運送業や住宅会社の経営改善や事業再生、現場での実務と償却前営業利益の話
ここ最近、厳しい内容の経営相談が多くなった。
そこでは、いろんな社長さんに出会う。
途方に暮れ悩んでいる社長さん。
多くは本当に真面目な方が多い。
きっかけや引き金は・・・
金融機関からの厳しい言葉が発端である。
もう融資はできない、再生計画書を提出してください、
などの言葉でビックリしてしまう。
そして、担当の行員がバイクで顔を見せなくなる。
田舎の町ではよくあることである。
担当者がバイクでこなくなる、支店長もあってくれない、
ほぼ融資ができないから近寄らない会わないという構図である。
融資を受けられない社長・・・
そこから笑顔がなくなっていく・・・
寝ても起きても頭にあるのは資金繰りのことばかり・・・
四国の小さな町である。
いろんなところでいろんな相談に行ってきた。
社長の相談の答えは誰からも聞けなかった。
話は聞いてくれた、優しい方もいた、決算書もみてくた、
数字の分析もしてくれた、足し算も引き算もしてくれた、
掛け算も割り算もしてくれた、
それで終った・・・
資金繰りの相談をしたかった。
どうすればいいのか?
その答えは誰からもなかった・・・
社長は途方にくれてしまった。
インターネットでコンサルタントを検索した。
四国には経営コンサルタントがいないと思ったらしい。
凄い下位に四国で経営コンサルタントが検索できた。
怪しいかもしれないが、とにかく電話をしてみた。
私も電話を聞きながら・・・
「よく私のHPまでたどり着きましたね・・・」
自分で自分のHPを言うのも変だが、探すのが大変なHPである。
そんなこんなで先週お会いをした。
初めての印象は、「疲れている。青くなっている。」
そんな感じであった。
話を聞く、納得ができるまで聞いてあげる、
まずはそれが大切なコンサルタントの仕事である。
いきなり決算書を開けて電卓を叩かれたら、相談者は不安になっていく・・・
1~2ヶ月がしのげれば・・・
たぶん、大丈夫なことが判明する。
社長もそう感じている。
けれど、誰も資金繰りを教えてくれない・・・
困窮企業や貧乏会社の資金繰り指導はしてくれない・・・
次は資金繰りなのである。
立派な計画書が書けたって、それまでに息が途絶えたら、
何の意味もなくなってしまう・・・
そう難しいことではなかった。
ただ、どう交渉するのか? どういう順序なのか?
具体的な交渉術を教えてあげれば動ける。
本当の問題は社内の問題である。
ここからが本番である。
とりあえずの相談は終った。
経営コンサルタントととして指導をすることは、もうないかもしれない。
それでいいと思う、経営コンサルタントに頼らなくてもやっていけるならそれでいい。
最後に社長に言ってあげた。
「社長、この会社は潰れませんよ!」
社長は不思議そうに、
「どうしてですか? どうして潰れないんですか?」
答えは簡単である。
手形を切っていないので、銀行さんが牙をむかない限り、
この会社は資金不足なのである。
いつまでたっても資金不足、
いつまでたっても貧乏会社、
嫌なことや恥ずかしいことはあるかもしれないが、
耐えて我慢して前を向けば大丈夫である。
社長は、すーっと落ちついていく。
背中の重い重い荷物が降りたように・・・
社長の顔が笑顔になり、元気になっていく、
みるみる笑顔になっていく・・・
社長がポツと・・・
「どこの相談員も専門家もアドバイザーもそんな話はしていただけませんでした。」
仕方がない・・・
経営者の経験もなければ経営者と一緒に泥の船を漕いだこ
とがなければ、急場の資金繰りや究極の資金繰りはそう簡
単にできるものではない。
そんなことはどこの本にも書いてはない。
書いてあっても客を呼ぶための100に1つの成功事例だけである。
すべては現場での再生実務の経験からである。
社長にひと言・・・
「娘さんが結婚式を挙げるまでは、頑張って社長でいようじゃありませんか?」
そう遠くない当面の目標である。
中小企業の社長である、これでいい、
何の文句があるのか?と言いたい・・・
社会を・・・
企業人として・・・
天下国家を語る必要はない。
自分が、家族が、友達が、なくならないように・・・
そして戦友である社員が・・・
それが大切で何が悪いか!!!
社長が笑顔で最後に・・・
「いつまでも貧乏会社、娘の結婚式、なーんか元気になりました。」
「それなら、もう一度前へ向かって頑張ってやってみます!」
社長が元気になった。
前へ進む元気ができた。
それでいい・・・