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コラム

子育てがうまくいかない理由はもしかしたら第一ボタンの掛け違え

2020年7月7日

テーマ:子育て

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 子育て悩み相談夫婦問題 相談メンタルヘルス 対策


カウンセリングオフィス トリフォリの高澤です。

以前から相談に来てくださっているクライエントさんがいます。子育て中のママさんです。仮にハナコさんとします。

ハナコさんは最近ものすごい勢いで変化されています。私の思考が追いつけないほどの変化です。

人の変化はこのように起こることが度々とはいえ、その凄まじさに度肝を抜かれています。

今回はハナコさんの例をもとに、子育てに悩む母が変化するプロセスをお伝えしようと思います。
(注:ハナコさんの事例そのものではありません。他の事例を混ぜ合わせています。その点だけご理解ください)


子育ての困りごと

そもそもの訴えはこんなものでした。

「娘(小学校高学年)が学校で先生を困らせているようです。話は聞かないし、クラスメイトとも度々トラブルを起こしているし。ちゃんとさせようと言い聞かせても全然聞きません。ダメだとわかっていても、あまりに言うこと聞かないので手が出る時もあります。それでもどうにもなりません。途方に暮れています」

親の目や手が届かないところでの子どものやらかし。親としては頭を抱えるのは当然ではないでしょうか。

ハナコさんの望み

ということで、こう尋ねてみました。
(カはカウンセラー、ハはハナコさん)

カ「それがどうなるとハナコさんはOKですか?」
ハ「子どもがちゃんと言うことを聞いてくれたらいいです」

カ「そのためにこれまでどんな努力をされましたか?」
ハ「諭したり、叱ったり、時には強く怒ったり、叩いたり」

カ「それはどの程度うまくいきましたか?」
ハ「その時だけはシュンとなるんですが、結局同じことの繰り返しでした」

分かれ道

ここで分岐点が現れます。

A:そのままハナコさんの訴えを現実化できる方法を考える
B:それ以外

Aを選ぶとこんな仕組みになります。

●目的:子どもを親の言う通りにさせること

●手段:言う通りにさせる方法を実践

しかし諭しも叱りも怒りもうまくいっていません。代わりに懇願するといいでしょうか?物で釣るのはどうでしょうか?無視するって手もあるでしょうか?

どれだったらうまくいくでしょうか?

行き詰まった理由は「方法」ではなく「目的」

正解は、、、
だぶんどれもうまくいきません。残念。。。

その場だけはうまくいったように見えても、中長期的にはかなりの副作用をもたらすことでしょう。

そもそも問題は「方法」ではありません。
その先にある【目的】が不適切なのです。

人間関係がうまくいかない理由

ここでは親子関係だけに言及していますが、それ以外の人間関係も含め、人間関係の不調やこじれは大抵の場合、、、
*相手を変えたい
という目的によって引き起こされています。

ところで突然ですが質問です。

もしあなたが他の誰かから
「あなたの△△は正しくない。間違っている」
「だから◯◯に変わるべき」
と言われたら、即座に変わりますか?

「確かにそうだよね!」と言って変化するでしょうか?

相手が言うことが的を射ており、尚且つ相手が全幅の信頼や尊敬がおける人でもない限り、人から言われたとて人はそうそう変わるものではありませんよね。

目的を入れ替える

では目的をどう入れ替えたらいいでしょうか。

その前に大前提を確認しておきましょう。
それは



★(わが子であっても)人は変えられない

ここが起点になります。ここが第一ボタンです。ここを掛け違えると、そのあとも全て掛け違えますので要注意です。

したがって適切な目的地を設定するにはこの大前提を外さないことが重要なのです。

ハナコさんの答え

しばらくは「わが子を変えたい」がなかなか手放せなかったハナコさんも徐々に「変えられない」が腑に落ちてきました。そしてこんな目的に変わりました。

*「子どもの世界に侵入しない親になりたい」

目的が「わが子を変える」から「自分が変わる」になった瞬間です。私たちは他者を変えることはできませんが、自分を変えることはできます。

ハナコさんはそのことに気づき、この新しい目的を達成することに懸命に取り組まれました。

・子どもの行動と人格を切り分ける努力
・自分の感情と子どもの感情を切り分ける努力
・自分の期待と子どもの意思を切り分ける努力
etc.

自分と子どもの間にある見えない境界線を明確にすることを一所懸命やっておられました。その結果が度肝を抜くほどの変化につながったわけです。

最近のハナコさん

子どもから癇癪をぶつけられても苛立たず、やらかしの際に行動は諫めても「これがこの子だから」と人格は受け入れ、親の威厳を傘に着ることなく子どもに自己開示をし、不完全な自分を愛せるようになり。

やばいです。明らかに一歩も二歩も先に行かれている感じです。圧倒されます。
でもその変化がとても嬉しいです。感動します。よかったね!ハナコさん!

さらにさらに、予想だにしていなかった結末も訪れました。敵対的だった娘さんが、最近は相談してきたり、自分の気持ちを正直に語ってくれるようになったこと。

母としては嬉しい悲鳴ですね^^

まとめ

ハナコさんの今回の変化の起点は次の詩に集約されています。以前のコラムにも掲載した気がしますが、最後にもう一回この詩を。

【平安の祈り】
神様 私にお与えください。
変えられないものを受け入れる落ち着きを。
変えられるものは変えていく勇気を。
そして その二つを見分ける賢さを。

この第一ボタンさえ間違えなければ、子育てであれ、夫婦関係であれ、人間関係であれ、多くの悩みは十分解決可能です。

健闘を祈ります!





個人的追伸( ̄▽ ̄)

今日は結婚記念日。丸20年。嫁さんのお陰でここまで来ました。ありがとう!感謝感謝!あいらぶゆー♪

この記事を書いたプロ

高澤信也

「子育て力」をはぐくむカウンセリングのプロ

高澤信也(カウンセリングオフィス トリフォリ)

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