企業の活性化は、仕組みづくりと、社員の意識改革から（2/3）

約30業種、130社に上るコンサルティング実績が強み

　コンサルタントとして30年以上、約130社を手掛けてきた下裏さん。製造や小売り、サービス業など、業種は約30にわたり、日中合弁会社など海外での依頼にも応えてきました。

　長年サポートを行う総合病院では、25年間で訴訟に至る医療ミスは1件もなく、離職率も大幅に下がったそう。
　「医療現場では、時に1人のミスが患者の命に関わります。だからといって、事故を起こした個人を責めても前に進みません。仕組みを整えたことで、職員同士が助け合える風土が生まれ、患者にも笑顔で接するようになったことが良い影響をもたらしました」

　下裏さんの信条は「人生稲のごとし、実りの秋を信じて歩む」。1粒の種モミが、手をかけることで2000粒のコメになるよう、3年のコンサルティング期間での〝収穫〟にこだわります。初年は課題の把握と社員の意識改革を、以降は、現場が自ら解決できる力を育成。
　「私どもの考えを押し付けるのではなく、自分たちで会社を守るという意識を醸成します。事業を続ければ、新たな問題も起こるでしょう。働く人それぞれが対処できるようになれば、次第に社風として根付いていきます」

　効果測定では、3種の〝物差し〟を用意。社員の成長を測る「稲意識活性法」では、検査シートを用いて、苗からコメになる稲の生長に例えて、一人一人の段階を把握します。また、3年間で計4回行う「組織風土診断」では、社員全体の意識を八つの項目で分析。売り上げや利益の数値とあわせ、成果を「見える化」します。

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