杉山信二プロのご紹介
崩れてからでは遅い、石積みの防災対策(2/3)
モルダム工法とは?
北九州市でも、特に八幡、若松、戸畑、門司といった地域は山の上の方まで住宅がひしめく、石積みの多いエリアです。もともと法面(のりめん)と呼ばれる、道路や造成地の脇の斜面の安定工法を専門とする杉山さんは、地元・北九州市より石積みの防災対策についての相談を以前から受けていました。
設計や開発業務を得意としていた杉山さんは、石積みの中に接着性の高い専用充填材を注入し、石積みを一体化して補強する方法に取り組みます。接着性が高く注入しやすい(流動性が高い)という相反する特性をもつ専用充填材の開発や、専用充填材を石積みの内部にしっかり注入する方法、石積み内部の水抜きなどいくつもの課題がありましたが、5年近くの歳月をかけて試行錯誤を繰り返した末に、杉山さんは開発に成功。専用充填材はメーカーの協力を得てオリジナルの製品を安定生産できるようになり、水抜きの問題も、専用充填材の注入前に排水パイプの役割をする防水加工シートを石垣の隙間に挿入するという方法で解決しました。これが「モルダム工法」と名付けられ、平成27年1月には特許も取得したのです。
「この経験がない建築屋さんや土木屋さんは、どうしても大掛かりなやり替えを考えてしまうので、できるだけ多くの方にこの工法を知ってもらいたいですね」と杉山さん。写真はモルダム工法の施工前後の石積みで、民家の石積みだけでなく、川岸や切り通しなど公共の工事でも実績を上げています。
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