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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

家庭裁判所調査官の立ち会い・関与

親権

2015年8月17日 / 2018年8月18日更新

 近時、子どもをめぐる親権者指定・面会交流に関する争いが増加するに伴い、家庭裁判所の調停で、家庭裁判所調査官という人が立ち会い、事件に関与するケースが増えてきた印象があります。

 今日は、この、家庭裁判所調査官という人がどんな役割をもつ人か、どういった場合に調停に立ち会いうかなどについて触れたいと思います。

 家庭裁判所調査官は、心理学、社会学、教育学など人間関係諸科学に関する専門的な知識をもった、家庭裁判所の職員で、離婚事件では主に親権者指定をするにあたり、夫婦どちらが適切か判断するにあたって、夫婦双方から監護状況などを聞き取ったり、子どもの生活状況を調査・あるいは面会交流の調整をするため、同様に調査をしたりします。

 ですから、調停当初から親権者指定について夫婦双方で争いがあったり、子どもの面会に関する案件で調整が必要と思われれば、第1回期日から調査官が期日に出席しますが、当初そういった争いがなくても、争いが明らかになった時点で調査官が関与することもあります。

 調査官は具体的には、面会交流の調整の場合、夫婦双方から意向調査を行ったり、子どもの生活状況についての調査・意向調査やそれを踏まえての面会交流の調整、親権者指定に関する場合は現在の子どもの監護状況、親権者としての適格性に関する調査を行います。

 面会交流に関する夫婦への意向調査の際は、面会交流を求める親に対しては、特に面会交流の目的や、どういう方法で行うことを考えているか、現に子どもをみている親の心情、将来の親子関係のあり方まで立ちいって行います。
 また、現に子どもをみている親に対しては、特に相手方と子供との関係がどういった形であることを期待するか、親からみての子供の意向、面会交流に対する不安や将来どういった親子関係であるこことを予測するかといったことを立ち入って聞き取っていきます。
 このように夫婦双方から立ち入って事情を聞き取ることで、面会交流を求める親に対しては面会交流がうまく進まない場合にも冷静に対処できるような気持ちをもってもらうようにし、現に監護している親については、面会交流の実施への不安が取り除けるようにしていくのです。

 子供への生活状況の調査は、子供の生活場所である家への訪問調査によることが一般的です。調査の中では、とくに現に子供をみている親と子供とのふれあいや精神的なきずなを中心に観察します。子供の年齢がある程度大きい場合には、家庭訪問のほか、裁判所での面談を行うことになります。また、子供が小さいときは、公園で遊ぶ様子などの観察を行うことがあり、ケースごとに柔軟に調査がされています。

 とくに親権者に関する争いがある場合は、対立が激しいと調停における話し合いの解決が難しいことが多いので、裁判によるしかないこともあります。そのため、どういった必要に基づいて、どんなことを調査してもらうか明らかにした上で、調査官が関与することになります。

 いずれにせよ家庭裁判所調査官の調査は、とくに子供にとっては負担になることも多いので、裁判所、代理人とともに慎重に時期や方法を詰め、子供にとってできるだけ負担にならないように行うことが大切です。

天気がよくないですが、瀬戸内海上にて。


■関連コラム:目次
 面会交流の難しさ  http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/8707/

 面会交流の問題いろいろ  http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/9065/

 面会交流と親権者指定・養育費をめぐる争い http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/8988/

 


 
 

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