費がかかりませんが、さらに別途アパートを借りていると、住宅ローンと今自分が住んでいるところの家賃が2重にかかるため、家計には大きな負担となってきます。
 ときどきあるのが、「住宅ローンの支払いをまるまる婚姻費用の支払い額から引いて欲しい」というものですが、これは認められていないのが現状です。
 それというのも、その人が住宅ローンを支払うことで、財産分与の対象になる資産を形成しているといえること・また、住宅ローンの支払いは月あたりでも大きな金額を占めているのが普通なので、控除するとそもそも支払うべき毎月の婚姻費用がなくなってしまう、という現実的な理由もあります。
 ただ、そうはいっても、住宅ローンの残っている家に住んでいる方(子どもの含め)は、その家に住むことで、よそで住居を借りて家賃を負担しなくてもよい、という利益は得ているといえます。ですから、その分一般的にかかる家賃相当分を、婚姻費用として妥当と思われる金額から控除して考えていったり、双方の収入に応じてある程度住宅ローンの支払い額を考慮するなどして調整していきます。

 それでは、収入が少ない方が実家に戻っているときはどうでしょうか?このケースについては、機会を改めてお話したいと思います。


 最近いい写真を撮っていないので、3月下旬のユキヤナギの写真。縮景園に行ったときのものです。
 ユキヤナギは仲春(春半ばの1ヶ月)の季語で、陰暦でいくと2月の季語のようです。もうそろそろツツジやボタンが咲いてきていますので、今度きれいな写真がとれたらアップしたいと思います。

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