「20年後も後悔しないマイホームの選び方」出版のお知らせ
日本の住宅は「スクラップ アンド ビルド」を繰り返していると言われます。
要は長く使わないで建て替えを繰り返すということです。
その一因に建物の評価の仕方に問題があるともいわれます。
欧米では古い建物ほど価値があります。
中古で購入したら、自分達らしく手を加えて、価値を高めて、再び売却するということも珍しくありません。
日本は中古住宅を購入したら、壊して新築をするという流れが主流でした。
その背景は別の機会に触れるとして、最近は政府も中古住宅の流通を活性化しようとしています。
そういった背景もあるのか、最近は「中古物件購入 + リフォーム・リノベーション」を検討されている方からのご相談が増加しています。
「中古物件購入」は時間との勝負
「チャンスの女神は前髪しかない」とはよく言われますが、不動産購入も似た要素があります。
「気に入ったけど、大きな買い物だから少し慎重に検討してから買い付け(購入の申込)をいれよう」なんてやっているとその物件は他の購入希望者に先を越されてしまうなんてことが起きます。もちろんそれだけ魅力のある物件ならということですが。
もし先を越されずに買付を入れることができたら、そこからは慌ただしく物事が動き始めます。
① 買付
② 住宅ローン仮審査(買付の前にやるケースも増えています)
③ 仮審査承認
④ 売買契約締結
⑤ 住宅ローン本申込
⑥ 住宅ローン本承認
⑦ 銀行との金銭消費貸借契約
⑧ 決済(残代金支払い) 物件引渡し
ざっとこうした流れが速いと一ヶ月の間で行われます。
物件取引に慣れない消費者からすると「何が何だか分からないうちに・・」手続きが進んでいきます。
リフォーム費用も住宅ローンに含めるなら更にタイトに
物件のリフォームを計画する場合でリフォーム費用も住宅ローンに含めて調達する場合は更にタイトなスケジュールになる可能性があります。
最近はリフォーム費用も住宅ローンに含めて借りられます。
銀行によっても対応の仕方は分かれますが、物件購入分のローンと一緒に手続きがされる場合はリフォームの見積もり書や契約書を早急に手配する必要があります。
物件を一回内見して、購入を決めて、住宅ローンの申込の為に早急にリフォームの見積書を手配をしなければいけない。
この間、数日かもしれません。
「じっくりリフォームの内容を検討して・・」なんてする間もなく、物事が進みます。
リフォームをじっくり検討するなら
リフォームをじっくり検討するための対策として考えられるのは次の方法です。
1 リフォーム費用は自己資金で賄う
2 リフォーム工事の不足分は住宅ローンではなく、リフォームローンを利用する
3 物件探しの前に自分たちの理想とする物件の状態をイメージして、設計士やリフォーム会社と打ち合わせをしておく
1で対応できるなら、慌てる必要はありませんね。
2の場合、リフォームローンは総じて金利が高く、10年から15年と借入可能期間も短くなります。
更に融資額も最大で500万円までしかダメという金融機関もあります。(金融機関によっては1000万円も可)
必要な資金によってはリフォームローンの方が住宅ローンで借りる諸費用を考えると総費用ではお得になるケースもあるので
そこは良く試算をしてみる必要があります。
リフォームローンで借りるなら、物件の引渡しを受けてからの申込でもスケジュール的には大丈夫です。
ただ、融資審査が否決されるような事態があると大変なので早めに審査申込みはした方が無難ではあります。
3は理想論かもしれませんが、目指したい方法だと思います。
物件が決まる前から設計士と相談して、自分たちのリフォームの方向性を決めておくことで、物件が見つかってから動き出す慌ただしい流れの中でも自分たちの希望をしっかりと反映させたリフォームが可能になります。
設計士も皆さんの住まいの希望を把握しているので、物件を見た時にアドバイスもしやすくなります。
結果的に物件が見つかってからの短期間での打ち合わせでも行き違いを避けられます。
これが実現すれば時間に追われずにリフォーム分も住宅ローンで借入することが可能になります。