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コラム

建設会社の廃業と破産/正しい終わらせ方/建設業の経営コンサルタント、事業再生・企業再建・倒産回避

2014年9月25日

コラムカテゴリ:ビジネス

私はB級の経営コンサルタントです。

建設業や運送業の倒産回避や延命・存続や事業再生・企業再建を中心にコンサルタントをしております。



≪こんな昔話がありました≫

…登場人物はフィクションであり、実在のものではありません(^_^;)



≪登場人物≫

B9コンサル…B級(Aランクではない)な建設業・運送業専門の田舎の再生・再建コンサルタント

         建設業や運送業の資格はあるが、診断士などの国家資格は無しのコンサル



A先生…国家資格は持つであろう? 事業再生の勉強に熱心な先生

      10年か15年で2千件も3千件もの相談対応を公言するコンサル先生



数年前にH建設というA先生の友人の会社が月末の手形の決済ができずに、会社を廃業・破産させなければならないことが起こりました。

しかし、会社には破産を申し立てできるだけのお金がありませんでした(^_^;)



A先生もH建設の社長から相談は受けたものの、申し立てをお願いする弁護士先生も知らず、どうやって費用を捻出していいのかもわからず困っておりました(^_^;)

田舎の重鎮の大御所のコンサル(診断士)先生に相談しても、東京の重鎮の大御所のコンサル先生に相談しても、誰も破産処理のお手伝いなどしたこともなく困っておりました(^_^;)



ひょんなことから、若手のコンサル先生から、B9さんという廃業・破産の最後まで寄り添ってくれる事業再生コンサルタントがいることを聞き、三途の川の橋渡しをB9コンサルにお願いすることとなりました。



B9コンサルが最初にお会いした時のA先生は顔面蒼白の状況でした。

仕方のないことです。人様の生命と財産を左右するような時には、相当なプレッシャーがかかります。



その時、A先生は担保物件があるかないかをチェックしていました。

A先生がなんでそんなことをしているかB9コンサルにはわかりませんでしたが、大御所の重鎮の先生からの的外れなアドバイスだったみたいです。



B9コンサルは廃業・破産の準備にとりかかりました。

A先生も、B9コンサルの仕事の邪魔はしない、勉強させてください、という条件でカバン持ちのメモ係でH建設の最後の店じまいの手伝いをすることになりました。



B9コンサルは、申し立て代理人の弁護士さんを自らの人脈から選び、資金繰りを入念に検討し、最も重要なXデーを決めました。

入金の早期化、出金の先延ばし、売却可能な機械や備品を売却するよう手配し、家族関係のフォローも終わらせ、Xデーを迎える準備を進めていきました。

裁判所の予納金、申し立て代理人の弁護士費用、従業員の解雇予告手当と給料、社労士の手配、家族の第二の人生の衣食住も相談にのり、無事にXデーを迎えることができました。



A先生は初めてのことで、ひたすらノートにメモを取っていました。

B9コンサルはA先生は何をやっているんだろう? そうは思いながらも、一刻の猶予もない廃業・破産のXデーの準備に眠れない夜を過ごしていました。

後にわかるのですが、この時の現場での一部始終のメモが、A先生がコンサル学会の発表の論文(作文)に活かされるのでした(^_^;)



何はともあれ、H建設の廃業・破産は無事に終わりました。



倒産回避や延命・存続や事業再生・企業再建でも大変な仕事です。

現場での実務の経験がなければ、人様の生命と財産を左右する怖さをしらなければ、本やセミナーで知識を持ったところで大して仕事の役には立ちません(^_^;)



ましてや、廃業・破産の手伝いというのは重い仕事です。

H建設の裁判は無事に終わりました。



また、B9コンサルは何年後かに、A先生と会うことになりました。

年末にA先生から相談があるということで…



今度のA先生からの相談の内容は…

A先生の親族の会社が非常に苦しい経営状況になっており、相談は受けたが、どうジャッジをしていいかわからない?

公的機関の窓際で相談を聞くのとは違い、親族の会社となるとA先生も助かるとも助からないともジャッジできないというのである。

「B9コンサルの目利きで、助からないと思うなら廃業・破産の手伝いをしてほしい。」

「B9コンサルの目利きで、存続・再生できるならコンサルをしてほしい。」



B9コンサルも困ってしまい…

『A先生が自らジャッジするかコンサルしてはどうですか?』

『若しくは重鎮の大御所の先生方にお願いしたらどうですか?』



そうB9コンサルが返答すると…



A先生は、助かる助からないかわからないしジャッジできない、自身が保証をしているので感情が入る、田舎でも東京でも重鎮の大御所のボスの先生は知っているが事業再生学者ばかりである、だからB9コンサルにお願いをしたいということであった(^_^;)



B9コンサルが親族のN社の社長さんにお会いし内容を確認すると、

今月末の資金繰りも危うい、受注の見込みもあまりない、利益が見込める受注も少ない、とっても厳しい経営環境の状態でした。



B9コンサルはA先生に…

『助かるか助からないかはわからない。』

『廃業・破産するにしても、少しは時間がないと親族のいろいろな準備ができない。』

『できるだけのことはやってみる、なんとか延命・存続にはもっていきたい。』

そう答えてコンサルティングにとりかかった(^_^;)



N社の社長とB9コンサルは…

BKへのもろもろの依頼とお願い、資金繰りの綿密な見直し、原価管理の見直し、営業戦略手法の見直し、単価の交渉術のアドバイス、顧問税理士さんとの数値分析、などを実施した。



なんとか2~3か月で危機は脱出できた。

社長にも少しの笑顔と心の余裕ができてきた。

何より大きかったのは、B9という寄り添える心の支えができたことであった。



A先生からは…

もう保証はできない、もう運転資金のお金は貸せない貸す余裕はない、

そう釘を刺されていた。



受注が増えれば支払いの増加なので資金不足が発生する、BKも貸してくれるはずもなく、資金繰りにはいつも苦労することとなった。



B9コンサルのコンサルティングスタンスは、

『売り上げを上げろ!、資金不足は知らん!』

そんな姿勢ではない(^_^;)



そんなことをやっていたら、コンサルタントとして飯は食えないであろう(^_^;)

公的機関の窓際で毎日毎日座って相談者を待つ重鎮の大御所の先生なら、

それで十分に飯は食えるのであろうが…(^_^;)



人のコンサルティング内容を記録したりメモしたりして、

セミナーで人の話をパクっていたら、

本や論文(作文)くらい書けて収入が得られるのかもしれないが…



後の話であるが、B9コンサルのセミナーでの話の内容がA先生の論文になっていたことがある。

廃業・破産の手伝いもA先生自身が行ったように論文に書かれていたようである。



イエローだとかレッドだとか…

危ない気配のシグナルとしてB9コンサルの使用しているものが、

見事にA先生の論文に書かれていたのである。



こういうことがあるから、診断士の先生が講演レジメをせこく回収することも、

仕方がないのかなあ~? と何気に納得できてしまう(^_^;)



A社にいろいろな悪条件が重なり、数か月後に危機的な資金ショートのタイミングが」やってきた。

入金の早期化、支払いの先延ばしと出来高支払調整、だめもとでのBK数社への借入交渉、その他もろもろの手は打ったが数百万円の資金ショートの予定となってしまった(^_^;)



ちょうど親族に返済した数百万円が足らなかった。



しかし、資金ショートの月から3か月後には返済が可能な状況ではあった。



結果は、A先生と親族の話の中で会社をたたむということになった(^_^;)

社長の精神的にも体力的にも限界がきていたのではあるが…



残念だが、コンサルはアドバイスはしても決定権はない(^_^;)



B9コンサルと社長で廃業・破産の準備が始まった。

弁護士さん、顧問税理士さん、社労士さん、いろいろな打ち合わせが進んでいく。



資金繰りから、Xデーを決定し、破産費用の準備を進めていった。

少しではあるが、従業員さんへの解雇予告手当(給与)も用意することができた。



従業員説明会を開催する日がやってきた。

その日は夕方から大雪となった(^_^;)



弁護士さん、社労士さん、B9コンサル、

3名と社長で従業員説明会を開催することとなった。



A先生にも出席をされますか?

B9コンサルが聞いたが、答えはNOであった(^_^;)



このケースでは…

・会社の最後がとても悲しくては見ていられない。

・従業員説明会がもめたら怖いので出席をしない。

・大して関係もないので、プライドが高いために人に謝罪するのが嫌だ!

こんな心情である。



A先生がどうであったかは知らないが…



従業員説明会を無事に終わらせ、機械等の処分や処理も終わり、弁護士さんも社労士さんも帰り、最後にB9コンサルと社長で廃業・破産のお知らせの張り紙を貼った。

やはり、B9コンサルにも社長にも涙が出るほど辛いことであった(^_^;)



社長にはお礼を言ってもらった。

一人ではとても最後の場面を迎えられなかったと…



しかし、大雪の極寒の中での廃業・破産の手伝いは辛かった。



A先生からは…

B9コンサルにお礼のメールも電話も届くことはなかった(^_^;)



その後、B9コンサルはA先生に会っていない。

B9コンサルは社長とは安否やその後を気遣い、たまに食事などをしている。

時間が経てば、社長も穏やかに元気に第二の人生を歩んでいる。



B9コンサルのコンサルティングスタイルである。

一度ご縁のあった会社は、一生何かの形でお付き合いする。



風のうわさで、A先生も事業再生のセミナーなどで知識は積み重ねているようである。

現場での実務の経験は積まれているかどうかは知らないが…



A先生の論文(作文)をたまたま目にすることがあった。

B9コンサルが見たのは、A先生の書いたコンサル学会の論文(作文)であった。



そこにはH建設とN社のことが書かれていた。

それと、B9コンサルのセミナーの内容と参考資料の内容が・・・



そして、B9コンサルは無能であったと…





終わり! … 登場人物はフィクションであり、実在のものではありません(^_^;)








私はB級の経営コンサルタントです。

建設業や運送業の倒産回避や延命・存続や事業再生・企業再建を中心に、

現場での実効支援のコンサルタントをしております。



日本のことわざには…



恩を仇、とか、逆恨み、とか、

そんな言葉があります。



A先生は事業再生学者として、本を出版されたりして活躍をされていることでしょう!

現場での大いに活躍をされているでしょう???

公的機関の窓際の相談員などはしてはいないでしょう。。。



そして、B9コンサルさんにも…

譲れないちっぽけなプライドがあるのでしょう!

この記事を書いたプロ

網師本大地

現場第一主義を貫く中小企業再生のプロ

網師本大地(DSKプランニング)

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