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土田茂

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土田茂(つちだしげる) / ファイナンシャルプランナー

ライフ・デザイン・ラボ

コラム

20代で手取りの15%貯蓄は必要?!

2021年1月18日

テーマ:ライフプラン

コラムカテゴリ:お金・保険

コラムキーワード: IFAファイナンシャルプランナー 相談

こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの土田です。

私が講師として、今月30日に行われる日本FP協会主催の相続セミナーの広告が新聞にも掲載されたそうで、知人から「相続専門FPやってるの?」と質問がありました(汗)

FPってよく「〇〇専門FP」という方がいるように、どこかの分野の専門家という印象を持っている方が多いようですが、FPは6分野(ライフプラン、運用、保険、不動産、税金、相続・事業承継)という幅広い知識を持っていることが特徴です。

この幅広い知識を活用して、ライフプランの作成と実行のサポートを行うのがFPであり、相続も保険も運用もその一部に過ぎません。

ですので、どういう人生を送りたいか?という顧客の想いを実現するサポートを行う専門家と言う感じですので、「〇〇専門FP」というのはあくまでもFPというと何をしているかが不明確なので使っている「マーケティング用の言葉」とでも思って頂ければと思います。
※とはいえ、〇〇専門FPと言っている方が、本当に他の分野の事を知らないというケースもあるのは事実ですが…(汗)

という事で、ライフ・デザイン・ラボは、ライフプランをグラフなどで見える化(可視化)して形にし、それを実現するために幅広い知識でサポートするFP事務所です。

さて、今日は家計の話しですが、日経新聞にこんな記事がありました。
日経新聞1/15Web版 「20代で鍛える貯蓄体質 手取りの15%を天引き」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOMH06D6L0W1A100C2000000
以下引用
今年も多くの男女が大人の仲間入りをした。独身の20代は比較的自由にお金が使えるイメージがあるが、実際には2割が貯蓄ゼロという調査もある。転職や結婚、急な収入減などに備えるためには、一定の貯蓄を確保しておきたいところ。着実に貯蓄をするための家計管理のコツを探った。
「手取り収入の15%を貯蓄しましょう」。ファイナンシャルプランナー(FP)の井戸美枝氏は若年層の家計相談でこう助言する。基本は給料が振り込まれたら、その口座から貯蓄分を移してしまう。手取りが20万円なら3万円を貯蓄し、残りの17万円で生活をするというものだ。
併せて月々のお金の使い道や金額についても洗い出し、やりくりを考える。まずは食費や水道光熱費といった毎月必要となる「基本生活費」や住居費を把握。さらに資格取得や収入増につながる書籍代や習い事といった、将来のための「自己啓発費」も決める。目安は手取り20万円なら1万2000円(6%)ほどだ。残りが交際費など自由なお金になる。
引用終わり

記事のように、20代でも手取りの15%を貯蓄しましょうという「FPの意見」が掲載されています。記事では
・20万円の手取りであれば3万円を貯蓄して100万円を先ず作る
・自己啓発には12000円(6%)
・残ったお金が交際費・被服費等(記事では2万円)
・保険は加入しても医療保険程度でよい(公的な制度や会社の制度を確認)
・賞与など臨時収入は一部を旅行やスキルアップに
・貯蓄にはつみたてNISAなど税制優遇を活用することも検討

こんな内容になっていますが、いかが思われますか?

もちろん、一般論としては正に「正論」かと思います。
さすがFP!その通りです!と言ったところでしょうか。

しかし、現実を考えると当然疑問符が付く「現代の」20代の家計になるかと思います。

何故なら、現代社会では「終身雇用・年功序列」は両方とも一部の企業や公務員でしかあり得ないものであり、若年層では非正規社員も多い中ではそもそもこの記事の対象者は非常に限られます。

就職できたとしても、今後の転職も十分可能性がある中であれば、貯蓄も大切ではありますが、「自己投資」はもっと大事な時代と思います。

20代であれば、様々なスキルや資格などを取得することで、就職した企業の業界から異業種に転職も可能性が高くなります。

人生100年時代であれば、20代はまだまだ資産形成期ではなく、自己成長期ではないでしょうか?

自己投資の中には、必ずしも勉強だけが入る訳ではなく、旅行などで見聞を広げたり、様々な人と出会う機会を増やすことで仲間を作ったりと「人間力」の向上も含まれます。

最近は顧問先の企業経営者や管理職の方々と話しをしていても、若年層とのコミュニケーションが難しい(何を考えているのか分からないなど)という話題が増えました。

インターネットの普及もあり、リアルなコミュニケーションの機会が減っていることも原因ではないかなと思いますが、昔は当たり前だった「外に興味を持ち行動する」ことが、今の若者には意識して行わなければならない修行のようなものになっているのかも知れません。(買い物一つ取っても、昔は秋田から仙台や東京まで服を買いに行く方がいましたが、今はネットで買えますから出掛ける必要性もなくなったので機会が減ったともいえます)

ですので、私が思う「一般論」では20代は自己投資>>>貯蓄と思っています。

そしてこの一面だけ見ても、この記事は、一昔前の理想論かも知れませんが、まさに「机上の空論」になってしまっていると思います。

他にも意見の相違はありますが、FPとして気を付けなければならないのは、「ただのデータを取り扱っているのではない」という事です。

ライフプランを数値化や図表化して説明などはしますが、そこには「顧客の想い」やそれこそ「人生」が入っているものとして見ないと、ついつい「正解」へ導こうとしてしまいます。

正解よりも「顧客の価値観にあった「納得解」」こそがFPも含めたコンサルタントにとって重要な事であり、そのためにも、現場で起こっている問題や時代の変化を見据えた意見などを引出しに持っておくことが求められると改めて感じました。

最後に、私もこの記事の内容を批判するものでは決してなく、こういった「一般的な理想論」が自分の価値観に合うかどうかや自分の周りで考えたときに問題はないか?など考えるきっかけにして頂ければと思います。※私のブログも含めて

何れにしても、自分の人生について考え行動する必要性が増しているのは確かです。
少なくとも一昔前なら終身雇用・年功序列の社会から脱落しない限りはお金の心配は不要でした。今の20代だけではなく30代~60代の方は人生100年時代の資産管理/運用が必要な時代です。

ご心配がある方は、その心配事が現実になる前に対策をして下さい。

「FPと一緒に解決したい」という方はお問合せ下さい。


今日もありがとうございました。

この記事を書いたプロ

土田茂

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