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補助事業に向いている人、向いていない人

2022年6月7日 公開 / 2022年6月8日更新

テーマ:補助金・助成金

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 補助金 助成金事業計画 立て方経営戦略

補助金には様々なものがあります。計画書を申請し審査を経て採択されなければ貰う資格がないものや、対象要件に合うことを条件に申請すれば貰えるものもあります。

私が支援している経済産業省や農水省などの事業者向け補助金の多くは、前者に当たりますので、これについて書きたいと思います。

タイトルに補助事業と書きましたが、補助事業とは補助金を貰うための計画の実施期間のことを指します。

そう、申請時に書いた計画を実施する期間です。

具体的には、この間に補助対象となる経費の発注をし、納品してもらいお金を支払う。そして実際に計画通りなるのかを試すといった期間です。

この期間は、短ければ数か月のものもありますし、長ければ1年以上のものもあります。

お金を貰えるのは補助事業終了後のものが多いですが、年をまたぐ場合等は年度毎などに締めて精算をするような補助金もあります。



補助事業に向いている人、向いていない人



ところで、申請時に書いた計画内容ですが、運よく通ったけれど、「この時は慌てて書いたので、ああ、もっとこうすればよかった」と思うケースがあるかもしれません。

ところが、原則事業計画の変更は認められません。

どういうことかといえば、この計画内容を審査して採択を受けたのだから、内容が変われば審査は無効になるという理由です。

ただ、よほどの理由があり、補助事業の成果などが申請時の内容と変わらないと認められた場合は変更ができる時もあります。

いずれにせよ、事前相談が必ず必要になります。



上記からもわかるように、補助事業はやりたいことがコロコロ変わる人は向いていません。

やりたいことが変わらなくても、安易な発想で動こうとする人も向いていません。

時々、思い付きで申請をしようとする人がいます。よく出くわすのは、このようなケースです。


相談者「○○の事業をしたいのだが、××の補助金は使えないか?」

私「××の補助金は、△▽が目的なので、○○の事業では申請が難しいです」

相談者「うーん、だったら■■の事業はどうだろう?」

明らかに自分がしたい事業から、補助金を取るにはどんな事業をすればよいかに思考が切り替わっていると判断できる場合は、私はすぐには受けません。

私「一度持ち帰って練り直して、それでも■■の事業がしたいのであれば、またご相談にきてください」 と言ってその場を収めます。



過去の私もそうだった



そういう私自信も実は苦い経験があります。人材育成の補助事業だったと思いますが、なんとなく思い付きで書いて出したら採択されてしまいました。

補助率は100%でしたが、十分に練っていなかったので、当然ながらうまくいきません。

計画通り2人を採用し、補助事業に係る経費はでるけれど、それ以上に経費がかかってしまい資金繰りも苦しくなりました。

よくよく考えると、そもそも本気で取り掛かりたい事業でもなかったので、なんでこんな事業で申請したのだろうと反省しました。

今となっては良い経験だったと思いますが、当時は本当に苦痛でした。

ですので、思い付きで出す人の気持ちもよくわかります。

でも皆様方には同じ思いをさせたくはないと思っているので、ここはしっかりと指導しています。


事業計画書の得手不得手のタイプ


ところで、補助事業には事業計画書が必要ですが、これを書くのにも得手不得手のタイプがあります。

例えば、これは五感から脳への情報アクセスのタイプでも違います。

脳への情報アクセスのタイプとは、V(Visual):視覚タイプ、A(Auditory):聴覚タイプ、k(Kinesthetic):体感覚タイプのことです。いわゆるVAKといわれるものです。


例えばVの方は、思考する時に画像のようなものが浮かび、ゴールイメージがわかり、逆算ができるようなタイプです。

そういうと一見よさそうに聞こえますが、実はこのタイプは他人と話すときは頭の中の画像を見ながら話すような感じなので、話が飛びやすく、相手方はその画像は見えていませんので、話の内容が理解しづらいといったケースに陥りやすい特徴があります。

ですので、文章を書く際にも話が飛んでしまいがちです。

自分はその文章をみたら、画像がでてくるので、それで十分だと思っているけれども、審査員には全く伝わっていないというケースがありがちです。


一方Aタイプの方は、Vタイプと違い、画像も出なければ、ゴールイメージもわかりません。

ですので、逆算もできません。

ですが、このタイプは一歩一歩着実に手順を踏んでゴールに到達するタイプです。

文章を書く際も手順を踏んで書くので、話がわかりやすいという特徴があります。


KタイプもAタイプと同じで画像はでてきません。

ゴールイメージもわかりませんが、その感覚はわかるといったタイプです。

ですが逆算はできません。

Aタイプと同じように手順を踏んでゴールに到達していくタイプですが、一度体に落とし込んで言語化していくタイプなので、他のタイプに比べ言語化に時間がかかります。

そのため言語化が苦手と感じている方が多いのも特徴です。

ですので、文章を書くのも苦手意識を持っている方が少なくないようです。


こう書くと、Aタイプの方が一番事業計画書作成に向いてそうですが、正にその通りです。

補助金の計画書作成の基本はAタイプのように手順を踏んで、わかりやすく書くのが鉄則です。

なぜならば、ほとんどの補助金は書類審査だけで採択・不採択が決まるからです。

プレゼンテーションやヒアリングがあれば話は変わりますが、書類審査のみであれば、やはり手順を踏んでわかりやすく書くというのが採択されるコツになります。


ではAタイプでないとだめなのか?それ以外のタイプは採択されないのか?そういうことをいっているわけではありません。

Aタイプの方でも不採択になる人はなっていますし、VでもKタイプでも採択される方はされています。



タイプ別の注意点と対策



ではそれぞれのタイプの注意点と対策を、これからお話ししましょう。 

Aタイプの方は文章の内容が短絡的になりがちです。
ですので、これを書く目的は何か?をしっかりと考えたうえで書くようにすることを心掛けてください。
あとは慣れです。



Vタイプの方は画像が頭の中にあり、それを表現しようとするので、話が複雑になりがちです。

複雑になればなるほど、相手方は理解しづらくなりますので、一つずつ丁寧に説明するように心がけてください。

写真や図などを使うことも有効です。



Kタイプの方は言語化が苦手な方が多いようなので、そのような場合はその意識を変えていく必要があります。

最初は時間がかかってもいいので、アウトプットする練習をしてください。

思ったことや感じたことを、こまめにメモをとる。

スマホのメモ機能を使っても良いでしょう。

そうすることで、だんだんうまくなってくると思います。




審査員のVAK



また採択されるためには、審査員がVAKのどのタイプかを考えるのも一つの手です。

でも実際にはどのタイプかわかりません。

そこでどのタイプの審査員が来ても良いようにします。

Vタイプの審査員は画像や写真、グラフなどビジュアル化されたものを好む傾向がありますし、Aタイプの審査員であれば手順を踏んで説明ができているかなどにこだわる傾向があります。

ですので、文章だけでなく、図表やグラフなどをポイントで使うとよいでしょう。

Kタイプは、書かれている内容から事業の実現を体感できるかどうかから判断するようです。

ですので、どのように事業計画を実現していくのかを具体的に示す必要があります。

これらを押さえておくことで、採択率はグーンと上がることが期待できるのではないでしょうか。

この記事を書いたプロ

髙柳和浩

個性を引き出し”運を味方につける”経営コンサルのプロ

髙柳和浩(笑顔商店株式会社)

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