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葉名尻英一

接客業や店舗経営に強い社会保険労務士

葉名尻英一(はなじりえいいち) / 社会保険労務士

スリープロス社会保険労務士事務所

コラム

キャリアアップ助成金②

2019年12月2日 公開 / 2019年12月11日更新

テーマ:雇用関係助成金

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 働き方改革

健康診断制度コース



有期契約労働者(パートタイマー、アルバイト、契約社員等)を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定して、キャリアアップ計画期間(最大5年間)に延べ4人以上に健康診断を実施した場合に支給される助成金です。

キャリアアップ助成金の正社員化コースを申請したいというお客様に、この健康診断制度コースをオススメすると、ほとんどの方がこちらも申請したいとおっしゃります。


労働安全衛生法という法律には、常時使用する労働者に対して、雇入の際及び毎年1回は医師による健康診断が必要であると定められています。法定健康診断や法定健診と呼ばれることもあります。正社員には健康診断を受けさせる義務がありますが、パートタイマーやアルバイトは対象外です。

本来は対象外で法律上の義務は無いのに、従業員の健康に配慮して健康診断をおこなうことを「法定外の健康診断」と呼びます。

この「法定外の健康診断制度を新たに作って、パートタイマーやアルバイト等に延べ4人以上に健康診断を受診させた場合に助成金が支給されます。

延べ4人以上ですので、4人に受診させても良いですし、同じ人が年1回×4年受診するということでも大丈夫です。



支給額は38万円(生産性要件を満たした場合は48万円)になります。
ただし、この助成金は1事業所あたり1回しか使えません。

対象となる従業員は以下のようになります。

〇有期契約をしている従業員であること
6か月間とか1年など期間を決めた雇用契約で働いている従業員です。パートやアルバイトは有期契約にしている会社がほとんどではないでしょうか。

〇雇用保険に加入していること
週20時間以上働く従業員は雇用保険に入らなければいけません。

〇1週間の所定労働時間が、正社員の4分の3未満の者
一般的な企業の正社員の1週間の所定労働時間(就業規則などで決められた就業時間)は40時間になります。
つまり、週20時間以上30時間未満働くという契約で働いているパートやアルバイトが対象ということです。
なお、1週間の所定労働時間が正社員の所定労働時間の4分の3以上(週30時間以上働く)の従業員は、法定健康診断を受診させないといけませんので、助成金の対象外です。
契約社員は、有期契約が一般的ですが、労働時間が正社員並みという場合が多く、その場合は対象外になります。

〇支給申請日に離職していないこと
最初の1年で4人以上受診という場合なら大丈夫ですが、複数年かけて延べ4人受診というケースでは、いざ申請しようとしたときに受診したパートさんが辞めていたということもあるので要注意です。







どんな健康診断が対象になるのか



□雇入時健康診断
入社する際に、健康状態を確認するために行う健康診断です。

□定期健康診断
通常、正社員が1年に1回行う健康診断です。

□人間ドック
基本健康診断と下記のうち1つ以上を行う健康診断です。
・胃がん検診 ・子宮がん検診 ・肺がん検診 ・乳がん検診 ・大腸がん検診
・歯周疾患健診 ・骨粗しょう症健診

※半日ドックを行う程度だとお考えください。


押さえなければならないポイントです


〇すでにパートタイマーやアルバイトに対して健康診断を行っている企業は対象外
〇就業規則などに健康診断の制度を規定すること
必ずキャリアアップ計画書を出した後のキャリアアップ計画期間中に、制度を規定しないといけません。その前に規定してしまいますと対象外になりますので要注意です。

〇雇入れ時の健康診断と定期健康診断の費用は全額会社負担、人間ドックは半額以上を会社が負担すること

〇健康診断をするパートタイマー等は、会社の任意で選ぶことは出来ません。対象者は必ず全員受診させること
会社が理由もなく「今年はAさんとBさん、来年はCさんとDさんに受診させます」と決めることは出来ません。パートに健康診断を受診させる制度にしたならば、全パートさんに健康診断を受診させなければダメです。
また女性のみとか、40歳以上というような年齢や性別で差を付けるような制限も出来ません。
ただし、「週20時間以上の勤務のパート」とか、「本人が希望した場合」といったものは認められます。

〇雇入時の健康診断だけをやるというのも可

新たな健康診断制度を作るのなら、雇入時の健康診断だけにすることを推奨します。
(余裕があるのならば、もちろん定期健康診断をオススメします)
費用は名古屋市ですと、8,000円~9,000円が一般的ではないでしょうか。毎年健康診断を行うより費用面で安心です。また、雇入時に健康診断を行えば、病気を隠して入社することを防ぐ事もできますし、従業員がどんな持病があるかを把握することもできます。
事業主にとってもメリットは大きいと思います。


申請から支給までのながれ



1.キャリアアップ計画書の提出
正社員化コースと同じ書式です。計画期間は5年間にするのが良いでしょう。
  ↓
2.就業規則に健康診断制度を規定します。
  ↓
3.健康診断等を延べ4人以上に実施します。
  ↓
4.支給申請
4人以上に実施した日を含む月の分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内に支給申請をしないといけません。

この記事を書いたプロ

葉名尻英一

接客業や店舗経営に強い社会保険労務士

葉名尻英一(スリープロス社会保険労務士事務所)

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