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コラム

増加する大人の「多動性障害」とは?

発達障害

2014年5月2日

ADHDという言葉を耳にしたことがあるでしょうか。これは、注意欠陥多動性障害(AD/HD)といわれ、3つのタイプに分けられます。①多動性・衝動性が優位なタイプ、②不注意が優位なタイプ、③1と2の両方を持っているタイプの3つです。その中の多動性障害について注目してみます。

この多動性障害とは、多動性、不注意、衝動性などの症状を特徴とする発達障害の一つで、最新の研究では、行動障害とも言われています。症状としては、「落ち着きがなく気が散りやすい。片付けが苦手。怒りっぽい、おもったことをすぐ口にしてしまう。忘れ物が多い。話にわりこんでくる。優先順位が分からない。言葉の説明だけだと分からない。仕事を引き受けすぎる。」といった行動の傾向が見られます。

かつては、子ども特有の症状とみられ、15歳未満では6~12パーセントと言われていましたが、近年では、成人してから症状に気がつく「大人の多動性障害、大人の発達障害」が注目され始めました。海外の事例では、大人の10人に1人以上が発達障害だというデータもあります。

増えたという背景には、いくつかの環境要因があります。
その一つとして、DSMという評価基準が研究を進めてきて、誰でもわかりやすく、多くの医師によって診断が明確な基準ができたことがあります。一方で、生物学的脳科学的な根拠がないこと、患者や周囲の主観的な自己申告というあいまいさ、治療法に直結性のないこととも課題もあります。DSM-IVの編纂委員長のアレン・フランセス医師は、慎重に作成したもののADHDの診断が15%増加すると見込み、十分な注意を促していましたが、実際には3倍に増加、小児の双極性障害は40倍、自閉症は20倍、成人の双極性障害は2倍となってしまったのが現状なのです。診断の不正使用に注意され、適切な使用を喚起されている最新のDSM-5でも、正常な人にまで誤って診断を下すという過剰診断と、過剰な薬物治療を受けていることが報告されています。そこから、精神医学の医師、心理学者、心理士等の専門家からDSMの修正の動きが始まっています。
また別の視点で、最近の睡眠科学では、睡眠がADHDの増加に大きく関わっていると言われていることから、働きすぎの日本社会の抱えている課題なのかもしれません。

この多動性障害は、本人の経験不足等によるものなのか、脳の特徴なのか客観的な視点から判断することができず、知能の低下も関係はないとされています。むしろ歴史上の偉人や発明家、芸術家などと天才と呼ばれる多くの人がADHDだったのではないかとも言われています。

日本では、他の先進国に比べ、成人のADHDの理解が乏しく、適切な治療を受けることも難しい状況になっています。適切な行動療法、支援が受けられず、社会で適応できないまま、ひきこもりやうつ病などの2次障害を発症してしまうケースも多く報告されています。

心の支援、発達に適した支援、行動への支援、環境調整の支援、周囲の人の連携による支援等、サポート方法も明確になってきました。仕事の不適正などと過度に人格が傷つけられたり、駄目な人とむやみに自尊心を傷つけられたりして、離職や休職される大人も多いです。お互いにサポートし、働きやすい社会にするための理解をしていくことが、働く大人のひとりひとりに向けられた課題と言っても過言ではありません。


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