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神田紀久男

終活や死後事務委任契約に関わるコーディネートのプロ

神田紀久男(かんだきくお) / 終活カウンセラー

株式会社 イフケア北九州

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コラム

「おひとりさま」と「ひとり暮らし」には違いがあります。

2022年5月4日

テーマ:死後事務委任契約

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: エンディングノート遺品整理


先日、知人の女性から相談を受けました。「ついでに、友人も一緒に話を聞きたいらしいから連れていく。」と、私を含め合計4名のワイワイガヤガヤと楽しい相談業務を行いました。
相談相手は、60歳代と70歳代の女性陣。一番年下の私を相手に言いたい放題という感じで、勝手気ままな会話が進んでおりました。
ちなみに、Aさんは、60歳代。夫とは死別。子どもは、3人。それぞれ結婚もされている。今はひとり暮らし。次のBさんは、70歳代。夫は死別。子どもはいないので、おひとりさま。最後のCさんも70歳代。夫は離婚。子どもはいたけれど、病気で亡くなっており、やはりおひとりさま。
ただ、全員が口を揃えて、「私たちは、おひとりさま」とおっしゃって、「将来は、私の世話になるかもしれないので、何をしてもらえるのかが知りたい」とのことでした。
 私の仕事である「終活」「死後事務委任契約」について説明を行うと、「私たちには、必要なことよね! 3人まとめて、お世話をしてもらいましょう。」という風にドンドン話を進めていこうとします。
 勝手な進行にストップをかけて、Aさん(この方が私の知人)に対して話をしました。「貴女は、大体おひとりさまではないですよ。お子さんがいるし、もしもの時には頼りに出来るのだから、私との契約なんて必要ないでしょう。」
そして、BさんとCさんに、「兄弟姉妹はいないのですか?」と尋ねました。
Bさん「いるけど、頼れない。」
Cさん「兄がいたけど、亡くなった。私が子どもを亡くしたいるから、義姉も姪御も私のことを心配してくれていて、よく連絡を取っているし、仲良しです。」
Aさん「なんで、私はおひとりさまじゃないの!BさんとCさんとは契約するつもり!」と、少し不満げに質問されました。
「契約の必要性があるのは、Bさんだけでしょう。Aさんは、家族はいるけど、ひとり暮らしをしている人。子どもがいる。Cさんには、仲の良い姪御さんがいるから、その方を頼りにした方がいいですよ。」とアドバイス。
Bさんについても、「親族の中で、将来頼りに出来る人がいるかどうか、もう少し考えていきましょう。例えば、死別した旦那さんの兄弟姉妹とか、連絡を取り合っている人はいるのなら、その人を頼りに出来るかどうかを検討しましょう。」と提案しました。
今までの契約事例などから、理由を説明し、3人とも納得していただきました。
Bさんとは個別に継続相談を行うことになりました。
AさんとCさんには、私と死後事務委任契約を行わなくても、お子さんや姪御さんに、「私が死んだら、神田さんに頼りなさい」と伝えておけば心配することはないでしょうし、お子さんも姪御さんも面倒を掛けずに済むように出来るから大丈夫と伝えると、「そうよねえ」と妙に納得しておられました。

Aさん曰く、「おひとりさまとひとり暮らしは違うのねえ。よくわかった。」とおっしゃり、BさんCさんも、「そうねえ。今日は話が出来て良かったわ」と言ってもらえました。
気が付くと、相談開始から3時間を経過。長い相談となりました。最後まで、賑やかな相談でした。
帰り際、Aさんが、「私たち3人。おひとりさまだから、これからも仲良くしましょうねえ」と話をされ、BさんCさんと「次はどこに遊びに行く」と言った話をされておりました。その様子を見ながら、私は苦笑い。わかっていないのかあと思いながら、お別れしました。

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