財務と税務の違いとは?経営者が知っておくべき視点の違い
「人手不足の時代に、人を減らさずどう人件費率を改善するか?」
この問いに対して、答えは明確です。
人を減らすのではなく、“人件費の使い方を見直すこと”。
やみくもに削るのではなく、効率よく価値ある使い方にシフトすることがカギになります。
今回は、現場の力を維持しながら、実際に人件費率を改善する3つのアプローチをご紹介します。
アプローチ①:労働生産性を見直す「人時売上高」に注目!
人件費率を改善するためには、単純に「何人で働いているか」ではなく、“何時間働いて、どれだけ売上を出しているか”という視点が大切です。
これが「人時売上高」です。
たとえば:
・1時間あたりの売上が3,000円の店舗と、5,000円の店舗では、 同じ人件費でも効率に大きな差が出ます。
これを改善するには:
- 繁忙時間と閑散時間のシフト設計の見直し
- 無駄な作業や動線の削減
- 受注・在庫・会計システムの導入による業務時間短縮
→ 「人を減らさず」に人件費率が下がる、理想的な手段です。
アプローチ②:売上を底上げして“分母”を増やす
人件費率の公式は「人件費 ÷ 売上高」です。
ということは、売上を伸ばせば自然と人件費率は下がるのです。
すぐにできる売上の底上げ策としては:
- 客単価アップ:セット販売、限定商品、アップセル
- 集客増:SNS活用、リピート施策、紹介キャンペーン
- 営業時間の最適化:ピーク時間に集中した営業体制へ
- サブスクモデルや回数券導入で継続率向上
“削る”ではなく“稼ぐ”という発想での人件費率改善です。
アプローチ③:業務の効率化と一部外部化
定型業務は、人でやらなくてもいい時代になっています。
ムダを減らし、現場が“人でしかできない価値”に集中できる仕組みを。
- MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入
- シフト管理や勤怠はクラウド化
- 経理や給与計算などは専門業者に外注
- 店頭業務はセルフレジ化・注文アプリの活用
導入初期コストはかかるものの、人件費と時間を中長期で最適化できます。
実例:飲食チェーンA社での取り組み
複数店舗を持つA社では、全体の人件費率が40%を超えていました。
店舗単体では利益が出ているのに、全社で見ると赤字…。
原因を探ると、本部経費が全店舗に按分されていなかったことが判明。
各店のPL上、本部ロイヤリティを導入し部門別損益で評価するように変更したところ、各店の店長が「売上を増やすには?」「ムダな勤務時間は?」と、数字への意識が大きく変わりました。
その結果、たった3ヶ月で全社の人件費率は10%程度改善されたのです。
まとめ|削らず、活かす経営へ
人件費を“削る”のではなく、“効率よく使う”ための具体策は、意外とたくさんあります。
- 生産性を上げる
- 売上を上げる
- 業務を効率化する
この3つの掛け合わせで、無理なく人件費率を改善できます。
重要なのは、「現場の力を落とさずに成果を出す」仕組みを作ること。
次回は、人件費の固定費と変動費についてさらに掘り下げ、
**正社員・パート・外注をどう組み合わせていくべきか?**をお話しします。
\人件費を“活かす”ための経営を一緒に考えてみませんか?/
当社では、現場を守りながら人件費率を改善する戦略設計や、
「稼働・数字・人材配置」を組み合わせたコンサルティングを行っています。
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