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神田紀久男

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神田紀久男(かんだきくお) / 終活カウンセラー

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コラム

コロナ禍のお葬式の一場面

2020年11月3日 公開 / 2021年2月19日更新

テーマ:死後事務委任契約

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: お墓相続 手続きエンディングノート

とあるお葬式の一場面

喪主は、一人っ子の東京出身で、就職を機に北九州市に移りすみ、早30年。
当然実家は東京にあるわけですが、数年前にお父さんが亡くなり、その後お母さんが大病を患った。死に直面したそうですが、何とか持ち直したそうですが、一人で暮らすのは心もとない。息子は実家を離れた場所に居を構えているので、「帰ってきて欲しい」という気持ちはあったのでしょうが、自ら息子さんの傍に引っ越しことを決断し、北九州市で老人施設に移ったようです。この時お母さんは85歳。高齢となっての遠方への転居にはそれなりに勇気のいる決断だったのではないかと思います。
息子さんも、お母さんが一度大きな病を患っていたことからして、ある程度覚悟をしてお世話をしていたのだろうとは思いますが、その時には予期できません。
コロナ禍で施設に見舞いに行くにしても、面談室で面会するだけだったそうですが、ある日面会予定で施設にいったが、「お腹が痛い」というお母さんは、面会室まで来ることも出来ず、その日は家に帰ったそうです。そしてその日の夕刻、「容態急変、今から病院に救急搬送する」との連絡を受け、病院を向かったそうです。病院で、お母さんの様子は意識がダンダンと薄れていく状況だったそうです。自分の名前を何度か呼びかけると、話すことはできないけど、頷いて反応してくれた。どれくらいの時間が経過したかはわからないけど、その夜、静かに息を引き取ったとのことです。
 
さて、その後のお葬式も、母方の親族は、いずれも高齢なので、北九州にこのご時世の中では、難しい。勤務先も、在宅勤務などを行っている中では弔問に来てもらうのも気が引けるとのことで、お葬式が終わってから連絡を入れることとした(お葬式は丁度土日だった)。
 参列者は、息子さん夫婦と近所に住んでいる奥様のご両親と兄ご夫妻と姪一人、計7人での葬送となりました。
 息子さん夫婦には、子どもがいない。数年前に亡くなったお父さんの遺骨は、東京の寺院に預かってもらっているとのことですが、そのお父さんの遺骨も取り寄せ、お母さんの遺骨を一緒に、海に散骨をされるとのことです。お父さんの趣味が「釣り」で海が好きだったからという理由なようです。
 自分たち夫婦も、「子どもがいないので、同じように、散骨してもらいたい。自分たちの最後は、義兄の子ども(姪)に見てもらうしかない、あまり面倒はかけなくない」と話をされておりました。
 夫婦どっちが、早く亡くなるかはわからない。だけど、老後のことや「おひとりさま」になったときに、姪っ子に面倒をかけないように、今から準備を進めていくと話をされておりました。
 現在52歳と50歳のご夫婦です。これから終活を始めていく。丁度良い年齢だと思います。様々なことをお考えです。散骨だけでなく、認知症になった時や、相続のための遺言まで色々と勉強されておりました。「備えあれば患いなし」。きっとご夫婦仲良く暮らしていけるのではないでしょうか。

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