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原油価格・物価高騰等の対策に使える!事業再構築補助金の新設

2022年5月11日

テーマ:補助金 事業再構築

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 補助金 助成金事業計画書新規事業 助成金

最悪のインフレ

 本来インフレというものは景気が良いためモノが不足し、物価が高騰するような時に訪れてきます。例えば、今の米国ではコロナが落ち着き、景気が急回復し、そのためにモノが足らない状態が続いています。まさに本来のインフレが訪れています。そのため、米国政府はインフレを抑えるために、国債の金利を上げる政策を実行しています。これが今為替が円安になっている大きな要因の1つです。何故ならば、米国債に投資した方が儲かると考える投資家が多いからです。つまり資金が円からドルに移す投資家が増えているということです。他にもロシアとウクライナの戦争問題やコロナにより生産高が減っていることなどの要素もあるとは思います。
 
 では日本にとってはどうでしょう。ほとんどの物資を日本は輸入しています。われわれ日本人は自国通貨の円で暮らしているので、ピンとこない人が多いかもしれませんが、商社レベルの取引では国際取引する際は、原油を始め、食糧やほとんどの資源が一度米国ドルに両替して売買するというのが国際ルールです。

 話は飛びますが、イラク戦争が何故起きたのか?これは当時のイラクの大統領のサダム フセインが原油の取引通貨を米国ドルからユーロに変更しようとしたことが発端に起こった戦争です。まあ、米国にとっては死活問題になりますからね。

 話を戻すと、つまりは米国は勿論、中国と取引するにしても、ヨーロッパと取引するにしても、中東アジアと取引するとしても現地通貨や日本円ではなく、一度米国ドルに両替して取引をしなければなりません。ですので円高だと安く買えますが、いまのように円安になると高くなってしまうということになります。誤解を恐れずに、ざっくり申し上げると、これが日本で物価が上がっている要因です。

 ここで問題なのは、日本の景気が戻っていないということです。最初に戻りますが、本来インフレというものは景気が良いためモノが不足し、物価が高騰するような時に訪れてきます。
ところが日本は、
そもそもデフレ政策が続いているので物価は上がらない。
また企業の借入が増えているので、この状態で金利を上げると倒産企業が増える恐れがある。
企業は業績が低迷したまま。
賃金の上昇率も当然低い。
 など負のスパイラルに陥っており、その中での物価上昇という最悪のシナリオを招いているのです。

政府の対策


 この中で、日本政府も勿論対応が必要だということで対策をしています。しかし個人的には物足らないなあと感じており、「日本は自国建て通貨の国なので、借金が増えても破綻することがない」ということが明らかになってきたのだから、消費税の一時撤廃や、コロナで借りた借入は半永久凍結するなど、もっと大胆で革新的な政策を期待していたのですが、ちょっと残念な気持ちです。その話はこのくらいにして、その対策の1つが今回ご紹介する「事業再構築補助金 原油価格・物価高騰等緊急対策枠」の新設です。

事業再構築補助金 原油価格・物価高騰等緊急対策枠とは?


 発表された資料には、
「新型コロナの影響を受けつつ、加えてウクライナ情勢の緊迫化等による原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響により業況が厳しい中小企業等が行う、新型コロナをはじめとする感染症の流行など、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応した、危機に強い事業への事業再構築の取組を優先的に支援する「原油価格・物価高騰等緊急対策枠」を新設する。」と書かれています。

 少しわかりにくいかもしれませんが、簡単にいうと、原油価格や物価の高騰等の影響で売上が下がった中小企業等を支援するということです。恐らく、「モノ」を扱う事業者さんのほとんどが該当するのではないかと思います。うちは国産しか扱わないからという事業者さんもいらっしゃるかもしれませんが、そういう場合も輸入品があがることで国内の相場も上がっていると思います。つまりは、影響を受けているということですよね。

 ではどのくらい売上が下がったら対象になるのか?次のように書かれています。
足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響により、2022年1月以降の売上高(又は付加価値額)が、2019年~2021年同月と比較して10%(付加価値額の場合15%)以上減少していること。
  
 2019年~2021年同月と比較して10%(付加価値額の場合15%)以上減少ということです。

 でも、事業再構築補助金ですので、今の事業ではなく、新たな事業等を開始する必要があります。
 
 申請要件として、事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること 等と書かれています。

 詳細な内容はまだ発表されていません。第7回の公募からスタートするようです。つまり第6回の締切が6月30日ですから、それ以降ということになります。

第6回公募でも加点措置

 
 また第6回公募でも加点措置があることが発表されています。資料にはこう書かれています。

 足許で原油価格・物価高騰等の経済環境の変化の影響により、2022年1月以降のいずれかの月の売上高(又は付加価値額)が、2019年~2021年同月と比較して10%(付加価値額の場合15%)以上減少している事業者に対し、加点措置を行い、優先的に採択する。

 優先採択というのは、採択されやすくなるということですので、被害を受けられている事業者さんはしっかりと活用しましょう。










 

 

この記事を書いたプロ

髙柳和浩

個性を引き出し”運を味方につける”経営コンサルのプロ

髙柳和浩(笑顔商店株式会社)

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