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片島由賀

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片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

調停で定めた面会交流の取り決めが守られないとき

面会交流

2015年11月2日 / 2018年8月18日更新

 面会交流についてはこれまで何度か取り上げましたが、今回は面会交流の調停で話合いがつき、調停条項も決められたのに、その内容通りにされないという場合、面会交流を求める側がいえることについてお話したいと思います。

➀ 履行勧告

 以前養育費のところで、調停で定められた金額の支払いがされないとき、家庭裁判所から、条項を守らない相手方に対して支払いをするように促してくれる、「履行勧告」という手続きがあるとお話しました。
 面会交流についても、調停条項が守られないときは同じ制度が使えます。
 ただ、費用はかからないものの強制力がないのが難点です。

② 間接強制

これは、調停で決められたとおりの面会交流が行われないときには、調停条項で定めた義務の履行を一定時期までに求め、従わないと「一回あたり○万円を支払え」、金銭の支払いを命じることで、面会交流をさせなければならない親に心理的な強制をするという手続きです。
 この間接強制を求めることが、面会交流では増加しています。
 ただ、間接強制が認められるには、面会交流をしなければならない親の義務が条項上明らかになっている必要があります。具体的には、面会交流の日時・頻度、各回の面会交流の長さ、面会交流の際の子どもの受け渡しの方法といった事項が特定されていて初めて、履行されないとき義務違反をいうことができるのです。
 ですから、最近では、のちのち間接強制をせざるをえなくなる場合も見据えて、条項を定めるケースもみられます。

 ③ 損害賠償請求

面会交流について、拒否をする正当な理由がないにもかかわらず、行われないことが違法として、損害賠償請求をすることも考えられます。
  一般的には面会交流の拒否が違法といえるか、判断が微妙なため、損害賠償まで認められるのは難しいでしょう。

④ 再度調停の申立をする

  特に間接強制を求めることができるような面会交流の条項の定めがされていないときには、再度面会交流の調停申立をし、その中で調整を図る必要が出てきます。
 また、当初決めたときと事情が変更したため、調停で定めた条項通りに行うことが難しい場合は、再度面会交流の調停で調整をする方がよいこともあるでしょう。

面会交流は子どもをみている親の協力がないとなかなか実現できないものです。特に夫婦間の離婚問題が解決しないいうちは、お互いの感情がぶつかり、なかなか話が進まないこともあります。
  ただ、これまでも何度もお話しましたように、面会交流は「子の福祉」、子どもの将来の成長にとってプラスになるものと考えられているからこそ、実現するようにと家庭裁判所でも働きかけています。
 最終的には子どもの負担ができるだけ少ない形で面会交流がされるようにすすめてほしいものです。

2、3日前から急に寒くなり、一気に紅葉する木が目立ってきたように思います。今年はインフルエンザの予防接種の時期も早まったようで、私も先日注射をしにいってきました。いよいよ冬のシーズンが到来ですね。
 写真は昨年雪舟ゆかりの禅寺(岡山にある宝福寺)で撮影したものです。11月下旬に行ったときのものですが、今年は少し紅葉も早くなりそうな気がします。
 

■関連コラム:目次
 子どもとの面会交流を進めるために(試行的面会交流) http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/9135/

 面会交流の難しさ  http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/8707/

 面会交流の問題いろいろ  http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/9065/

 面会交流と親権者指定・養育費をめぐる争い http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/8988/

 家庭裁判所調査官の立ち会い・関与 http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/8963/


  
 

  

  
    
    
    

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