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コラム
純粋なる期待感が相互の能力を引き出す
2022年11月18日
今日は「ピグマリオン効果」について紹介いたします。
アメリカの教育心理学者のローゼンソールは、学年のはじめに小学生のあるクラスに知能テストをしました。それはただの知能検査にすぎなかったのですが、そのクラスの受け持ちになる先生に、「このテストは生徒の将来の学力の伸びを予測できるものです。公表は出来ませんが、先生だけには将来伸びる生徒の名前をこっそり教えましょう」とふれ込み、5人の生徒の名前を書いた紙を手渡しました。
ほぼ1年後、ローゼンソールは担任の先生に会いましたが、「その通りになった」と先生が感心していました。再度の知能テストの結果も、指名した生徒に明らかな伸びがありました。しかも、学力とともに学習意欲が増加していました。「どのような方法で分かったのですか」との問いに、ローゼンソールは答えました。「あなたの期待が生徒を伸ばしたのです。」学力が伸びると指名した生徒は、くじ引きでランダムに選ばれた生徒で、テストそのものの結果とはもともと何の関係もありません。担任の先生はこの5人の生徒に関心を持ち、これから伸びていくであろうと期待を持ちました。それが実際にその子どもたちの能力を引き出す結果になったのです。これが、ピグマリオン効果です。
ギリシャ神話にあるピグマリオンという王の名前がこの効果の由来です。その話は、キプロス島のピグマリオンという彫刻が巧みな王が、自分が彫った女性像を熱愛し、現実の人間に変えたいと願い、それが愛と美の女神であるアフロディアに通じて、彫刻は人間になり、王はこの女性と結婚することが出来ましたというものです。
こうなるはずだと可能性を心から信じて期待すると、相手もその期待に応えるようになります。小さい頃、学校で好きな先生の時間だと楽しくて勉強も良く分かるのに、嫌いな教師に教わると教科そのものがキライになってしまうということはなかったでしょうか。自然のうちに信頼と期待を持ち、その成果に素直に喜ぶことが出来ることがピグマリオン効果を生み出します。
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