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コラム

子どもを慈しむ親になるための6つのステップ⑥【慈悲の心で接する】

2020年6月2日

テーマ:子育て

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 子育て悩み相談夫婦問題 相談メンタルヘルス 対策


カウンセリングオフィス トリフォリの高澤です。

今日は6回シリーズの最終回。
テーマは「わが子に慈悲の心で接する」ですが、それは特別に何かをするというわけではなく、ここまでお伝えしたものを実践していった先で起こってくる結果みたいなものです。

ということで、これまでお伝えした内容をここでまとめてみます。

①子どもの「痛み」に気づく

私たち現代人は視覚に頼りすぎるようになってしまいました。その結果、子どもの様子を「観る」ことが難しく、表面的に「見る」ことばかりやっているようです。

何を言ったか(言わなかったか)。
何をしたか(しなかったか)。
どんな表情で。
どんな態度で。

こういった「目に見えるもの」ばかりに私たち大人は気を取られてしまい、その断片的情報だけで子どもの真意を誤って解釈し、その解釈によって不快な感情を生起させ、その感情が誤った行動に転化していく。

その結果、うまく真意を伝えることができない子どもたちは、無用な傷つきや痛みが増えるばかりです。

目に見えるもののその奥にある背景、意図、心情といった大切なものを「観る」ことによってはじめて、子どもたちの真意を理解することが可能になります。

一見愚かしく見える子どもたちの行動の奥に潜んでいる、彼/彼女らの恐れ、怒り、不安、悲しみ、恥といった「痛み」に気づくこと。とても大切なことです。

彼/彼女たちがネガティブな感情を表現したとき、その奥には「痛みがある」可能性を考慮してみてください。それに気づくことができれば、子どもたちの真意に近づいていくことができます。

②痛みを共に感じる

子どもたちの痛みに気づくと、私たち親の心も痛みを覚えるものです。愛するわが子が不当に虐げられたとき、私は平然としていることはできません。わが子の痛みを思うと、胸が張り裂けるほどの痛みを感じることもあります。

苦しいけれど、これはわが子が「今、ここ」で感じている痛みそのものです。あの子はこれほどに痛いんだと心得て、共にその痛みを感じましょう。

③痛みに耐える

しかし私たち親がその痛みを抱えきれないと、何とかして痛みを取り除こう、逸らそうとします。それは一見的を射た行動のように感じられるかもしれません。それで子どもも助かるような気がするかもしれません。

しかしそれは私たち自身が「痛みから逃げ出したい」という欲によって喚起された行動。したがってそのとき「子どもの痛み」は放置されたままです。

苦しいけれど、私たち親がまずこの痛みから逃げずに抱えること。それが「耐える」を意味します。

痛みは重い荷物と同じ。誰かが一緒に抱えてくれるだけで軽くなっていくものです。私たちが親がその痛みを一緒に抱えてあげられる存在であることができれば、痛みをかかえることができるタフさが子どもたちの心にも育っていくのです。

④理解する

子どもの痛みに気づき、その背景に気づき、痛みを共に抱えることができたとき、目に見えてこなかった子どもたちの真意を理解できるようになります。

「あの子は昨日イライラして私に物を投げつけてきたけど、あれは私たち親が『べき』を押しつけたから、それが嫌でたまらなかったんだ。でもうまく言葉で伝えることができないから、物に当たるしかなかったんだ。苦しくてああするしかなかったんだ」のように。

誰かが深く理解してくれた瞬間、子どもたちの痛みは和らぎます。理解してくれる相手は、できることなら重要他者である、私たち親でありたいものです。

⑤ノンジャッジメント

先のように包括的に子どもの真意が理解できると、彼/彼女たちの行動を「良い・悪い」「正しい・正しくない」などとジャッジする必要自体がなくなります。

精神論で「責めない」「怒らない」としてもそれはうまくいきません。ノンジャッジメントは目標ではなく、ここまでにお伝えしたようなステップをひとつずつ踏んでいった【結果】として現れるものです。

ここまで到達できれば、私たち親はほどほどに慈悲的な親になっているはずですよね。

慈悲的な親になるその前に

さて、ここまでシリーズでお伝えしてきた「子どもを慈しむ親になるための6つのステップ」。まずはステップ1から始めましょう!と言いたいところですが、その前に「ステップ0」というものがあります。

それは、私たち親がまず【自分自身】に対してこのステップを踏んでいくこと。

①軽視することなく自分の痛みに気づく
②自分の痛みに情けをかける
③逸らさず痛みをかかえる(=感じきる)
④共感的に自分を理解してあげる
⑤自分を審判せず、ただ事実だけを観る
⑥自分を慈しめる自分へ

まずは自分を慈しんであげてください。
それでエネルギーが貯まったら、そのあまり分をわが子に向けてあげてください。

自分を慈しむことは甘やかすことではありません。枯渇しかけているエネルギーを自分に補給してあげることです。

子育てにはエネルギーが必要ですよね。車を走らせたいならアクセルを踏む前に、まずはガソリン(最近なら電気?)を補給してあげましょう。その後に走りたいだけ走ればよいのではないかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いたプロ

高澤信也

「子育て力」をはぐくむカウンセリングのプロ

高澤信也(カウンセリングオフィス トリフォリ)

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