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コラム

「親に傷つけられた人を助ける人間が、子どもを傷つけている親を支援するのはおかしい」

2020年6月26日

テーマ:ひとりごと

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 子育て悩み相談夫婦問題 相談メンタルヘルス 対策


泣き止まない2歳のわが子を母親が布団でグルグル巻きにした結果、その子が亡くなったというニュースを見ました。
https://www.fnn.jp/articles/-/55923

その子はどんな気持ちだったでしょうか?
お母さんになんて言いたかったでしょうか?
どうしてもらいたかったんでしょうか?

それを思うと胸が張り裂けそうです。


人それぞれの考え

このニュースを伝えていた別のサイトにはコメント欄があり、いろんな意見が載っていました。

「子どもがかわいそう」
「虐待だ。ありえない」
「大変だったは言い訳にならない」
という「子どもは被害者」「母親が加害者」論。

「育児疲れで追い詰めらていたんだろう」
「夫は何してたの?このお母さんかわいそう」
「きっとワンオペで大変だったに違いない」
という「母親が被害者」「夫が加害者」論。

皆さんはどんな意見をお持ちになるでしょうか?

個人的見解です

私はと言いますと、「被害者ー加害者」という二元論的な視点自体がそもそも好きではありません。

犯人探しで誰かが幸せになるとは思えませんし、仮に厳然たる「加害者」がいたとしても、その人を罰したり排除するよりも、本人がその経験から学んでやり直すことのほうが何倍も大事だと思っているからです。

だって人はすべからく過ちを犯す存在ですから。

私にできること

一昨日〜昨日のことです。ある教育機関で定期セミナーを請け負っておりまして、そのお仕事で泊まりの出張に行っておりました

そこの親分先生と支援について話していたときのことです。

親分「先生にとっては何が大切?」
私「生きづらい状態で子育てしている親の支援ですよ」

親分「なんで?」
私「だって、ある程度の歳になれば自分の言葉や行動で事態を改善することができるけど、年端もいかない子どもはそれができないでしょ。私は子どもが好きなんです。だから彼/彼女たちの訴えを代弁したいんです。そのためには『親育ち』が大切なわけですよ」

親分「じゃあ親じゃない大人の困りごとは放っておいてもいい感じ?」
私「それはそういった方たちを手伝いたい方がやればいい。適材適所ですよ。私は子どもに笑ってほしいんです。幸せでいてほしいんです。でもよその子を私は幸せにできないでしょ。でも、親ならできるんですよ!」

親分「確かに」
私「でもその親御さん自体が今しんどいんであれば、誰かがそこを手伝う必要があると思うんです。私はそこを手伝いたいんですよ」

親分「みんな助けたい!ではなくて?」
私「そんなありますかいな!わしゃ観音さまか!って話ですよ 笑」

ということで、実は私は親を助けたいわけではありません。
子どもを芯から助けてあげられるのは親御さんしかいないと心底思っています。AC支援をやってきたから尚更です。

そんな思いがエネルギーになって、今はしんどくても子育てをよりよくしていきたい親御さんたちのサポートに頑張れるといった次第です。
たとえ間接的でもそれが子どもたちの笑顔や幸せにつながるなら本望なのですよ!
わが家が安全基地になったときのパワーは本当に計り知れないほどパワフルなんですよ!

ところで私が世界一美しいと感じる光景があります。
それは、幼い子どもとお母さんが目を見合わせて笑っている姿!そんな場に出くわした日にゃそれこそもう感動して号泣です(T-T)

むしろ親の支援は大切

子ども時代に傷ついてきたアダルトチルドレンの支援者をやってきた自分が、一方で「今は」まだ子どもを傷つけることもある親御さんの支援もしています。

何度かこんなことを言われたこともあります。
「ACを助ける人間が、子どもを傷つける親を助けるっておかしくないですか?」

以前はこう言われると自分でも混乱することがありました。
でも今は違います。

AC当事者が抱える苦しみを本質的に減らしていくには、子育てがより良くなっていくしかない。そのためには親御さんが助かる必要がある。それがひいては「未来のAC」を減らしてく最善策だと確信しています。

つまり、生きづらさの【世代間連鎖を断つ】ことにつながると。

まあ、ここまで深く腑に落とせたのは、実は愛する息子という存在のお陰なんですけどね(^^;;

この記事を書いたプロ

高澤信也

「子育て力」をはぐくむカウンセリングのプロ

高澤信也(カウンセリングオフィス トリフォリ)

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