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立地条件が悪くても付加価値をつけることで魅力的な物件に

　元々営業マンであった大野さんは、管理会社などから社員教育を依頼され、営業に同行することもあります。会社の顔として華やかな存在に見られがちな営業ですが、ノルマに追われ、数字を達成することを求められる厳しい仕事。それは大野さん自身が一番よくわかっていることであり、大手企業に勤めていた時も「これでいいのか」と常に疑問に感じていたことでもありました。
　大野さんが営業で大切にしているのは、良いことも都合の悪いことも早く相手方に連絡をすること。「営業をしていると予期せぬことが起こります。例えば、先方が思いもよらないことをおっしゃられたり、入居したら電気が切れていたなどのハプニングも……伝えにくいことでもできるだけ早く相手に伝えることで良い結果につながることもあります。ものを持たないサービスでいかに顧客を獲得していくかは、一つ一つの案件に真摯に対応していくほかありません」と、静かに語ります。

　順調に業績を伸ばしている「アーリーエステイト」ですが、大野さんは決して現状に満足しているわけではありません。管理をしている物件の中には立地条件が悪くてなかなか決まらないものもありますが、そういう物件こそ他との差別化をはかり、付加価値を付ける必要があります。
「クリエイター系の事業主さんはオフィスの内装にもこだわる方が多く、そういう人たちが好むものにすれば立地が悪くても決まります。今後は私たちがつくってお貸しできるようなデザイナーズオフィスの提案ができたら…とも考えています」と大野さん。貸事務所を探している人だけでなく、リノベーションに興味がある人や空き部屋に困っている貸主さんなどにも見て頂けるとうれしいとのこと。
　また、シャッター街になっている空き商店街の商店主さんたちと一緒になって、商店街ごと活性化できるようなまちづくりに関わる事業をやってみたいと抱負を語ってくれました。

（取材年月：2018年1月）

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