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コラム
自立した職場とは
2023年3月20日
今回は「自律」についてお話しします。この話をしようと思ったのは、米澤晋也著『指示ゼロ経営』(内外出版社)を読んだからです。
彼の実家は、長野県辰野町(たつのまち)で新聞販売店を営んでいました。ある日突然父親が病に倒れ、後継社長として脱サラし故郷に戻ってきました。29歳の時でした。社長就任後、二つの大きな壁に直面しました。一つは、新聞業界では購読者数が年々減少しているという現実。もう一つは、新聞配達をしたこともない三代目ボンボンということで、職場に「笛吹けど踊らず」のムードが漂っていたこと。
米澤さんは新聞販売とは別に、もう一つ経営の柱として通販事業を立ち上げました。長野県ということで「信州の野沢菜」を売り出したら、これが当たりました。注文の電話が連日鳴り響きました。しかしそれは冬だけでした。春になると醗酵が進み酸っぱくなった野沢菜にクレームが殺到し、販売中止に追い込まれました。
次なる目玉を探しました。見つけたのが「信州味噌で漬けた銀だらの西京漬け」でした。しかし注文は1件だけ。野沢菜と銀だらの負債は1000万円を超えました。
どん底まで落ち込んだ米澤さんは、あることに気づき、あることを決意しました。
その気づきとは「いつも自分一人で決めていた。それに対して45人いる社員は誰一人反対しなかった」ということでした。決意とは「一人で決めて指示を出す、これをやめる」ということでした。
「集団は、バカにもなるし賢くもなる」と米澤さんは言います。彼が考える「バカな集団」とは、独善的なリーダーがいて、思考停止したナンバー2がいて、無関心なその他大勢がいる集団。それに対して賢い集団とは、一人ひとりが役割を持っている集団。たとえばリーダーという役割、リーダーを支えるという役割、自分の意見は言わないけど疑問があると質問をする役割、誰かが発言すると「それ、いいね」とエールを送る役割、重い空気だと感じたらその場を明るくする役割、疑問を感じたら勇気を出して反論する役割、等々。
会社に問題が起き、売上が下がって困るのは自分の生活です。だからいい職場にしようと、会社の問題を「自分事」として考え、問題解決に向けてみんなで取り組みます。指示されたからではなく、自分の自己実現を叶える職場にするために。
自律的な言動が賢い職場を創っていく
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