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倉片稜(くらかたりょう) / 高度外国人材の活用コンサルタント

KUROFUNE株式会社

コラム

宿泊業界で外国人が働ける職種とは?

2019年12月17日 公開 / 2021年1月7日更新

テーマ:外国人採用

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 新卒採用 スケジュール採用支援採用力

こんにちは。「外国人の活躍支援」をしているKUROFUNE株式会社の倉片です。



前回までは建設業に特化して、
①働ける職種とは?
②採用基準は?
③定着/活躍するには?
の3つの記事を紹介しました。

今回は外国人が多く働いている「宿泊業」に特化して外国人の働ける職種についてご紹介します。



宿泊業も人手不足が深刻な業種の一つです。理由として、インバウンド需要が急速に高まったことがあげられています。2011年に622万人だった訪日外国人観光客数は、2018年には3191万人まで増加しています。この7年で5倍に増えています。観光客が急速に増えたにも関わらず、宿泊施設の供給が追いついていないために人手不足になっています。

さらに日本政府は2020年までに訪日外国人観光客数を4000万人、2030年までに6000万人に増やすという目標を掲げており、これからもインバウンド需要が高まってくることが予想されます。



では実際に宿泊業での人手不足はどの程度なのでしょうか?

旅館ホテル支配人 2.26倍
飲食物給仕係 7.16倍
旅館ホテル乗物接客員 4.01倍
といずれもかなり高い数値となっています。

日本には約80000軒の宿泊施設があるので、上記の有効求人倍率が当てはまるなら
約45000軒の宿泊施設がマネージャー不足
約70000軒の宿泊施設がウェイター不足
約60000軒の宿泊施設が接客係不足
となっております。驚異的な数字です。

そのためインバウンド需要の高まりと相まって、外国人を採用する宿泊施設が急増しています。



ただ外国人を採用する際には、「適切なビザ」を取得しなければなりません。もし適切なビザで仕事をさせなかった場合、不法就労に該当してしまい、懲役3年以下罰金300万円以下の刑罰に処せられる可能性があります。注意しなければなりません。




まず宿泊業で「正社員」として働くには4種類のビザが主なものとなります。
①永住ビザ
②技術・人文知識・国際業務ビザ
③特定技能ビザ
④特定活動ビザ



①永住ビザ・・・全ての仕事の就労が可能

日本人と同等の就労ができるため宿泊業界のどんな仕事でも働くことができます。基本的には日本に10年住んでいることが条件となっているので、日本語も不自由なく話せる方が多くいます。

永住ビザで日本にいる方は中国26万人、フィリピン13万人、ブラジル11万人、韓国7.1万人、ペルー3.4万人となっています。

永住ビザは日本に慣れ親しんでおり、日本人と同等に働くことができるので、採用の難易度は日本人と同じくらい高いです。


②技術・人文知識・国際業務ビザ・・通訳/マーケ/広報企画など

このビザを取得する要件として「大学卒業であること、あるいは日本の専門学校を卒業していること」が求められています。また学校で学んだ内容と関連している必要があるため、文系の子が学校で学んだ「マーケティング」や「企画広報」などの仕事をするパターンが多いです。

外国人の観光客が多い宿泊施設、あるいはこれから戦略的に増やしていこうと考えている宿泊施設なら通訳でも取得することができます。通訳人材としてフロントやコンシェルジュとして外国人のお客様の対応をする仕事も可能となっています。

技術・人文知識・国際業務ビザで日本にいる方は中国8.2万人、ベトナム3.5万人、韓国2,4万人、台湾1.2万人、アメリカ0.9万人となっています。



このビザで就労するには、日本に来ている留学生を新卒として採用する、現地にいる大学生を新卒として採用する、あるいは現在、技術・人文知識・国際業務ビザで働いている人を中途として採用するの3通りの方法があります。

このビザは10年働くと永住ビザに切り替えることもできるので、外国人もまずは10年日本企業で働きたいという方も多くいます。将来の会社を担う人材として採用したい場合は、「技術・人文知識・国際業務ビザ」が最もふさわしいかと思われます。

特に長期的視点で、インバウンド需要を獲得していきたいという宿泊施設であれば、技術・人文知識・国際業務ビザで採用していくのが望ましいと思われます。
実はあまり知られていない、インバウンドが最も伸びている国・・


③特定技能・・・フロント、ウェイター、清掃など

2019年4月に新しくできたビザとなります。日本語能力試験に合格している方で、技能試験に合格した方が取得することができるビザです。日本政府として5年間で2万2000人の受け入れを目指しています。

ホテルの仕事を全般的にしていただくというのであればこのビザが適切となります。ただ建設業での特定技能と異なり、最大5年間しか勤務することができないため、長期的に雇用することは不可能であり、現在の人手不足を解消することが目的となりそうです。

また5年間での受入枠も2万2000しかないため、人手が不足している宿泊施設の数から見たら圧倒的に足りていません。そのため、人材の獲得争いが起こることが予想されます。いま準備していなければこのビザでの雇用は難しいと思われます。ビザの知識を深めたり、現場での受け入れ態勢を整えましょう。



④特定活動・・・フロント、ウェイター、マーケティングなど

2019年6月に新しく更新されたビザとなります。いわゆる接客ビザと呼ばれるものです。日本の大学を卒業していて、日本語能力がN1、あるいはビジネス日本語能力テストで480点以上の得点の方が取得できるビザとなります。

N1を持っている、あるいはビジネス日本語能力テストが480点以上の方は日本人と遜色がないくらい日本語が理解できる方となります。さらに日本の大学を卒業している方となると、母数としてはかなり少なくなってしまいます。

たまたま日本の大学を卒業していてN1を持っていた方がいた時に、このビザで申請すると確実なので、該当者がいた時の選択肢として考えた方が良さそうです。




今回は宿泊業界において、どの職種にてどのビザを取得すれば良いのかをまとめてみました。インバウンドの需要を獲得していくためにも押さえておく必要があります。


間違ったビザで就業させて「不法就労」に問われたり、ビザが下りなくて不利益を被ったりするケースを聞くことがあります。知らなかったでは済む話ではありません。外国人を雇用する以上最低限抑えていなければならない知識です。

もしビザ制度についてわからないことがある、あるいは外国人の雇用について具体的に相談したいという方がおりましたら是非ともKUROFUNE株式会社に一度ご相談ください!
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