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片島由賀

逆風を追い風に変える弁護のプロ

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

コラム

慰謝料と財産分与

慰謝料

2015年7月11日 / 2018年8月13日更新

 慰謝料、財産分与もともに、離婚のときに発生する金銭的なもの。どちらも細かい法的な問題がありますが、細かいところはまた別の機会に譲り、今日は大きく両者についてみてみたいと思います。

 慰謝料は離婚の際に発生する、婚姻関係破綻の原因を作った側が他方に払う、離婚慰謝料と、たとえばDVや不倫(不貞行為)があった場合、それにより相手方が被った精神的な苦痛を慰謝するための、個別の原因による慰謝料請求があります。

 個別の原因に基づく慰謝料は、まさしく個々の事情に応じて金額が決まるものですので、結婚生活の長さ如何は直接に影響してこないところです。ただ、個別の原因に基づいての慰謝料請求となると、しっかりとした証拠に基づく必要が出てきますので、DVであれば診断書、カルテや写真などによる裏付けが必要になりますし、不貞行為の場合は、その存在を推測させるような写真、メールなどが必要になります。また、あとで述べますように個別の原因に基づく慰謝料を請求するとなると、期間が経ちすぎて時効になっていることもありえますので、離婚の場合はとくにそうですが、こういった個別の行為のみ取り出して、離婚請求とともに慰謝料請求するのは(私の印象ですが)多くないように思われます。

 離婚慰謝料は、結婚期間の間に生じた事情すべてをみて、結婚生活を破綻にいたらせた側の、相手方に対して与えた精神的な苦痛を慰謝するものとなるため、結婚生活がだめになった経緯、それに関する夫婦双方の言動、責任の程度、それまでの結婚生活の状況、結婚期間の長さ、未成年の子の有無、年齢などといった事情を総合的に考慮して決めていくものです。結婚期間が長い場合には、未成年の子どもがいない可能性が出てくるため、長いからといって慰謝料が高くなるとは限りません。ただ、離婚慰謝料は結婚生活の中で与えた精神的な苦痛を補うためのものではありますが、生活保障的な意味合いもあるため、たとえば結婚後専業主婦になり、その期間が長いときは、離婚しても収入を得られる見込みが低いため、それを加味しての慰謝料額を決めていくこともあります。

 慰謝料は個別の原因に基づく慰謝料は損害・加害者(相手方)双方を知ってから3年で時効、離婚慰謝料の場合は離婚してから3年で時効になりますので、請求するのであれば早めにすることが必要です。

 これに対して、財産分与は夫婦のいずれに責任があって離婚に至ったかとは別に、問題になるものです。財産分与には3つの側面があるとされていて、➀結婚生活で双方築き上げた資産の清算、➁離婚後の生活保障的な意味合い、③結婚期間中の精神的な苦痛を慰謝する、といった意味合いがあるとされています。
 ③については、慰謝料とかぶるところがあるので、いずれか一方で考慮をしていくことになるでしょう。
 財産分与については、結婚期間が長ければ長いほど、結婚期間中に築き上げた資産が多くなるのが多いと思いますので、よほど短期間のうちに両者で資産を築いた場合でない限り、結婚期間が短いと分与対象財産は少なくなる傾向があります。あとは離婚後の生活保障という観点からどれだけ上乗せできるかというところになるでしょう。

 財産分与は離婚成立から2年過ぎると話し合いにより金額が決まらなかったとき、審判手続きで家庭裁判所により決めてもらうことができなくなります。ですから、離婚自体の話し合い、裁判手続きの中で解決しておくのが無難です。

 最終的には、慰謝料・財産分与を含めた金銭的な解決となることが多いでしょうが、財産分与の額の方が占める割合が多いこともあるのではないかと思います。

 暑さが厳しい季節になってきました。水をみると涼しさを感じる今日このごろです。
 

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