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神田紀久男

終活や死後事務委任契約に関わるコーディネートのプロ

神田紀久男(かんだきくお) / 終活カウンセラー

株式会社 イフケア北九州

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コラム

終活も時々見直しましょう。

2022年9月24日

テーマ:おひとり様の終活

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: エンディングノート遺品整理


「終活」を行った方からの声が一番多いのは、「準備万端。スッキリした。」というのは声があります。人生の終焉に向けて、色んな不安や悩みがあった事柄について、終活を勉強し、将来への備えを行うことや実行することで、スッキリした気分になることは確かなことだろうと思います。「終活」終了とはいかない場合も多いことも確かです。準備を整えても、これからの生きていく中で、生活環境が変わったり、思わぬ出費が発生したりすることで家計や資産の状況も変化することも起こり得ます。終活は定期的な見直し作業も欠かせないものだと思います。
 今回のそんな事例を紹介したいと思います。
 相談者Aさんは、現在福岡県外にお住まいの83歳の男性です。7人兄弟の一番下がAさんです。既に兄弟姉妹の中には他界されている方もいます。Aさんの相談は、姉Bさん88歳の面倒を見ていることです。Bさんはずっと独身で、今は施設に入っている。年金受給と手持ちの資産で、施設利用料・介護サービス等は、賄えているので、金銭的は負担を負っているわけではない。ただ、心臓を患っているため、時々病院に入退院を繰り返している。そんな時に、身元引受人として手続きを行う必要があり、たびたび呼び出される。Aさんご自身も高齢であり、体調のダンダン悪くなっているので、身元引受で手続きを行うのが、煩わしく感じるようになってきた。
また、姉のBさんが、これからも長生きすると、何時かは姉の資産も枯渇するかもしれない。そうなると、金銭的な負担も負うことになるかもしれない。そんな不安をお持ちだったようです。
 「姉だから、亡くなった時も面倒は末っ子の自分が面倒見るより仕方がない。その準備だけはしておきたい」というのが最初の相談内容でした。
姉Bさんが亡くなった時には、お骨にして自分のお墓に入れることが出来れば一番良いと思う。だけど、県外にいる自分は、葬儀の手配などが出来ないので、手伝ってほしいということでしたので、葬式の内容を含め、取り決めをして、生前葬儀契約を締結しました。それから、Bさんの身元引受などは、成年後見制度で活用し、後見人もしくは保佐人・補助人を選任する手続きを行うことで、Aさんの負担軽減も出来るでしょうから、その手続きを進める方向で話を進めていました。ただ、Bさんは、病気があるにせよ、しっかりとしている方で、中々後見制度の活用については、承諾をしてもらえない状況が、長く続いていました。
施設で暮らしているBさんが、入退院をしなければ、Aさんもそれほど手間をかけることもないわけで、日常の細々したことは、施設の方の力が借りながら、Bさんをサポートできるので、この後見制度活用の準備が日常では必要ないと感じるのも確かだろうと思います。Bさんは、今のままで良いということを何度も弟Aさんに言っていたようです。そんなこんなで、姉の終活の一部は出来たけど、Aさんも死後のことだけでも準備が出来たので、それほど急がずにいたようです。
 先月になり、Bさんの容態が悪化して、入院することになりました。Aさんには、病院から、「危篤状態ですから、もしもの時はどうするかと説明を求めらた。」ということも私からも病院の方を亡くなった時の進め方などについて打ち合わせをしておりましたが、幸いなことに、Bさんは、危篤状態を脱することが出来、施設に戻ることが出来たとのことでした。
「良かったですね。」とAさんに伝えたところ。Aさんは、「良かったかどうかはわからない。姉について、今の施設が、別の施設に移すことを提案されているのでね。」というお話が出ました。病気の進行もあり、今の施設では対応困難と言われているそうで、新たな施設探しを行う必要が出てきたということでした。どんな施設が良いだろうかと、相談だったので、Bさんの場合は、「もしもの時」を考えると、「看取り」まで行ってくれる施設を検討した方が良いかもしれない。そんな施設であれば、死後の事柄まで面倒を見てくれる可能性もあると提案しました。私の会社の生前葬儀契約を破棄して、施設の全てを任せることの方がAさんにとっては、煩わしさが無くなるだろうと考えました。
Aさんよりも逆に私の方を気遣ったくれて、「葬儀契約を破棄すれば、貴方の仕事は無くなるのじゃないか」と言われていましたが、それよりもAさんとBさんの状況の方が大切ですよ、ベターな方法である。施設に看取りから死後まで面倒見てもらう方が良いだろうと思いますよと返答しておりました。
 1昨日、Aさんから連絡をいただき、新たな施設が見つかった。その施設は、看取りも死後事務もやってくれるとのことです。ということでした。
 Aさんから、「これで貴方にお世話になることは無くなったけど、色々とアドバイス有難う。」と仰ってもらえました。終活にはその時の状況で変化するという事例です。
終活は一度やって終わりではなく、見直しをすることを忘れずにいてもらいたいと思います。

この記事を書いたプロ

神田紀久男

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