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今井順也

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今井順也(いまいじゅんや)

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コラム

有給休暇取得で皆勤手当を減らせるか?

人事労務

2014年6月5日

「社員が有給休暇を取った場合に、皆勤手当は支給しなくても問題ないか?」
という質問をよく受けます。
また実際に「有給を取って休んだのだから他の出勤している社員と差をつけるべきだ」として皆勤手当を不支給にしている会社も少なくありません。

■原則は有給取得でも皆勤手当を支払うべき

まず、原則論からいうと、労働基準法第136条では、
「使用者は、年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」と規定しています。
さらに、厚生労働省の解釈としても以下のものが出ており、皆勤手当の減額も労基法の趣旨に反するとされています。
「賃金の減額その他の不利益な取扱いには、精皆勤手当や賞与の算定に当たって、年休を取得した日を欠勤、又は欠勤に準じて取り扱うことのほか、年休の取得を抑制するすべての不利益な取扱いが含まれる(旧労働省行政解釈昭63.1.1 基発第1号)」

■ただしケースによっては皆勤減額も認められる

タクシー会社での有名な裁判例として「沼津交通事件.最二小判平5.6.25」があり、こちらでは有給取得による皆勤手当の減額を認めています。

認められた主な要点としては
①皆勤手当の額は月4100円、欠勤(有給)1日につき、2050円(2日休みで全額控除)としており、原告の給与月額に対する割合は1.85%に過ぎず相対的に大きな額ではなかった
②タクシー業者は自動車を効率的に運行させる必要性が大きく、当番表が作成された後に乗務員が年休を取得した場合には代替要員の手配が困難となり、自動車の実働率が低下するという事態が生じることから、皆勤を奨励する手当に合理性があること
などが背景にありました。

ポイントとしては、
「皆勤手当の制度が労基法が労働者に年次有給休暇を保障した趣旨を実質的に失わせる程度」
であるかないかが争点といえます。
どうしても減額をしたい会社は、皆勤手当の額、仕組み、必要性etc…様々な面を考慮した合理的な制度設計を慎重に考えましょう。

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