マイベストプロ福岡
矢川智

IT導入支援事業者として寄り添いビジネスを提案するプロ

矢川智(やがわとも) / IT導入支援事業者

株式会社ソリューション

コラム

【IT導入補助金2022】なぜ不採択になるの?採択を出すためのコツをご紹介

2022年7月7日

テーマ:IT導入補助金

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 補助金 助成金ITマネジメント業務効率化 ツール



インボイス制度の開始や電帳法の改正に伴い、IT導入にこれまで関心のなかった経営者様も、IT導入補助金の申請を検討され始めているのではないでしょうか。採択の基準は変わらず今年度も非公表ですから、不採択にならないように気を付けようと思っても、正直どうしたらいいか分からないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回のコラムでは、申請時に参考にしたい「IT導入補助金の申請が不採択になりやすい事例」と採択を得るためのポイントを併せて紹介します。

提出書類不足

最も多いIT導入補助金の不採択理由は、申請情報の入力や書類の不備だと言われています。最初のチェックの時点で申請内容の審査対象から外れてしまいます。記入後の内容をチェックする方法を工夫するのがポイントです。

法人がIT導入補助金を交付申請する場合の必要書類

履歴事項全部証明書

履歴事項全部証明書とは、補助金や助成金の申請時や銀行融資を受ける際やオフィスを借りる際など必要な「法人の登記事項を証明する書類」です。IT導入補助金の申請で使える履歴事項全部証明書は、交付申請日から遡って3カ月以内に発行されているものに限ります。
ちなみに履歴事項全部証明書では、以下のような不備がIT導入補助金の不採択理由になる可能性になるため、ご注意ください。

・履歴事項全部証明書ではない書類を提出している
・ページが全部揃っていない
・添付画像が粗くて読み取れない
・期限(申請日の3ヶ月まで)が切れている

法人税の納税証明書(その1またはその2)

法人税の納税証明書は直近分のものに限ります。また、税務署の窓口にて発行されているものに限るためご注意ください。なお、電子納税証明書での提出は認められていません。

個人事業主がIT導入補助金を交付申請する場合の必要書類


運転免許証または運転経歴証明書または住民票

IT導入補助金の申請に使える住民票は、交付申請日から遡って3カ月以内のものに限ります。また、運転免許証は交付申請日が有効期限内であることと、住所変更等の変更があった場合は変更履歴が記載されている裏面も提出が必要となります。

所得税の納税証明書(その1またはその2)

所得税の納税証明書は直近のものに限り、税務署の窓口にて発行されているものに限られます。法人がIT導入補助金を交付申請する場合と同様に、電子納税証明書(※XML形式で発行された「納税証明データシート等」)での提出は認められていません。
※PDF形式にて発行されたフォーマット(窓口発行の納税証明書と同一フォーマット)であれば、窓口発行の納税証明書と同様に、交付申請時の提出書類として利用可能です。

所得税確定申告書B

税務署が受領した直近のものに限り、税務署が受領したことがわかる所得税確定申告書Bのみの提出が必要となります。
また個人事業主の場合、旧姓で事業を行っており、実際の姓名と異なる場合は、姓名の変更がわかる書類を合わせて提出する必要があります。

申請内容の不備

会社情報に不備がある

申請情報と履歴事項全部証明書に整合性がないと、事業実態が不明瞭、つまり実態が怪しい会社と判断されてしまうのです。事業実態と登記が一致していない場合は申請前に対応しましょう。
申請時には、基本情報の入力画面で、担当情報の役員についてという欄に登記簿謄本に記載されている役員全員を記載する必要があります。そして、必ず登記簿謄本と役員の氏名は完全に一致していなければなりません。特に多いのがこの部分の不測や変更忘れです。
単なる記載漏れと役員変更を登記していない場合の2通りの可能性がありますので気を付けましょう。

生産性向上の実現性に乏しい計画を立てている

申請時には、申請するITツールを導入することによる効果を含めた経営計画を提出する必要があります。ですが、この計画の実現性の根拠が乏しいと判断された場合は不採択となってしまいます。チェック項目の間違いだけでも、このような判断につながる場合がありますので、くれぐれも注意しましょう。
不採択になりがちな例には以下のようなものがあります。

・経営計画が売上上昇率や売上上昇額などの成果ベースで計画されていない。
・現状分析と改善計画、導入するITツールの機能に整合性がなく、導入の意図が分からない。
・企業の年商などの実績に対し、導入したいITツールが高額すぎる。
・生産指標計画が、業種ごとの経営指標数値(目安)と明らかにかけ離れている。

以前の採択されたITツールと今年度申請分のツールの機能重複

2020年のIT導入補助金からは、納品後1年以上経過していれば可となりました。しかし2019年まではすべて不採択となっていましたので、2022年に改めて不可になる可能性は0ではありません。そもそも2022年度のIT導入補助金は、インボイス制度や電帳法の改正に伴う対策を講じるためという意図が大いにありますので、以前のツールと機能が一致することは必ずしも多くはありませんが、これに該当する場合は、導入したいツールの機能が以前の申請分と重複していないかを確認しましょう。

IT導入補助金の公募要領の要件を満たさない数値計画を立てている

数値計画が、労働生産性指標、給与支給総額の増加目標、事業所内最低賃金の増加目標の要件を満たしていない場合は不採択になってしまいます。また、事業所内最低賃金が地域別最低賃金を下回っている、もしくは人員削減の計画が盛り込まれている場合も同様に不採択です。
給与支給総額の成長率について、労働生産性とは異なり審査項目に入っておりませんが、審査要件には書かれている為、数値計画の審査項目と考えるべきです。
3年目の%が1.5%以上になっていれば良いとのことですが、4年間2%以上になるようにしておいた方が無難と思われます。尚且、地域最低賃金+30円とすること。
なお、厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」 を参考に、給与総支給総額が労働生産性で算出された粗利より高いなど労働生産性の数値計画と矛盾がないようにするのがポイントです。



2018年に公開されていたその他の不採択理由

申請日と設立年月日の不整合

これは個人事業主の申請においての話ですが、申請日時点で設立年月日が未来日であると一発で不採択となってしまいます。

申請内容の不備(不完全な住所入力)

申請時の番地の入力漏れで、不完全な住所で申請されるケースは意外と多いようです。申請システムでは、町名までは郵便番号から引き当て入力されますが、その後の番地等は自分で入力しなければなりません。
気づかずに申請してしまう方が意外と多いようなので気を付けましょう。

本補助事業の目的が明確でない

基本情報や履歴事項全部証明書に書かれている事業目的がよくわからない(一致していない)
導入したいITツールを活用して何をやりたいのかがわからないなどが原因です。
IT導入補助金の申請時には、事業内容や現在の事業の強味、弱みを記載できる箇所があります。数少ないフリー記入でアピールできる箇所ですので、ここでは事業内容を紹介しながら強みを記載し、ITにおいて何が弱みか不足しているかを記載し、その弱みを補う為にITツールを入れる理由、更にプラスアルファで期待される効果を記載するのがポイントです。強み・弱みの部分には、その他を選択することで255文字のフリー記入ができるので、そこにも補足することで本当に補助金が必要であることを強くアピールします。
「飲食店経営」や「衣服の販売」など、最低限の文章で済ませてしまうのはもったいない欄です。

まとめ

申請時に参考にできる不採択になりやすい事例と採択を得るためのポイントをご紹介してまいりました。弊社ではヒアリングをし、上記の内容を気を付けながら申請書類を作成いたします。
今年度のデジタル化基盤導入類型については2週間に一回の締切とかなりタイトなスケジュールになっていますが、引き続きあくまで高い質、より高い採択率を目指して取り組んでまいります!
「まだ2022年度のIT導入補助金について分からない…」「今からでも申し込めるかな?」という皆様、まだまだ間に合います!是非お気軽にお問い合わせください。



株式会社ソリューションお問い合わせページ

IT導入補助金2022公式HP

この記事を書いたプロ

矢川智

IT導入支援事業者として寄り添いビジネスを提案するプロ

矢川智(株式会社ソリューション)

Share

関連するコラム

コラムのテーマ一覧

矢川智プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ福岡
  3. 福岡のビジネス
  4. 福岡のビジネスその他
  5. 矢川智
  6. コラム一覧
  7. 【IT導入補助金2022】なぜ不採択になるの?採択を出すためのコツをご紹介

© My Best Pro