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片島由賀

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片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

熟年離婚で問題になりうること(2)(主に扶養的財産分与と慰謝料について)

熟年離婚

2015年10月13日 / 2018年8月13日更新

先日、熟年離婚で問題になりうることについて、主に財産分与についてお話をしました。
今回は、財産分与の中でも、離婚後の生活保障の意味合いをもつ、「扶養的財産分与」と、慰謝料について触れたいと思います。

 前回取り上げたときにお話した、財産分与はいわゆる「清算的財産分与」についてでした。「清算的財産分与」というのは、結婚生活の中で夫婦が協同して築き上げた資産のことをいいます(→「財産分与で問題になりうる資産」参照)。
結婚期間が長い、いわゆる熟年離婚の場合は、通常ある程度以上資産形をされているので、その分そこそこな金額になることが多く、争いにもなりやすいのは前回お話したとおりです。

 それに対して、「扶養的財産分与」というのは、たとえばこれまで専業主婦をしていた期間が長く、離婚するとすぐに職をみつけることが難しいことから、生活を維持するための援助という意味合いで、収入がある側から、他方へ財産を分与するというものです。

 熟年離婚の場合は、先にもお話したように、分与対象となる資産があることが多いため、その分、この「扶養的財産分与」を認めることで、離婚後の生活保障をしなければならないケースはさほどではないと思われます。

 ただ、分与対象となる資産が多くなく、しかも、その他相続などで別途取得した特有財産もないときなどは、離婚により収入が少ない方の経済的なリスクが高まるため、それを補う意味での「扶養的財産分与」が認められることがあります。
 「扶養的財産分与」が認められる場合には、通常離婚後自立できるまでの生活費相当額、具体的には離婚後1年ないし3年間程度の婚姻費用相当額とされることが多いようです。

 また、慰謝料については、熟年離婚だからといって、特段考慮要素が変わってくるわけでもないですが、考慮要素の中に「結婚期間の長さ」というのがあることから、その中で考慮されていくことにはなります。
 離婚にあたって、暴力とは不貞行為(浮気)のような、離婚原因にダイレクトになる理由があれば、その内容などによって、慰謝料額が決まってくることになります。
 ただ、熟年離婚の場合、そういった理由は過去にありながらも、子どものためということで成人になるまで離婚せず、満を持して離婚を決意するケースもみられます。そういったケースでは、過去の暴力・不貞行為そのものに基づく慰謝料請求権ついては既に時効になっていることが多いです。
 あるいは、そういったいわゆる離婚理由は特段なく、性格的な不和や両家の間のなんとなく折り合いがうまくいかないなどといった細かい事情が積み重なって、もうこれ以上老後をともに過ごしたくないから、離婚するということもあるでしょう。そのような場合は、これといってどちらか一方に離婚理由があるというわけではないため、慰謝料自体が認められにくいでしょう。
 もっとも、そういう場合でも、離婚後の経済事情などから総合的にみて慰謝料が認められるケースもありうるところです。

要は名目に関わらず離婚により経済的に不利になる側が、生活できるよう配慮されるといえるでしょう。

宮島水族館のスナメリです(ちょっと小さく写っていますが)。




 

 

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