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小川哲也

借地権・底地の問題や投資物件の評価に強い不動産鑑定士

小川哲也(おがわてつや)

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コラム

不動産の仕事をすると色々な出来事に遭遇します

不動産よもやま話

2017年4月13日

借地権・底地を私のテーマの一つに選んでいるのは、やはりそこには奥深い問題があるからです。
また、私と不動産の出会いが、底地を借地権者に売却する仕事で、旧借地借家法上の不動産の権利関係の複雑化、過去の経緯の食い違い、人間不信、境界の問題等、ある意味映画にもなりそうな人間関係を見て、こんなに人間の様々な面を知ることが出来る仕事に魅力を感じたのが正直なところです。

現行の借地借家法は平成4年8月1日に施行されていますが、それ以前に契約が締結されているものは旧借地借家法が適用され、現在もその問題が綿々と継続しているのは、この旧借地借家法に基づく契約関係になるわけです。

この旧借地借家法の取引きをしていると色々な場面に出くわします。今回は少し不動産の話とはズレてしまいますが、経験した出来事の一部を書いてみます。

出来事:1


以前、某市の駅近くから徒歩5分くらいまでの範囲にわたって
広大な土地(全て底地)をお持ちの地主さんの担当になりました。

驚くほどの土地をお持ちですが、全部に借地権が付着しており、
底地業者以外の第三者は買わないので、できれば借地人の方に
買って頂きたい希望がありました。

底地の管理業者という立場で、各借地人さんの家をまわり、
地主さんの御意向を説明して回っていると、ある借地人さんから
こんなことを言われました。

「小川さん、あんた、こんなことしているとロクな死に方しないよ。。」

「えっ!なんでそんなことを言うのですか?」

「あの地主さんの土地を動かそうとする人、特に男の人は
全員、大事故で亡くなっているんだよ・・」

言われてみれば、地主さんの家には男の方がいません。いつも
対応して下さるのは娘さんで、その娘さんのご主人は養子に入った
ものの、大事故で亡くなっているそうです。
また、実際の地主さん(お母さま)は、やはりご主人を事故で亡くしている
そうですが、山奥に住んでおり、めったに集落には下りて来ないという
ミステリアスな方で、私は一度もお会いしたことがございません。
そういえば、娘さんのお子様も女の子でした。。。

そんなことを理由に仕事を拒否するわけにもいきませんし、
たまたまそうなっているんだと言い聞かせて、底地を借地人の
方に買って頂いたり、別な土地と交換したり、共同で一体として
売却したり色々と処理をさせて頂きました。

もう何年もたっていますが、一応、私の身に何も起きてはおりません。
ただ、当時、現場近くの神社にお参りをしていることだけは、
事実として申し上げておきましょう。。。


出来事:2


7~8件の借地人の方が住むエリアがありまして、
測量もきちんとされていないため、まず借地人ごとに実測面積に則した面積をきちんと確定
しましょうということになりました。

以前も測量をしている区画と、何もしていない区画が
ごちゃまぜになっていましたので、ともかく、全部が分かるようにしないと意味がありませんからという話に
なりました。

借地権者は土地を所有していませんが、ある意味、土地所有者より大きい権利を有しているので、
境界杭にも神経質になります。

隣地との境界確認もやっかいですが、借地人間の境界においても揉めることがあります。

ある日、打ち合わせに、借地人の方の家で境界の話をしたところ、ちょっと痩せ形で神経質そうな初老の
奥様が、「あの~、そこの境界杭について、ちょっとお話が。。」とおっしゃるので聞いてみると、
「前はもっと隣地側にあったと思うのですが・・・」

前の資料を見ても、ほぼ今の位置と変わらないと思っていたのですが、その奥様が続けて、
「実は、前に住んでいた方が、深夜に杭を抜いて、ここに埋め戻しているところを見たのです・・」

「金づちでトントンやっているところを見ました。。」

そんなこと、はいそうですか、じゃあ、文句を言いに行きましょうとも言えず、
「もう5年前にその方は地主さんに借地権を返してしまいましたし。。。」

と、なるべくもうその話に触れないように誤魔化しました。

しかし、訪問する度におっしゃるので私も困っていたのですが、ご主人が見かねて立会印を押して
くれると言ってくれました。

奥様が言っていることが本当だったら凄い話ですが、杭のことを考えるがあまり妄想してしまったようです。。


出来事:3


これは独断と偏見のお話なのですが、底地を借地人さんに買ってもらう仕事をしていた時に、先輩から、街を歩いていて、ここは借地かどうかが分かるようになれば一人前だと言われたことがありました。
当時、私にはどうして分かるのかが??状態で、そんなこと、土地と建物の謄本を比べてみないと分からないじゃないか(土地、建物の所有者が違えば借地の可能性が大きい)と思っていました。
ただ、経験を積むと、借地は大きな画地を分筆しないで、数軒の家が利用している状態が多く、下手をすると、その中に道路まで入っている場合もあるので、なんとなく雰囲気で分かるところもありますね。
ただ、下町へ行くと、みんな借地に見えてしまったりして、私の感覚も大したことないなと感じる次第でした。

実は、私の現在の家は、昔は借地で、地主さんが借地権を買い戻し、それを所有権で売却した経緯がありました。それは購入する際の重要事項説明で知ったわけで、現地に視察に行った際には全然分かりませんでした(笑)。
まあ、当時、家の近所は畑が多いような住宅地で、まわりには既に借地の部分は無い状態なので、分からないのも当然と言えば当然ですが。




ただ、不動産の現地調査をすると、なんとなく借地の匂いがする場合がありますし、借地に限らず、そのエリアの匂いというか香というか、嗅覚に訴えかけるものを感じていることが多いです。
人間の感覚というのは面白いもので、定量化できない何かが、結構重要な要因になったりもしますし、様々なデータの検証を行っても、感覚による検証は必ず必要だと考えています。
感覚って意外に当たっていますからね。

この記事を書いたプロ

小川哲也

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