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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

面会交流と親権者指定・養育費をめぐる争い

面会交流

2015年8月24日 / 2018年8月13日更新

 つい先だっても新聞の記事で、親権・面会交流に関する調停・審判が10年間で1.6倍になり、少子化を背景に両親が子どもの奪い合いなどで対立するケースが増えているなど報じられていました。
 
 面会交流については、現在では親であること・親権者であることに基づき認められる権利であると捉えられていることから、調停・審判ではできる限り面会交流を実現させようという方向で進められることは以前お話したところです。

 「できる限り」というのは、面会交流の判断基準である「子どもの福祉」を害するかどうか、具体的には面会交流の実施で子どもの平穏な生活や精神的な安定などを害し、子どもの健全な成長を妨げることがないかどうかにより判断することになります。一般的には、子どもへの暴力、精神的な虐待・連れ去りなどの誘拐行為のおそれなどがなければ、面会交流をする方向で調整することが多いでしょう。

 そうした中でみられるのが、離婚について親権者に誰がなるか争われているケースで、親権者については譲歩する分、面会交流はできるだけ認めてほしいとう形で主張がされたり、面会交流をしてもらえないなら、養育費を払わないなどという主張です。

 親権者に関しては、前にお話したように、離婚時いずれかに決めなければならない以上、親権を獲得できない親が面会交流については希望を聞いてもらいたいという気持ちを持つのは自然なことでしょう。親権者指定にあたっては、面会交流を子どもをみている親が他方の親に対して柔軟に認めるかどうかという点も今後考慮される可能性がありますので、子どもの負担にならないよう調整をしつつ、双方歩み寄って決めていくことが大事です。

 他方、養育費については、親の子どもに対する扶助義務として払うものであって、面会交流をすることとは直接関係がありません。お金だけ支払って、本当に子どものために使われるのかどうか不安、ましてや子どもに会えないならなおさらである、という話も聞きますが、面会交流がされなければ即養育費が支払われないとなると生活への影響が大きくなる場合があります。また、面会交流は子どもの精神的な負担などがあるので、養育費の支払いと連動させると、子どもはいま一緒にいない親に会えたり会えなかったりすることになり、負担が大きくなりすぎる可能性があります。子どもの将来を考えれば、養育費は払うべきものですし、面会交流の実施も子どもの将来の健全な発達のためですから、どちらも子どもの将来にとって大切なものであるということを親双方がきちんと理解して、取り決めることが必要でしょう。

広島駅近くの、京橋川付近で咲いていた花。名前はわかりません。


■関連コラム:目次
 面会交流の難しさ  http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/8707/

 面会交流の問題いろいろ  http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/9065/

 家庭裁判所調査官の立ち会い・関与 http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/8963/




 

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