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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

価値観やものの考え方などが違うことを理由に離婚できますか?

離婚原因

2016年4月7日 / 2018年8月18日更新

 たとえば、夫は内向的・物静かで細かいところがある、休みには一人で趣味の盆栽をするのが好きである。かたや妻は社交的でおおざっぱ、休みの日には子どもたちと一緒に出かけるのが好きである。2人に共通の趣味はない。あまりにも一人での行動が多く、これでは家族の意味がないと嫌気をさした妻が離婚を申し入れたが、夫は離婚を受け入れてくれない場合、妻は離婚できるのでしょうか。

価値観・ものの考え方の違いだけが理由だと離婚は困難なことも


 たとえ同じ家庭で育ったとしても、きょうだいではそれぞれ性格が違うのが普通でしょう。夫婦は結婚生活をともに送るようになるまでは、別の家庭環境で育ってきているのですから、実際一緒に住むまで「こんな性格の人だと思わなかった!」というケースはよくあることだと思います。

 ものの考え方の違い・価値観の違いを理由にする場合、大きくいって「性格の不一致」の一つといえますが、夫婦でお互い協力・助け合っていく義務に反しているとまでいえないときは、修復困難なほど結婚生活がダメになったとみるのは難しいでしょう。
 ですから、夫が家族をないがしろにして家庭を顧みないほど、一人で出かけてしまい、夫婦としての実態が全くないに近いならともかく、前述のように性格的に一人を好むところはあるが、子どもたちが行きたいといえば、動物園などに連れていってくれる、というような場合には、十分とはいえないまでも、多少協力があるといえ、結婚生活が修復困難とまでいうのは難しいでしょう。

 裁判例では、夫は仕事人間すぎるとか、妻が極端な性格であるなどを理由に、妻、あるいは夫が離婚を請求しているが、当の相手方は離婚に応じないという場合、そもそも離婚理由としては十分でないとするものと、そういった偏った性格を作った原因がむしろ離婚を求めている側にあるという、離婚請求された側の主張に対して、いわゆる有責配偶者にあたらないとして、離婚を認めているものなどがあります。

 ただ、積極的に性格の不一致があるから離婚を認めた、という裁判例はないようで、やはり性格の不一致以外の他の理由も踏まえて離婚を認めているようです。

 先日の家事をする・しない云々以上に、「性格の不一致」は個人の主観・価値観による違いが大きいので、特に裁判になったときは、お互い協力し合えばやり直せるとされてしまうこともあるようです。ですから、「性格の不一致」としてその1点を理由に離婚が認められるかといわれると、難しい場合が多い、といえるでしょう。

 昨日の広島城の写真。まだ桜の花が残っています。今年は珍しく桜の花が長く楽しめたように思います。
 


 


 

 

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