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有松太

相続・遺言・家族信託の活用・相談にも応じる登記手続のプロ

有松太(ありまつふとし) / 司法書士

司法書士有松太事務所

コラム

法務局の自筆証書遺言保管制度を申請してみました(その2)

2020年10月16日 公開 / 2020年10月29日更新

テーマ:遺言

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 遺言書 書き方遺言書 作成

1 遺言の作成

遺言を書く用紙なんですが、自筆証書遺言を作る上では特に民法では決まりはありませんが、法務局に保管してもらうには、法務局でそれをスキャニングしてデータ化して整理する関係でA4サイズの用紙を使って余白を何ミリ空けなさいとか細かく決められています。
私の場合、法務省のホームページで罫線付きの遺言書の用紙の様式のPDFファイルが公開されていましたので、それをプリントアウトして書きました。

遺言の内容の書き方は民法の自筆証書遺言のとおりの書き方です。
前文でも書きましたが、自筆証書遺言は原則全文自筆で書かないと無効です。
代筆・パソコン・ワープロ・スタンプ、一切ダメです。
「原則ということは例外があって自分で書かなくて良い方法があるんでしょ。」とか言われそうですが、「こういう人は自筆で書かなくてもいいよ。」とみたいな例外は存在しません。
自筆証書遺言での例外は、自筆で書かないといけないんだけど遺言の文言のうち財産目録については自筆でなくても良いという例外が去年から始っています。
具体的に“財産目録”とは、例えば「どの財産を誰に相続させる。」という内容の遺言を書く場合に“どの財産”の部分が財産目録です。
なので、手書きで「別紙Aの財産を長男の有松主水之助に相続させる。」と書いて別紙Aを手書き以外の方法で作っても良いですという意味です。
そして「財産目録」という表題を付けた表のような書類を想像するかもしれませんが、財産がなんなのかがハッキリわかるような資料のことだと思ってもらえれば良いので、表のようなものに限らず、預金通帳の金融機関名・支店・種別・口座番号の書かれたページのコピーとか、不動産の登記簿謄本のコピーとかでも構いません。ただし手書きでない財産目録を自筆証書遺言の一部にするにはその目録のページ毎(両面に書いたら両面にという意味です。)に手書きの署名と押印が必要です。
言い変えると「財産全部を長女の有松あんみつ姫に相続させる。」というような内容で遺言を書く場合には財産目録を付ける余地はないので、全部手書きでないといけません。

あと、自分で書いて初めて気づいたのは、誤字脱字の訂正の面倒臭さです。
法律では訂正する場合、訂正箇所をインク消しや塗りつぶしたりしてはダメで、二本線引いて上の余白に正しい字句を書くなど、訂正前の状態をわかるようにして、その訂正箇所に印鑑を押します。そしてさらに別の場所に訂正した箇所と訂正した内容を例えば「遺言の第2条の2行目に2字削除して3字挿入した」とか書き込んで署名をしないといけないことになっています。
この手順を踏まないと訂正が無効になることになります。
なので、今まで相談者さんには、「訂正が無効になることもあるので、ミスった時には全文書き直した方が良いです。」なんて説明をしていました。
でも、よくよく考えたら、全文書き直しなんてそんな簡単なことじゃないですよね。
最初の1.2行で書き直すのなら大したことありませんが、1ページびっしり書いて最後の1行で疲れが出てミスるなんてよくあることですし、そこで全文書き直しなんて遺言作る気力も失せちゃいますよね。
だから、公正証書遺言を勧めていたというのもあるんですが、自分で実感して初めて気づきました。
ただ、全体で1カ所か2カ所誤字脱字の訂正をするくらいなら、さほどややこしくはないと思いますが、あまり何カ所も訂正すると、すべての訂正箇所が法律上適切な訂正処理がされているかをチェックするのも大変ですし遺言全体が読みづらくなってしまいますので、やはり全文書き直した方が良い場合もあるのではと思います。


※ 次回(その3)に続きます

この記事を書いたプロ

有松太

相続・遺言・家族信託の活用・相談にも応じる登記手続のプロ

有松太(司法書士有松太事務所)

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