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城谷健太

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コラム

『遺言には書いてあるのに…』

特別編

2016年4月13日

 父を亡くしたAさん。生前から「遺言書」を残しておくと言われていたので、相続人である兄弟と二人で遺言書を確認したところ。自分が父と同居していた自宅は自分に、約300万円の預金は兄弟にと書かれていました。
 父の面倒は同居していたAさん夫婦でみていましたし、他に相続財産もないので、何の問題もないと思われたその時。兄弟が「納得出来ない」と言い出しました。いくらなんでも、自分の分が少なすぎると言うのです。
 どうしたらいいのかと、困るAさん。遺言書には書いてあるのに、Aさんは、兄弟の言い分に従わないといけないのでしょうか…

遺留分って?

 亡くなった人の意思を尊重するために、基本的には遺言書の内容は優先されるべきものです。ただ、相続財産を全て赤の他人にあげるというような遺言書があったとすると、残された家族は、その後の生活にも困ってしまうとも限りません。そうならないように、民法では、一定の相続人が最低限相続できる財産を遺留分として保証しています。(民法1028)。この、遺留分が保証されている相続人は、配偶者、子供、父母です。今回のAさんの場合は、被相続人(亡くなった方)の子供ですので、遺留分は保証されます。

【表:遺留分の例】


 遺留分の計算方法は表にあるように、法定相続分の1/2です。仮に、他の条件を考慮せずに、Aさんの住んでいた自宅の相続評価額が2,100万円、預金が300万円だとすると。表の②に該当しますので
2,100万円+300万円×1/4
Aさんの兄弟の遺留分は600万円となります。つまり、Aさんの兄弟が300万円の預金を相続しても300万円不足していることになります。

増える競争

 勿論、今回のように、遺言の内容が遺留分を侵害していたとしても、本人たちが納得すれば遺言は有効なのですが、Aさんの兄弟がどうしても納得できない場合は、「遺留分減殺請求権」を主張することになります。「遺留分減殺請求権」とは、遺言の内容を一部失効させて、相続財産のうち「遺留分相当額」を支払って欲しいと要求することです。
 ここでAさんが納得して、支払う約束をすればいいのですが、もし争いになると、家庭裁判所に持ち込んで、裁判所が双方の間に入って話し合いによる合意を促す「調停」制度を利用することもあります。更に、この調停が不成立に終わったときは、審判に移行せず、地方裁判所に民事訴訟で解決することになります。こういった争いは増える傾向にあって、遺産分割調停・審判の件数は年間1万5,000件にものぼっています。

解決方法は?

 さて、Aさんですが、話し合い、調停や判決によって、遺留分を渡さなくてはならなくなった場合。実際には、金銭を兄弟に支払って解決するというのが現実的な対応となります。別な方法としては、Aさんが相続する自宅の持分を兄弟と共有するというやり方もありますが、これは出来る限り避けたいパターンです。
 何故ならば、不動産を共有持ち分で所有する方法をとれば、遺留分の問題は解決しますが、問題を先送りにさせるだけからです。例えば、将来、自宅を売却したいときには、兄弟の承諾が無いと売却できません。それとは、反対にAさんがそのまま、そこに住み続けたいと思っても、自分にとってはほとんど、必要のない不動産を所有していることになる兄弟としては、Aさんに対して、すぐにでも売却して、持ち分相当の現金を請求するかもしれません。Aさんは断ることは可能ですが、最悪は、兄弟に「共有物分割の請求」をするために、地方裁判所に訴えるという強硬手段に出られてしまうこともあります。こうなると、Aさんが自宅にそのまま住みたければ、結果的には持ち分に相当する代償金の分割払いなどの条件で解決せざるを得なくなってしまいます。
 うちは相続財産なんて、せいぜい自宅くらいだから、もめるはずがないと思っていたら大間違い。逆に、こういったケースの方が泥沼の「争続」になりかねません。そして、これは、財産を遺す方にも、細やかな配慮が必要だということです。

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