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子ども時代の経験・環境が最も大切ではないのでしょうか?(現代社会の闇を炙り出した安部元首相暗殺事件)

2022年7月18日

テーマ:将来の日本

コラムカテゴリ:スクール・習い事

安部元首相が暗殺されて10日が経ちます。ようやく、事件の概要が明らかになってきました。そこから、今までの日本全体のいわゆる「常識」とされていた部分から隔絶した「闇」の部分が、はっきりと表れた事件だったと考えます。

まずは、安倍元首相について、少し触れたいと思います。日本中、いや世界中がショックと悲しみを覚えたこの事件から、「安倍晋三」という人物の豊かで洗練された人間性、そして本当に真摯に自分の使命を受け入れて、努力されてきた方だったと思い知らされました。

そこには、いわゆる「政治屋」という看板はふさわしくなく、極めて自然体で公務に当たり、極めて自然体で首相を務められたように思います。そういった意味で、間違いなく、唯一無二の総理大臣であったと確信しております。謹んでご冥福をお祈りいたします。

この事件から浮かび上がってきた問題点は、大きく分けて2つあると思います。まずは、言うまでもなくマスコミや、偉い人たちがやたらに騒いでいる「警備体制の不備」について。そして、2点目が重要なのですが、「社会から蔑ろにされた人たち、思わぬ不遇な人生を歩んでいる人たち、貧困にあえぐ人たち」があまりに増えているという実態についてです。

1点目の「警備体制の不備」については、偉い人たちが、あれこれ考えていくことでしょう。もちろん、それも必要なことですが。この点についても、「警備が甘かった!」、「SPや警察の動きが悪かった!」「奈良県警は何をしているのか?」といった、現実を直視できていない外野のみなさんが、あれこれのたまっておられます。

そもそも、今までの警備体制でよかったのが、日本に残った唯一といっていいほどの素晴らしい点ではなかったのでしょうか?それが、このような形で崩れ去る・・・。それは、警備の問題だけなのでしょうか?

犯人のご一家についての情報も徐々に明らかになってきました。そこには、「悪徳宗教」という実態が眠っていましたが、これはほんの一例です。

先ほども述べましたが、「社会から蔑ろにされた人たち、思わぬ不遇な人生を歩んでいる人たち、貧困にあえぐ人たち」が、この日本において急増しているわけです。その理由は何なのか?

日本だけではないと思いますが、公の権力というものは、今まで「憲法」や「法律」にのっとって各機関に権力を与えるという考え方が主流でした。しかし、これでは、まったく防ぐことのできない事件が最近たくさん起こっていることに気付いている人は、果たしてどれくらいいるのでしょうか?

例えば、子どもの虐待だけを取り上げても、同様のことが言えると思います。虐待されているとわかっていても、警察や役場は、その家庭に立ち入ることができません。DVや虐待の相談を受けても、一旦は保護するものの、また、元の家庭に戻しているのが現状です。そしていざ事件が起こってから始めて、警察が介入できる体制になっています。

この間、被害者の心は、すでに立ち直れないくらいズタズタになっていると思います。たとえ生き残ったとしても、被害者の心は、もはやまともに機能するはずがありません。その心を、私たちは、脆弱な「常識」という物差しで考えるから、到底理解できるはずもありません。

これから本当にこのような蛮行を防ごうと思ったら、こうした社会的弱者の視点にたってから、公的権力を与えていくという、おおよそ逆ベクトルの考え方をしなければならないと思います。

こういった社会的弱者を救う方法は、多岐にわたっていると思います。もちろん、金銭的な支援も大事だと思います。しかし、心を救う方法は、それほど単純なものではありません。

事件原因で、2世信者、3世信者という言葉も出ていますが、DVや虐待についても、2世、3世がたくさんいる現実を、もっと知って、考える必要があると思います。

これらの人々は、どちらかというと、後天的心的被害者ということができるかもしれません。当然のことながら、先天的な障がい者のみなさんについても、同様の対応が必要だと思います。こちらの方は、ある程度昔から取り組みはされていますが、実際、ご家庭では、辛い毎日を過ごされているところも多いはずです。

今まで取り上げてきた課題を、すべて政府や国会で考えていくことは無理だと思いますし、そうしてしまうと、また訳の分からない対策が講じられると思います。

しっかりと役割分担をして、場合によっては新しい権限をあたえる部署をつくるなどして、対策を講じなければ、これに類似した事件は、これからも起こることでしょう。

安部元首相暗殺事件は、現代社会の根本的な問題を浮き彫りにした事件といってもいいかもしれません。安倍晋三さんという、日本の宝をなくしたわけですから、私たち一人ひとりがこの事件を重く受け止めて、考えていくべきではないでしょうか?

そして、政府でも、今回の事件に対応するべく、各部署、各機関、各団体、様々な対策を振り分けることができる人材の育成が求められているように思います。もう、縦割りなんて言っている場合ではないことを、重く受け止めてほしいものです。

長くなりましたが、拙文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事を書いたプロ

青柳尚史

未来を生きる子どもたちの学力と人間力を育むプロ

青柳尚史(寺子屋二葉理系塾)

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