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コラム
歴史的な建物「みやじまの宿・岩惣」の3次元保存
2021年6月13日
3次元計測事業の実施事例
土地・不動産調査業界に技術革新をもたらした3次元化。
私はその波に前乗りするために、最新技術はとにかくトライする精神です。
土地家屋調査士界のファーストペンギンになるべく
地元の文化財や史跡の保護に測量技術を転用する取り組みを開始しました。
その第一号が「みやじまの宿・岩惣」の3次元保存です。
まずは、百聞は一見にしかず。動画をご覧ください。
無数の点(球体)によって植物や建物が表現されているのが分かりましたか?
こちらは前回のコラム(URL)で紹介しました「3次元レーザースキャナー」と
「ドローン」の測量を組み合わせて作成した点群データの動画です。
一般的にあるVR映像と違い、点群データでは扉や襖の寸法、
地表から軒までの距離、部屋の畳数など、あらゆる場所の距離や長さ、
奥行きを正確に計測することが可能です。
今回の3次元事業で取り組んだことは4つ!
事業内容を以下にまとめます。
1)3次元レーザースキャン
建物周辺、建物内部から観測した3次元点群データの収集。
左が写真で右が点群データです。見比べてみてください。
点群でも細部まで正確に再現できています。
2)ドローン撮影
上空の3次元点群データ、オルソ画像(※)、建物上空の動画撮影。
※)空中写真を位置ズレや歪みのないように変換した写真のこと
3)360°写真
建物の空間環境が伝わりやすい360°カメラで撮影し、デジタルフロアマップ作成。
↓フロアマップVR体験↓
錦楓亭
洗心亭
秋錦亭
龍門亭
4)プロカメラマンによる写真撮影
プロ視点で歴史的建物を魅力的に保存。
ちなみに、こちらの事業は3名で2日間という短工期で実施。
従来であれば、ベテラン測量士が二次元データ用の測量を2名で行った場合、
一週間以上は掛かる事業内容ですが、最新技術を活用することで
スピードが格段に上がり、作業時間の短縮化も実証できました。
映画ロケセットや災害現場など広がる活用の場
3次元保存の活用の幅は広い。
例えば、宮司が亡くなり、管理できなくなった神社をやむを得ず取り壊さないと
いけなくなった際、神社をデジタルデータとして残す事例もあります。
ほかに、映画のロケセットやマンションの改修、災害現場の調査など、
活用の機会はどんどん広がっています。
こうした技術の可能性に私の夢がどんどん膨らんでいきます。
さて、今後どんな取り組みをしていこうか。
そうだ!自分の顔でもスキャニングしてみよう(笑)
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