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木下勝己

企業型確定拠出年金のプロ

木下勝己(きのしたかつみ)

FPオフィスあんしん

コラム

個人型確定拠出年金(iDeCo)の詳細           (iDeCo=individual-type Defined Contribution pension plan)

2018年10月27日 / 2018年11月13日更新

 確定拠出年金には3つの税制優遇があります。
Ⅰ.1つは、掛金が全額所得から控除されることです。働いている方は収入(所得)に対して、所得税と住民税が課税されますが、確定拠出年金への掛金全額が所得から差し引かれ、控除の対象となります。

自分の税率を知っている方は意外と少ないです。住民税は一律10%ですが、所得税は本人の収入によって違いが出ます。例えば所得税10%の方の場合は、住民税と合わせて20%の負担をしています。

毎月の掛金を1万円と仮定すると、1年間で合計12万円の掛金になります。税金がいくら安くなるかというと、12万円×20%=24000円です。この効果は60歳になるまで毎年続きます。

40歳から始めて60歳まで20年間の場合は、24000円×20年=48万円の効果が見込めるということです。

1年間で12万円掛金を支払ったら、税金が24000円安くなるということは大きなメリットです。
実際には所得税は年末調整または確定申告で還付され、住民税は翌年4月からの住民税が安くなります。

Ⅱ.2つめは、運用益が非課税ということで、利子課税がありません。利子課税というと、今の低金利時代では知らない方もいますが、利息(運用益)は課税対象になります。税率は20%(別途に復興税が0.315%上乗せされます)です。

例えば、100万円が1年後に105万円になったとしたら、増えた5万円には運用益として20.315%の利子税が課されます。
5万円×20.315%=10,157円が税金として差し引かれて、残りが手取りとなります

どうでしょうか?利子課税の税率は高いと思いますか、高くないと思いますか?
確定拠出年金は長期の運用をしますので、例えば40歳から始めて60歳までの20年間ならどうでしょうか。

毎月2万円を20年間かけ続けると、元本は480万円です。平均利回り5%で運用できた場合の元利合計額は約815万円になります。

元本から増えた分の335万円が課税対象になりますから、利子課税は68万円です。結構な負担になると思いませんか。
利子課税が非課税という効果は大きいですね。

Ⅲ.3つめは、受取るときにも税制優遇があります。受取は一時金での受取りと、分割での受取の両方から選べます。
一時金で受取った場合は、退職所得控除の対象になります。これは非課税枠が利用できるということです。

一般的に退職所得控除は定年等で会社を退職する際に、それまでの勤続年数によって控除枠が決まりますが、確定拠出年金の場合は勤続年数を加入年数と読み替えます。

控除枠の計算は次のようになります。
20年までは、年40万円×加入年数・・・①
20年を超えた場合は、年70万円×(加入年数―20年)・・・②
①と ②の合計額が控除枠になります。

例えば40歳から60歳までの20年間加入していた場合は、年40万円×20年間=800万円です。

30年間加入していた場合ですと、20年間は先ほどの計算と同じで800万円ですが、20年を超えた30年までの10年間は、年70万円×10年=700万円になりますので、合計で800万円+700万円=1500万円が控除枠になります。

1500万円の控除枠は大きいと思いませんか。
毎月2万円の掛金を30年間続けたとして、元本は720万円です。30年間の利回りが4.5%で運用できると、元利合計で1500万円となり、控除枠を効率よく使うことができます。

また退職所得控除の場合は、控除枠を超えても優遇されます。控除枠を超えた金額の1/2が課税対象になります。

次に分割で受取った場合ですが、この場合は公的年金等控除の対象になります。
65歳未満は、公的年金等との合算収入額が130万円未満の場合は控除額70万円、65歳以上は同じく公的年金等との合算収入額が330万円未満の場合は控除額120万円です。

公的年金と合算して判断されますので、個々人で違うでしょうが、一時金で受取った方が有利な方も多いでしょう。

このようにⅠ.毎月の掛金を掛ける時(拠出するとき)に税額控除があり、Ⅱ.加入している間は利子課税が非課税扱い、Ⅲ.受取るときも退職所得控除または公的年金等控除の対象になる、ということです。

つまり加入を始めたとき受取る最後まで税制優遇が受けられるという制度ですね。加入者にとっては、かなり有利な制度と言えます。

注意点としては、50歳以上の方が加入者となる場合は、60歳で受け取れないことがあります。通算加入者等の期間が10年以上あればよいのですが、10年未満の場合は加入期間によって、受給開始年齢が遅くなります。

  加入期間      受給開始年齢
10年以上        満60歳
8年以上10年未満     満61歳
6年以上8年未満     満62歳
4年以上6年未満     満63歳
2年以上4年未満     満64歳
1ヶ月以上2年未満    満65歳

また、加入するには費用がかかります。加入に必要な費用は以下の通りです。
 ・加入時手数料:2,777円(初回のみ)
 ・毎月かかる手数料:取扱い金融機関によって違います
(167円から600円程度)

次回は企業型確定拠出年金の詳細についてです。

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