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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

過去の生活費の支払いがされていないとき

婚姻費用

2015年8月10日 / 2018年8月13日更新

 既に別居をしているが、別居の間の生活費をもらっていないというケースがしばしば見られます。

 夫婦が結婚している間は、お互い協力し合い、助け合う(扶助する)義務を負いますから、収入をより多く得ている者が、収入が少ない(あるいは無収入の)他方に対して、生活ができるように生活費の足りない分を援助しなければなりません。
 これが、婚姻費用分担義務といわれるもので、要は収入が多い方が生活費を支払う義務があるということです。
 この婚姻費用に関しては以前このコラムで取り上げました。
 通常は、別居してから生活費を受け取っていなければ、生活費(婚姻費用)を支払うよう求め、支払いがなければ、あるいは支払いがあっても金額の折り合いがつかないとき、調停あるいは裁判官による判断となる審判手続きに進むことになります。

 それでは、既に離婚について話し合いをしている、あるいは調停・裁判になっているが過去の婚姻費用の未払分があるときはどうでしょうか。
 既に発生してしまっているものですから、今後の生活費の支払いを求めるのと異なってきます。
 ただ、生活費の支払いがないと、親族からの援助・あるいは借入などで日々の生活費を賄わなければならなくなりますが、それをそのままにしておくと、本来支払わなければならない者が支払いを免れることになり、不公平になります。
 また、この婚姻費用は離婚するまで支払うべきものですから、金額が具体的になっていなければならず、離婚時に処理することが必要です。
 ですから、通常はこの過去の未払い部分については、結婚期間に夫婦が築き上げた財産の清算、つまり財産分与の中で考慮することになります。

 すでに婚姻費用の金額について、調停、あるいは審判で決められていれば、未払額の算定は容易にできますが、そうでない場合は、婚姻費用の分担額の算定方式に基づいて未払婚姻費用のひと月あたりの金額を計算し、その上で夫婦双方の資産や収入をみて、支払いを求められている者の資資産・収入が十分にあれば、未払分を全額考慮し、十分でなければ未払額の一定額を考慮することになります。

 婚姻費用の支払いについては、未払分の発生に備え、金額の折り合いがつかなさそうであれば、早めに調停や審判で金額を決めておいた方が、離婚時の清算とせずにすむこともあるように思います。





 
 

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