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村上浩司

幸せをつかめる「強い心」と「自発的な学習態度」を育てる教育家

村上浩司(むらかみひろし)

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コラム

子どもをほめるのも、実は「支配する」ことになっているんです。(再アップ)

子育て 伸ばし方

2017年10月16日 / 2018年9月24日更新



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【2016年7月12日の投稿です】
 
 
子どもを誉める。それが良いことだと固く信じている親御さんは少なくありません。
 
 
もちろん幼児のうちはしつけも大事ですし、誉めて育てることは不可欠です。
 
 
しかし、子どもは成長していきます。
そのままの延長ではいけません。
 
 
子どもを叱って勉強させても良い成績が長続きしないことに私も気付いたので、今度は「おまえはスゴい!」「おまえは最高だ!」とメチャクチャ誉めまくりました。すると、成績が上がりました。
 
 
でも、やはりそれは一瞬でした。
その後は叱られた子どもと同様に、誉められた子どもも成績は下がっていきました。
 
 
なぜでしょうか?
 
 
それは、誉められることを待つようになるからです。
 
 
誉められることに慣れてしまうと、子どもは誉められることを目的にして行動するようになってしまうのです。
 
 
「認められたい」という承認欲求ばかりが強くなり、自分のための努力ができなくなってしまいます。
 
 
こんな話があります。
 
 
何かをしたことを親に誉められるのがうれしくて仕方のない子がいました。
誰でもそうだと思います。
 
 
例えば、落ちているゴミを拾ったことを親に誉められて、それがうれしくて、ゴミが落ちていると必ず拾うようになりました。ここまではいいのです。
 
 
しかし、その子は親が見ていないところではゴミを拾うことはありませんでした。
 
 
それどころか、やがて親に誉めてもらうことを求めるあまり、誰も見ていないところで自分でゴミを散らかして、それを拾っている姿をわざと親に見せるようになったのです。
 
 
子どもを誉めて育てることの「落とし穴」が、こういうところにあります。
良かれと思ってしたことが、我が子をそういう行動に走らせる。怖いと思いませんか?
 
 
子どもを「誉める」ということも、実は大人のエゴであることが少なくありません。
 
 
誉めることで、大人は自分の価値観を無意識に子どもに押し付けているのです。
それによって、相手の成長を阻害してしまう可能性があります。
 
 
例えば、テストで良い点数を取ったときだけ、子どもが親に答案を見せるようになることがあります。
 
 
これは、以前誉められたときに「テストで高得点を取るのが良いことだ」という親の価値観を、子どもが無意識に感じ取ったからです。
 
 
叱る教育と誉める教育を試行錯誤しながら私自身気づいたのは、叱ると誉めるのは一見正反対のことのように思えますが、実は「叱る・怒る=誉める」ということでした。
 
 
どちらも本質的には、相手をコントロールすることに他なりません。
つまり、叱るのは子どもに対する直接的な支配、誉めるのは間接的な支配なのです。
 
 
アドラー心理学でも、子どもを誉めることを認めていません。
 
 
考えてみて下さい、サラリーマンが社長を誉めることはないでしょう。
 
 
メジャーリーガーのイチローがファインプレーをしたり安打を放ったときに「いやー、イチローうまいね」とは言いません。
 
 
つまり、目上の人や自分より実力が上の人を誉めるということはないのです。
私たちが相手を誉めるのは、常に相手を見下して評価する立場にあるときです。
 
 
「誉める」というのは、相手にはそれができないことを前提にしています。
 
 
その行為の裏には、上下関係が潜んでいます。
「この子にできるなんて思わなかった…」という心理が隠れています。
 
 
ある意味で、子どもを信じていない。
子どもを操作しようという親のエゴが隠れているのです。
 
 
そして、たとえ無意識ではあっても、相手にはそれがよく伝わります。
子どもでもしっかり伝わります。
 
 
誉められた方は、一瞬はうれしく感じるかもしれません。
でも、徐々にどうでもよくなってきて、そんな誉め言葉は右から左に流すようになります。
 
 
誉めるというのはタテの関係です。
子どもは、支配されることを嫌がります。
 
 
だから、誉められても自発的に勉強するようにはなりません。
子どもとは、課題を分離するヨコの関係になることが必要です。
 
 
また、誉めるというのは、単に親であるあなたがうれしいからです。
子どもに「よくできたね!」と言うときは、あなたがそうしてほしかったから願望を叶えてくれたことがうれしいだけなのです。
 
 
子どもに対して何のためにもなっていないという事実を覚えておいて下さい。
 
 
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