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岩橋たか子

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岩橋たか子(いわはしたかこ) / ハーブクリエイター

ひだまりハーブガーデン&スクール

コラム

「代謝」とは?代謝の働きと対応するハーブ成分の意味

2021年12月15日

テーマ:ハーブの健康活用

コラムカテゴリ:美容・健康

コラムキーワード: 糖尿病 食事ダイエット 運動ハーブ 効能

私たちは日常的に「代謝が落ちた」と話すことが多いように思います。
代謝が落ちた事で「体重が増える」というのが、もしかしたら一般的な使われ方かも知れません。
では一体「代謝」とは、どういう状態をいうのでしょう?



代謝とは?3つの大きな役割


そもそも「代謝」metabolism (メタボリズム)とは、体内の化学反応全般を指す言葉で、口から食べ物が入って消化が始まりますが、それも代謝であり、消化されて小さくなった栄養素が血中に入り体内の必要な場所へ運ばれて、エネルギーになったり、細胞や血液に作り替えられたりすることなど含めて「代謝」活動をしていることになります。

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、心臓病や脳卒中などになりやすい病態を指します。


代謝には一般的に「基礎代謝」「活動代謝」「食事誘導性体熱生産」の3つに分けられます。もっと細かく分類することもできますが、私たちに特に大事な代謝を見ていきましょう。

生きていくために必要なエネルギー「基礎代謝」

生命を維持していくために必要な最低限のエネルギーのことで、体温を保つ、各器官の働き、呼吸や消費されるエネルギーを合わせたものをいいます。要はじっとしていても、生きていくために使う最低限のエネルギーのことですね。

人により差があるのが「活動代謝」

仕事や運動といった日常生活で消費されるエネルギーを指し、デスクワークや日頃運動をしない人は、運動する人よりも活動代謝が低く、人によって大きな差が出てくる代謝活動です。

酵素の働きをサポートする「食事誘導性体熱生産」

食事をした後に汗をかいたり、体温が上がったりすることをいいます。データでは、たんぱく質30%、糖質と脂質の7%が熱に変わる。つまり、たんぱく質をしっかりとることが重要な代謝活動に繋がります。

生活習慣病に関わる代謝について


3種類の代謝の中で、代謝の6割を担っているのは基礎代謝です。「基礎代謝をあげる」ことが、健康に繋がるというになります。そして、その基礎代謝に一番関わる私たちのカラダの器官は「肝臓」です。

カラダ解剖

もちろん代謝をあげるには、筋肉をつけることも手っ取り早い対策となります。運動をすることでさらに代謝も進みますが、肝臓の機能を促進させることも非常に重要になります。
ここで「肝臓」について少し触れておきます。(まるでハーブの講義のようです。笑)

「肝臓」とは、体内で一番大きくしかも再生可能な臓器で、約500種類以上の代謝作業をこなしています。以下が主な働きですね。

①糖、脂肪、たんぱく質を代謝、合成する。
②化学物質、薬物などの老廃物の分解、排泄する。
③胆汁を分泌する。

肝臓だけで、こんなに重要な役割を担っているんですよね。「沈黙の臓器」ともいわれるので、我慢強く弱音を吐くことなく常に頑張っている臓器です。だからこそ、酷使させることになり、大変な状況になるまで病気に気づかない事も。
私たちの健康の鍵はこの肝臓が握っているといっても過言ではないでしょう。
さて、ここで「代謝」を纏めてみると、

代謝は生体を維持していくために必要であり、健康には欠かせないワード。
代謝をあげることで免疫力や体温が上がり生命維持機能が活発化される。
代謝を促進させることで老廃物の排出や細胞の更新、自律神経も調整され自然治癒力も各段に上がります。

[中見出し]肝臓を守るメディカルハーブの活用[!/中見出し]

肝臓を健康に保つには、肝臓の負担になるようなカフェインやアルコール、添加物食品を控え、規則正しい生活はもちろん、栄養や運動、そして休養も大きなポイントになってきます。
そして、そのいずれにもアプローチできるのが「メディカルハーブ」の存在です。

前回のコラムにも書かせて頂きましたが、ハーブに含有される植物化学(フィトケミカル)成分は殆どが水溶性です。なので、熱湯で十分に抽出してハーブティーとして、手軽にカラダに摂り入れる事ができます。

肝臓のハーブと言われる特徴は「苦味」です。苦味は自然界では「毒」のシグナル。体内に苦いものが入ってくると、カラダに不要な毒を早く排泄しようと肝臓の解毒機能が活性します。
冬眠する動物は冬眠から目がさめると、まずは体内に溜まっている老廃物を排泄するために、苦い植物をとるそうです。普段なら苦いものは吐き出す習性をもつのに、自然の中の生命体たちのそれぞれの行動は本当に素晴らしいですね。

話を戻して、肝臓のハーブの代表として「ダンディライオン(セイヨウタンポポ)」があります。「強肝のハーブ」と言われ、その風味がノンカフェのコーヒーとして、健康趣向の方々に取り入れる事が多いハーブです。

たんぽぽ

根を乾燥させたハーブで茶剤として使う時は、花や葉よりも少し長め(5~10分ほど)に抽出します。より効果的に使う場合は「煎剤」(煮込む)と良いでしょう。多糖類であるイヌリンや苦味質、カリウムなどのミネラルを多く含むので、利尿作用や緩下も期待できます。とにかく、老廃物を体外に出すことで、カラダが元気になり、新しい血液や細胞を作る元気も出てきます。気になる味ですが、根のハーブは多糖類も含むので甘味も感じ、飲みやすいのでお薦めです。

あとは「アーティチョーク」でしょうか。ショップでは中々目にする事はないかも知れません。アーティーチョークはサラダなどイタリア料理店でたまにメニューに載っていますが、可食部の苞片ではなくティーとして葉を使います。シナロピクリンという超・苦味質が肝臓の機能を向上させ、胆汁も促進することに。とても苦いので、美味しい~という訳にはいきませんが肝臓の調子が悪いときにはお薦めです。私自身もカラダがだるかったり、調子が出ない朝に、トニック効果を期待してチョイスするハーブとなります。アーティチョークは植物ステロールといって、コレステロールの吸収を妨げてくれる成分も含有していますので、油ものを多くとるような方には特に飲んで頂きたいハーブです。

アーティチョーク

とにかく、肝臓が元気であることは健康の基本です。老廃物が排泄されないカラダは代謝が落ちて、血管の弾力性や血液粘土、そこから動脈硬化、糖尿病など、いわゆる生活習慣病に繋がっていくことになります。
私たちは、改めて「代謝」のメカニズムを理解して、肝臓の偉大さに感謝しつつ、労る生活習慣を身につけていきたいですね。その時に、ハーブを選択肢のひとつに選んでいただけると嬉しいです。毎日続ける一杯のハーブティー。習慣化することでQOLの向上を力強くサポートしてくれるはずです。

ティー 黄色

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