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コラム

「年間110万円まで非課税」の知識だけでは危険?暦年贈与、6つの注意点とポイント

2021年11月25日

テーマ:相続対策(相続税・遺産分割)

コラムカテゴリ:お金・保険

コラムキーワード: 贈与税

贈与とは、自分の財産を(存命中に)人にあげる事です。
ちなみに相続とは、自分が亡くなった後に自分の財産が他の人に渡ることですね。

自分では使いきれないほど財産が潤沢にある場合、もしくはこれまでの貯蓄ペースが続けば自分では使いきれない資産が築ける見込みの人は、

将来的にそれらを受け継ぐ人が支払う相続税が高額になることが予想されるため、最後まで自分のお金として持ち続けるのではなく贈与を上手に活用していくことで、税制面でメリットが大きいという事があります。

相続では配偶者がいる場合、資産の多くを配偶者が引き継ぐことが多いですが、贈与の場合は親から子、祖父母から孫というように下の世代に渡すことが多いです。

その時によく聞くのが、「年間110万円までの贈与は非課税」という話です。
贈与にもいくつか種類があるのですが、110万円まで非課税というのは暦年贈与に対する税制優遇です。

これ自体はまぎれもない事実なのですが、大切な注意点があり、それを理解しないまま110万円まで非課税という言葉だけが独り歩きしてしまっている状況がとても多く見受けられます。

これでは万が一、将来税務調査が入った時に「これは暦年贈与として認められない」と否認され、大きな税金が課せられてしまう可能性があるのです。

今回は暦年贈与を活用する際に、必ず知っておきたい注意点とポイントについて解説したいと思います。



①贈与契約書を作成する


一つ目は、贈与契約書の作成です。

契約書と言うと難しそうですが、銀行などのホームページにあるフォーマットにお金を「あげる人」と「もらう人」の二人が署名・押印をするだけの簡単な作業です。
簡単なのですが、とても重要です。

そもそも贈与とは、「あげた」「もらった」という双方の合意があって初めて成立する行為です。
贈与を認めてもらえないパターンで一番多いのは、親が子供名義の口座を作りお金を移したが、子供がそれを知らなかったために贈与を否認されるケースです。

もらった人がその事実を知らなければ、当然そのお金を使う事が出来ないので、事実上もらってないも同然ですよね。

名義上だけもらったことになっているこのようなケースは、名義預金と言われています。
同じようなことを保険でする事も多く、その場合は名義保険と言います。

このような場合は子供の名義であっても、親の財産だと判断されます。
親が亡くなり相続が発生した際に税務調査が入り、この事実が分かった場合はそれまでの贈与全てが無効となり相続で取得した財産として相続税の課税対象になってしまいます。

せっかく非課税で譲渡したはずの財産から、しっかり税金がとられてしまうということになりかねません。

本来、贈与は口約束でも問題なく贈与契約書が必ず必要なわけではないのですが、あとあと調査が入った時に「あげた」「もらった」の双方の合意があった上でなされたものであると「証明」出来ることが非常に重要です。

そのためには、贈与契約書を交わさない手はない、ということですね。

また、お金のやり取りは口座間の取引にする事でも双方の口座に記録を残すことが出来ます。
お金を引き出してから手渡しで渡すのではなく、口座間の取引をするようにしましょう。

②毎年贈与額を変える




これは、本当は今1000万円をあげる用意があるのに、非課税枠を使う為にわざわざ10年に分けたんじゃないの?と疑われないための少しテクニカルなポイントです。

そもそも、今1000万円をあげる用意があるのを10等分して何が悪いのかという事ですが、仮に1000万円を一括で渡した場合、110万円を超えた890万円が課税対象となり、300万円ほどの贈与税を支払う必要があります。

これを、非課税枠活用のために10等分して非課税にすると「税金逃れ」したことになってしまうのです。
一方で「そうだ、今年も子供に100万円贈与しよう!」と毎年毎年決めている場合は問題ありません。

まず、このことをしっかり理解しておくことが重要です。
毎年贈与額を変えることでこの疑惑から必ず逃れられるという確証はありませんが、毎年一定の額であるよりは有効だと考えられています。

特に毎年非課税枠いっぱいの110万円ずつを、長きにわたって贈与をしている場合は怪しまれる可能性が高いと思われます。


③毎年贈与時期を変える

贈与契約は家族で集まるお正月・お盆や、非課税枠の期限が近づく年末に行う事が多いと思いますが、
例えば毎年毎年1月1日に贈与契約書を結んで贈与をしている場合、それって毎年恒例でやるって前から決めていたんじゃないの?と思われる可能性があります。

そのため、贈与契約が毎年全く同じ日付であることは避けた方がいいと言われています。

④亡くなる前3年以内の贈与は相続になる


あげる人が、亡くなる前3年以内に行った贈与は無効とされ、相続財産として扱われます。(相続に持ち戻しされるという言い方をします。)

これは、自分の余命がもう長くないと感じてから行った贈与は「相続税から逃れるためにした行為」だと考えられるためです。

財産の額によっては多額の相続税がかかるため、非課税枠を使った贈与をしたいと考えるのは賢明なのですが、元気なうちから早く計画的に行っていく事が重要だと言えます。


⑤もらった側が自由に使えるお金である必要がある



たとえ「あげた」「もらった」という双方の合意があったとしてももらった人が自分のお金として自由に使える状況でなければ贈与としては認められません。

親が子供名義の口座にお金を振り込み、それを子供が知っていたとしても通帳や印鑑、カードを親が管理・保管している場合などです。

国からすると、子供が貰ったお金を消費してくれれば経済的にもメリットがあるけれど結局親が管理してしまい消費されないなら、親がため込んでいるのとなんら変わらないので、110万円の非課税枠という税制優遇を与えるメリットがありません。

それなら相続発生まで親が持ったままの方が、相続税を徴収できる可能性があるという事です。

⑥非課税枠を超える贈与で贈与税を払う




贈与税と言うのは、もらった人が支払う税金です。

110万円以内であれば申告の必要も納税の必要もありませんが、あえて110万円を超える贈与をしてしっかりと申告・納税するという方法も贈与を確実に認めてもらうために有効だとされています。

例えば120万円をもらった場合、非課税枠を超える10万円に対して10%の税金がかかるため贈与税額は1万円です。
この1万円を納める事で贈与があった証拠を納税記録とともに税務署に残すことができるためです。


以上、せっかくの贈与をあとから否認されないための6つのポイントを紹介しました。

どれも、これさえしておけば100%大丈夫!というものではありません。
しかし、暦年贈与を活用する場合はこれらをしっかりと押さえておくに越したことはありません。

そんなに気を付けないといけないことなのかと思われるかもしれませんが、
例えば20年間非課税範囲で110万円ずつ贈与をした場合、合計で2200万円を非課税で贈与したことになりますが

もしこれが否認された場合、2200万円を一括で贈与(または相続)したものとみなされ課税されるため、国としては1000万円近い追徴課税を得ることができます。

税務調査官の気持ちになれば分かりますが、そんなに多額の追徴課税が発生する可能性があるのなら徹底的に調査しますよね・・・。

これらをしっかりと理解し、正しく確実に暦年贈与を活用していきたいですね。


注意:2021年11月25日現在の税制に基づいた記載となっています。
今後暦年贈与の非課税枠について見直しが行われる可能性もありますので、最新の税制を確認してください。


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この記事を書いたプロ

郡洋子

マネープランニングで人生を応援!保険と資産形成のプロ

郡洋子(ファイナンシャル・ジャパン株式会社)

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