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コラム

「私は親のようにならない!」にたどり着くための方法

2020年3月3日

テーマ:子育て

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 子育て悩み相談メンタルヘルス 対策


こんにちは。
カウンセリングオフィス トリフォリの高澤です。

当所のホームページはブログサイトと兼用でして
名前は
*毒親卒業トレーニング
です。

この「卒業」には2つの意味を込めています。

そのうちの1つが
毒親「を」卒業する
という意味です。


子育てについて

その前にちょっとだけ子育てに触れてみたいと思います。
(ここから先の「親」という言葉は、主に「母親」を示しているとご理解ください)

わが子はとてもかわいいものですね。
私も小学生の息子の父ですが、生まれたときはちっちゃくて丸くて愛らしくて、こんなに愛おしい存在が世の中にいるのかと日々幸せを感じさせてもらっていたものです。

あの頃からすると、すっかり大きく(そして生意気に 汗)なりましたが、それでもひとつも変わらず愛おしい存在です。

その一方で子育ては大変な側面もありますね。
なにせ子どもは「欲求と感情のかたまり」ですから何でも訴えてきます。

思い通りになんてなってくれません。

特に乳幼児期は子どもの訴えから欲求を読み取り、適切に応えていく必要がありますから、親は余計にたいへんです。

ただでさえ大変さを伴う子育てに、親の自分が生きづらいままだと余計に大変なことは容易に想像がつきます。

自分一人が生きるだけなら、生きづらくてもまだ何とか自分を制御しながら暮らしていくこともできますが、それが親となると様相が一変します。

子どもが小さければ小さいほど、親は自分の欲求を後回しにし、いろんなことを我慢しながら子どもの世話をする必要に迫られます。

しかしどんなに頑張っても子どもが配慮してくれることはありません。
自己制御してもくれません。
ねぎらいや承認もくれません。

ただ訴えてくるのみです。

「わたし/ぼくのよっきゅうをちゃんとみたして!」と。

幼ければ幼いほど、この訴えなくしては生きていけないのです。


毒親「を」卒業する

そんな大変な子育て。

周囲の理解やサポートが十分あれば良いのですが、それもあまりなく、そこに自分自身の生きづらさまで加わると、次第に心の余裕を失い、したくなかったことを子どもにしてしまうこともあるかもしれません。

ヒステリックに怒鳴ったり、手をあげてしまったり、切なる訴えを無視したり。

これが日常的になったとき、あることに気づくかもしれません。
自分が毒親と忌み嫌う「あの親」と同じことをしている自分に。

正面切って向き合うにはこれはあまりに苦しい現実です。

ですが、ここが分岐点になります。
そして選択を迫られます。

◎選択肢①:この現実から目を逸らし「(こんな風に育てた)親の責任」と見なす選択

◎選択肢②:この現実を直視して「(親は許し難いけど)私の課題」と引き受ける選択

どちらを選択するも自由です。

とはいえ、一見前者の選択は誤りで、後者の選択が正しいようにも見えます。
でも実際はそうとは言いきれません。

前者を選ぶとき、それは自分がその苦しみに押しつぶされないため(なんとか自分を保つため)という大切な目的があるときがほとんどです。

つまり、苦しい中を何とか生き抜いていこうとする自分助けと言えます。

選択肢②を選びたいけれども今は選択肢①を選んでいるとしたら、それは②を選ぶための材料(主にはサポート資源)が不足しているのかもしれません。

一方で「選んだ選択肢によって結末は変わる」という現実は見ておくことが必要だろうと思っています。

先の「選択肢①」を選べば、自責感が和らぐ可能性があります。
それは自分助けと言えます。
しかし、わが子に望まぬことをするたび心が鈍く痛みます。
その痛みを感じ続けることもまた苦しみです。

先の「選択肢②」を選ぶと、「見たくない自分」を見なければなりません。かなりの苦しみです。
課題への取り組みを続けることもまた苦です。
しかし、取り組みを諦めなければ、その先で心の穏やかさは徐々に増えていくでしょう。

「あの子が悪い」と子どもを怒鳴ったり叩いたりしていたマルさん(仮名)は、「親のせいでこんな自分になった」と苦しみつつも何とかサバイバルしてきました。
それがあるとき行き詰まり、「苦しくてたまらない」と相談に来られました。

親のことを嫌ったまま、様々な自助や子育ての智恵とワザを学んで練習をつづけたマルさん、徐々に子どもを怒鳴ったり叩いたりが減り、話を聴けるまでに変化。

そして、ある時こう教えてくれました。

「私はもうあの親と同じじゃない」
「これで少しは胸を張って生きていける」

これが私が思う、毒親「を」卒業です。
忌み嫌う「あの親」とは違う自分になれた、という意味です。

こういった結末は援助者が作り出せるものではありません。

マルさんを始め、クライエントさん自身が「自分を変える」という覚悟を決め、その上で実践を継続することで導かれた結果です。援助の場での主人公はどんな時だってクライエントさん自身なのです。


卒業の先にあるもの

“毒親「を」卒業”の先にあるもの。

それは忌み嫌ってきた「あの親」とは違う自分(親)になっていくことを意味していました。
その先にあるものは「親としての自分への信頼感」。

この卒業が世代を超えてつづく家族の“悲しい連鎖”を断ち切り、その結果子どもたちが「子どもらしく」「その子らしく」生きていけるようになることを心から願ってやみません。

そして、それを果たせるのは子どもがもっとも愛する存在である親御さんだけ。

だからこそ、生きづらいままの子育てで余裕を失い、時にはわが子につらくあたることがあったとしても、それでも自分を本当の意味で助ける道を選んでほしい。そう願っています。
 

この記事を書いたプロ

高澤信也

「子育て力」をはぐくむカウンセリングのプロ

高澤信也(カウンセリングオフィス トリフォリ)

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