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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

子どもを監護していない親が親権者になる場合はあるのでしょうか(面会交流への許容性)

親権

2016年4月4日 / 2018年8月18日更新

 相手が子どもを連れて実家に戻っていて、離婚協議中のとき、子どもを見ていない親が親権者になる場合があるのでしょうか?

 こういったご相談は、女性(妻)が子どもを連れて実家に戻ってしまうことが多いため、特にここ最近男性(夫)からよくあるように思います。

 

親権者を決めるにあたっての面会交流への許容性


 未成年の子どもがいる場合、親権者をどちらにするかは必ず決めなければなりません。夫婦でどちらを親権者にするか話し合いが付けば、すんなり離婚も含めて話もまとまり易いと思います。しかし、話がつかないときは、家庭裁判所の調停、それでもダメなら他の条件も含め離婚裁判によることになります。

このように、夫婦でどちらを親権者にするか話がつかないといき、親権者を決めるにあたって考慮する事情があることは、以前のコラムでお話したとおりです親権者指定にあたり考慮されること(母親か母性か)

 こういった考慮要素と別に最近考慮されつつあるのが、面会交流について、親権者になったとき他方の親に対して柔軟に対応できるかみるというもの(フレンドリー・ペアレント・ルール)です。

 過去の裁判例では、この面会交流への柔軟性を考慮要素にしているかのようなものがちらほら見られていました。
 子どもの引渡しをめぐる事件ですが、子どもをみている親が面会交流に拒否的な態度をとることで紛争が激化しているとして、柔軟に対応をするとしている親への引渡しを認めたもの、面会交流の実現のため、親権者の変更を認める一方で、子どもが手元にいる親に監護権を残したものなどがありました。
 
 先日は、離婚裁判で子どもをみていない親を親権者に指定するという内容の判決があったようです。詳しい事案ははっきりしないので、今後裁判例が公刊されるのを待つ必要がありますが、親権者指定の理由の一つに、自分が親権者になったとき、他方に対して、より柔軟な面会交流の条件を提示したことも考慮されたとの事情があるようです。

 親権者の指定にあたっては、考慮要素はいくつかあるものの、基本的には現在子どもをみている親の監護状況に問題がなければ、そのまま認めるという「継続性の原則」がとられているとされ、一般にはそれに沿った判断がなされていたように思います。

 しかし、家庭裁判所の実務でも、面会交流は子どもの成長にとって、かかせないというのが前提で、禁止・制限されるべき事情がない限り、広く認めるようになってきています。その兼ね合いで親権者を決める際にも、一方に指定後面会交流が滞りなくできるかどうか、より一層みられるようになってくる可能性があります。

 夫婦の対立が大きいと、面会交流について子どもをみている親が否定的になるケースは結構ありますが、親権者指定に影響してくるとなると、面会交流をどのような形で行うかが、今後より重要になってくるでしょう。

 
 先日の宮島・厳島神社への参道途中(だったと思います)でのしだれ桜。天気がよく、桜もほぼ満開でした。宮島には桜のシーズンに初めて行きましたが、また違った趣を楽しむことができました。


 

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