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コラム

思考プロセス

2022年11月28日

テーマ:社員研修

コラムカテゴリ:ビジネス

 今回は、方針制約の打破や人間的な問題の解決など、多くの場面で活用される「思考プロセス」について解説します。実際の研修では「いい会社検討シート」に基づいて演習をしていただきます。「いい会社検討シート」については、また別の機会にご紹介いたします。

 思考プロセスとは、一言では「人が介在する組織が抱える、複雑な問題の解決を目指した思考法」といえます。
 この思考プロセスは、大きな3つのステップから成り立っています。

〇ステップ1:何を変えるのか?
 目的の達成を阻害している、間違った行動や考え方を探し出します。

〇ステップ2:何に変えるのか?
 間違った行動や考え方を、どのような正しい行動に変えればよいかを決めます。

〇ステップ3:どうやって変えるのか?
 変えるべきものを、どのような方法・手順で変えればよいのかを、詳細に決めて行きます。

 この3つのステップを進めるために、思考プロセスでは「5つのツリー」を用意しています。
1.現状問題構造ツリー
 このツリーでは、目的の達成を阻害している多くの問題を、問題の連鎖から因果関係ロジックにより構造化し、根本となる問題「根本問題(変えるべきもの)」を見つけ出します。
 問題とは、それぞれに独立しているのではなく、「原因」が「結果」を生むという「因果関係」で結びついています。ただ、「問題」だと考えられているもののほとんどは「現象」に過ぎません。それらを「好ましくない現象」「UDE(ウーディー)」と呼びます。UDEをリストアップしてその因果関係を図にしたのが「現状ツリー」です。この現状ツリーを構築できれば、すべてのUDEの原因がわずか一つか、二つの「根本(コア)」となります。

2.対立解消図(蒸発する雲)
 このツリーでは、問題の対立構造を必要条件ロジックにより明確化し、間違った行動を引き起こさせている仮定を見付け、正しい行動が取れるような対策を考えます。
 適切な「解決策」が見出せないとき。どんなに感情的になったとしても責めるべきは相手の「性格」ではなく、解決策が見出せない「状況」です。
 解決策を見つけ出すためには「クラウド(雲)」を描きます。雲のようなもやもやをスッキリさせるために対立構造を分かりやすく図にします。

3.未来構造ツリー
 このツリーでは、実施しようとしている対策が、現在起きている全ての問題を解消するか?について、因果関係ロジックで検証します。
 「現状ツリー」を構築すれば問題の全体像が分かります。つまり「何を変えるか」がはっきりします。「望ましい現象(DE)」をつなげて図式化し、明るい未来をどう想像するか。「何に変えるかを」を考えるために使うのが「未来現実ツリー」です。

4.前提条件ツリー
 このツリーでは、改善を行うための大枠の手順を決め、中間目的を置きながら実施上の障害を見付け、更なる対策を付加することで、改善・改革を進める手順を作ります。
 つまり、目標を達成するために必要な「中間目標」をはっきりさせるためのツリーといえます。まず目標を達成しようとするとき思いつくだけの「障害」を書き出します。次にその障害をかわせる「中間目標」を考えます。

5.移行ツリー
 このツリーでは、中間目的を達成するために必要な詳細な項目(何を、誰が、いつ、どのように)を、行動レベルまで掘り下げて進め方を決めます。
 つまり、現在から目標まで障害を並べ、それをかわせる中間目標を書き込んだ前提条件ツリーの中間目標一つ一つに対し、現在から中間目標をたどり、目標まで論理的につなげることで障害を交わして中間目標を達成する手順を考えていきます。現在から未来に向かって実行していく手順を考えるためのツリーとも言えます。

 この5つのツリーは、5つのツリーを一連の手順として使う方法と、1つ1つのツリーを単独で使う方法があります。
 5つのツリーを全て使う方法は、「企業が、現在から将来にわたって儲け続ける」ための、シナリオや戦略・戦術作りなどに利用します。
 1つのツリーを単独で使う方法は、右か?左か?の意思決定が必要な場面で、目的を達成するために正しい方はどちらかを、決める時などに利用します。
 思考プロセスは、多くの方が使ってみたいと思い取り組んでみますが、ツリー作成の段階で「これで良いのか?」「なんかしっくりこないな?」と悩んでしまい中途半端で終わってしまう方が多いようです。
 これは、訓練が必要になります。また、一人で考えるのではなく、研修メンバー同士で話し合うことが効果的です。実際の研修では事例も参考にして、この思考プロセスを自分のものとする訓練を行います。これにより、より意義ある人生の道を進むことができます。

この記事を書いたプロ

下裏祐司

事業と社員の成長を導く企業活性化コンサルティングのプロ

下裏祐司(株式会社飛泉)

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