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  1. 派遣労働者の同一労働同一賃金 派遣労働者がパートタイマーや契約社員である場合に気を付けること
葉名尻英一

接客業や店舗経営に強い社会保険労務士

葉名尻英一(はなじりえいいち) / 社会保険労務士

スリープロス社会保険労務士事務所

コラム

派遣労働者の同一労働同一賃金 派遣労働者がパートタイマーや契約社員である場合に気を付けること

2020年1月26日 公開 / 2020年3月4日更新

テーマ:働き方改革

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 働き方改革同一労働同一賃金 対策派遣社員 デメリット

前回までのブログで、派遣労働者と派遣先社員との同一労働同一賃金について述べてきました。
一方で、パートタイム・有期雇用労働法が改正され、大企業では4月から、中小企業では来年4月から、自社の社員とパートタイマーや有期契約社員との同一労働同一賃金に対応していかなければいけません。
では、派遣労働者がパートタイマーや有期契約社員であった場合は、どのように対応していけばよいでしょうか。
賃金と賃金以外で考え方が異なるので、それぞれについて説明します。



賃金について



賃金に関しては、派遣先均等・均衡方式を採用した場合と労使協定方式を採用した場合とも考え方は同じです。
まず、賃金のうち、基本給や賞与や役職手当などといった職務と密接に関連するものに関しては、派遣元の社員と不合理かどうかは原則関係ありません。
今までのブログで述べた通り、派遣先均等・均衡方式では派遣先の通常の労働者と、労使協定方式では同種の業務に従事する一般労働者(一般の労働者の平均的な賃金水準)と比較して同等以上であることが必要になります。

例外的に注意しないといけないのは、同じ会社で、正社員とパートタイマーが派遣労働者として働いている場合に、正社員には何か手当を付けていて、パートタイマーには付けていないとういうような場合、この手当の有る無しが合理的な理由に基づいているかどうかです。単純に社員だから付けてます、というような場合は同一労働同一賃金に該当しないということになってしまいます。

職務に密接していない待遇ですが、通勤手当に関しては、今までのブログで述べているように、派遣先の通常の労働者や同種の業務に従事する一般労働者と同等以上にしないといけません。ただし、労使協定方式の場合、自社の通勤手当の規定で実費相当額を支給するとしている場合は、派遣労働者にも同じように支給されていれば問題ありません。

その他の、住宅手当や食事手当といったものは、パートタイム・有期雇用労働法に基づく比較、いわゆる一般的な同一労働同一賃金の考え方が適用されます。
ですので、正社員のみに住宅手当が支給されるといった場合は、派遣労働者に支給されない合理的な理由がないと違反になります。また、食事手当に関しては、正規・非正規かかわらず支給する必要があります。






賃金以外について



賃金以外に関しては、派遣先均等・均衡方式と労使協定方式で考え方が異なります。

まず、派遣先均等・均衡方式ですが、教育訓練や安全管理といった職務に密接に関連する待遇については、派遣先の通常の労働者と均等・均衡である必要があります。
ですので、派遣先の通常の労働者が教育訓練を受けている場合は、原則派遣労働者も教育訓練を受けさせる必要がありますし、受けさせない場合は合理的な理由がないといけません。

次に、職務に密接に関連しないような待遇、例えば転勤者用の社宅や慶弔休暇といったものについては、派遣先の通常の労働者と均等・均衡である必要があり、かつ派遣元の通常労働者とも均等・均衡でないといけません。
少しややこしいですが、派遣先に慶弔休暇が無い場合、派遣元に慶弔休暇が無ければ、派遣労働者に慶弔休暇を与える必要はありません。ただ、派遣元に慶弔休暇が有れば、派遣労働者にも同様に慶弔休暇を与えるか、与えないもしくは日数に差を付ける場合には、やはり合理的な理由が必要となってきます。
この辺りについては、実際の待遇の状況など、事細かに見て検討していかないといけないので、実務上は難しい問題が出てくるかもしれません。


労使協定方式に関しては、いたってシンプルで、賃金以外の待遇については全て派遣元労働者と比較して不合理な待遇差にならないようにすれば良いです。
まあ、同種の業務に従事する一般労働者とは比較しようがないですしね。

この記事を書いたプロ

葉名尻英一

接客業や店舗経営に強い社会保険労務士

葉名尻英一(スリープロス社会保険労務士事務所)

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